《召喚された賢者は異世界を往く ~最強なのは不要在庫のアイテムでした〜》第19話 この世界

ジェネレート王國――、俺を召喚した國だ。そして召喚された當時説明された”ルネット帝國”、そして”シファンシー皇國”も地図に記載がある。

「もしかして……送還魔法って……ただの転移魔法……か? その前にこの國の配置はゲームと……同じ……」

俺が暮らしているサランディール王國のフェンディーの街は、ルネット帝國側に面していた。その反対側がジェネレート王國と描かれている。

他の地図を次々と開き、國の位置を確認していく。

「ジェネレート王國に戻れば……もしかして元の國に戻れるのか……? いや、でも待てよ。戻れる確証もない。もし日本に帰ってもこれだけ行方不明になってたら、仕事もクビになっているはず。それなら……ここに骨を埋めるしか……」

開いていた地図を仕舞いながら覚悟を決めていく。

あれだけの屋敷があり、家霊が常に綺麗にしてくれている。しかも16歳まで若返り、金も十分とは言えないがそれなりにある。さらに言えばチートアイテムが多數ある。

これ以上に恵まれた環境なんてないと気持ちに區切りをつけていく。

テーブルに出していたを、仕舞い部屋を出る。

そしてミリアに挨拶をして屋敷へと戻った。

扉を開けると、すぐにフェリスがお迎えしてくれた。

早く帰ってきたことにフェリスも心無しか笑顔の気がする。

「ただいま、フェリス」

「……お…かえり……ト……ウヤ」

片言しか話せなかったフェリスだが、しだが言葉が流暢に話せるようになってきていた。

俺が住んだことで何か関係があるのかと思いながら、部屋で著替えをし、キッチンへ向かった。

次元収納ストレージから食材を取り出し料理を考える。

「この屋敷で一人……寂しいもんがあるな……、もうし落ち著いたら誰か雇うか……」

出した野菜を切っていき、水をれた鍋に次々と放り込んでから、ももう一つの鍋で炒めていく。

そして焼き目のついたをそのまま鍋へとれていく。

途中、市場で買った調味料をれ味見をしながら煮込んでいく。

「こんなもんかな……」

スープをれ、市場で買ってきたパンと一緒に食べる。

「やっぱりアイテムの食事のほうが味いよな……でも慣れていかないとな」

食事のあと、執務室に移った俺はナタリーからもらった魔法書を機に置いていく。

4冊の魔法書を並べ、初級から読んでいく。

パラパラと読み込んでいくだけで、自然と脳裏に焼き付いていく。

中級、上級と次々に読み込んでいく。

そして最後に、渡された更に上の魔法書と言われていた本を開く。

「これは……」

そこに記載されていたのは、屬魔法とは違い、無屬や時空魔法についての見解だった。

今までの魔法書と違い、研究資料のようなだった。

自然と俺の頬は緩んでいく。

「これはこれで面白いな……。どれどれ……」

出來上がっている魔法ではなく、『こんな魔法が出來たらいいな』を理論的に書かれていた。

特に時空魔法で転移について書かれていたことには、俺も興味が湧く。

実際に俺もジェネレート王國で寶玉と魔法陣によって、この國に飛ばされてきた。

それを個人の魔法で再現するためにはーーなど、読んでいて飽きなかった。

そして最後のページ……、そこには著者のサインがあった。

書かれていた名前はーー著者賢者ナタリー。

あいつかよっ!!」

俺はそっと本を閉じたのだった。

◇◇◇

翌日から俺は、冒険者ギルドへと通い、資料室に篭っていた。

ミリアから一枚のカードをもらい、「これがあれば資料室はりたい放題です!」と意気揚々と言われたが、銅貨1枚、100円で室など今の俺にとっては微々たるものだと苦笑する。

資料室は、冒険者に関わる様々な資料が置いてあった。今後、ける必要がある“護衛の為の必要な條件”など、次々と読んでいく。

そして、國同士の関係や、歴史についても調べていく。

この國には奴隷制度はないが、國によってはあるということも初めて知った。そして奴隷制度がある國は、俺を召喚したジェネレート王國だった。

ジェネレート王國は定期的に、ルネット帝國に戦爭を仕掛けている。

そしてギリギリのところで、ルネット帝國に追い返されるのを繰り返していた。

「ゲームの時はジェネレート王國所屬だったけど……資料を見れば見るほどロクでもない國だな」

それが俺の想だった。

そして資料を調べているうちに一週間が経過する。

この世界では、六日を一週間とし、五回繰り返すと一月となる。それを十二回で一年とし、一年は三百六十日とされていた。週に一回休みが基本とされているが、もちろん冒険者には適用されていない。

自分で依頼を選択し、休みも自分で決める。それが冒険者だ。

実力のある者は稼げるし、ない者は休む暇もなく働くかーー途中で命を落とす。それが冒険者だ。

Cランクともなれば、一人前のベテランとして扱われ、Aランクは上級者として重寶される。

上級者はギルド提攜の宿屋では割引が効くとなっているが、この街で依頼をこなすなら、すでに屋敷を持っている俺には関係ない。

Bランクからは指名依頼というものもあり、ギルドから強制的に依頼をけさせられることもある。

「まぁまだCランクだから俺には関係ないけどな……」

そして期限を迎えた俺は、応接室でエブラントと向かい合って座っている。

エブラントの隣にはミリアが座り、資料を手に持っている。

「それじゃぁ護衛の依頼について説明しようか」

初めての護衛依頼について、エブラントから説明が始まったのだった。

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