司は目を覚ます。

あれ？　誰かと話していたような？　何も思い出せない。

「よかった～！　司君やっと起きた～！」

「藤井君！　起きてくれて本當に良かったよ」

「お目覚めですか王よ。今度の眠りはし長いのではありませんか？　心配しましたよ」

「モンブラン君！　よかった本當に良かったよ」

一斉に歓喜の聲が部屋を包み込む。そこには、幹部たちやクラスメイトが集まっていた。

「どのくらいですか？」

「一週間だ」

「ミナ王國は？」

「まだ何もきはありません。王の意思を無視した行はできないですから。こちらも何もいてないです」

「そうですか。花音は？」

「今もまだぐっすり眠ったままだ」

「そうですか。ありがとうございます」

しばらくして落ち著いた後、司は幹部たちに今まで起きたことを報告した。

驚愕の事件。巨大な発の後に時間がまき戻ったこと。

「時間がまき戻ったですか。それが事実ならその人は一人しかいませんね」

「そうじゃな。そんな能力を持つのは彼ぐらいじゃ」

「そんなに有名ってことは、魔王ですか？」

「ああ。最古の魔王の一人、【不戦の王ファリウス】に間違いないだろう」

「最古の魔王？」

「ああ。他にもモンブラン君の戦ったシンや【自然の王スレイ】がこれに含まれる。この三人の実力は他の魔王と比べても破格とされている」

「特にその中でも群を抜いているのがファリウスだ。時間に干渉するという化けみたいな能力だからな」

「戦闘を嫌い、戦闘をしないとされている。だが、過去にファリウスの逆鱗にれた魔王達が三対一ですら敗北したという噂を聞いたことがある。それ以來表舞臺に現れたことはなかったし、噂も聞いたことすらなかったのにな」

「戦闘は絶対に避けたほうがいい。あれに勝てる生は存在しない」

「肝に銘じておくとします」

背中にできたリングのこと。

「背中にできたリングか。もしかしたら、司君の力は神をも超える力なのかも知れんな。古くから背中のリングとは神の象徴とされる」

「確かにそうですね。背中にリングを背負うのは神と魔神だけ。それが古くから伝わる伝承ですし」

「モンブラン君は神からの祝福を授かっているんだろう？　それならその力の覚醒ってことじゃないのか？」

「なるほど。それなら確かに頷けますね」

黒い鎧の者達が背後にいるということ。

「それは【掌握の王ベラ】の配下でしょうな」

「はい、それは聞いたことがあります。クラスメイトの亡骸をボロボロにされたので、部下を四人殺しました」

「ベラは表に姿を見せず、掌握した配下を駒に戦闘をすると聞きます。その軍力は數個の國家に匹敵するとか」

「まあ、どっちにせよ。掌握の王ベラは必ず殺します。花音に敵意を向けたこと後悔させてやる」

「そうですね。王の意思のもとに我らは従いますよ」

「ありがとうございます。では、目の前のケイネル魔法國について話をしましょう」