窓からり込む朝日で眼を覚ます。

この世界に來てからはそれが普通になってきた。

朝日とともに起き、沈むと寢る。魔法による明かりはコストがかさむのだ。

自然とそういう習慣がついてくる。

「こんな時間に起きちゃうなんてな……」

次元収納ストレージから取り出した裝備にを包み部屋を出る。

食堂に降りていくと、すでにルミーナが食事をしていた。

「おはようございます、ルミーナさん。早いですねぇ」

「おう、トーヤか。今日は食事をしたら、商會に向かわないといけないからな。私の裝備はし時間がかかる。だから早く食べて著替えるようにするんだ」

確かにルミーナさんはこの街に來てからは普段著を著ていた。

やはり普段からあの――ビキニアーマーを著ているということはなかった。

しだけ殘念ではあるが、あとでまた目の保養をさせてもらおう。

俺は隣の席に座り、朝食をとる。

食べている最中で、ダイ達四人も起きてきた。

各自に挨拶をし、食事を済ませた後、宿の前で一度集合し、フェンディーの街へと戻るために商會へと向かう。

商會の前では馬車四臺に荷が次々と詰め込まれている最中であった。

ルミーナが代表して商會にっていき、殘ったメンバーは荷の積み込みを手伝う事にした。

「ありがとうよー。馬車四臺分の荷はそれなりにあるからなぁ。それにしても魔法職だろ？　隨分力持ちだな？」

商會の荷の積み込みをしている中年の男から聲が掛かる。

例え魔法職とはいえ、普通の冒険者とはレベルが違う。説明することはないが、笑顔で返事し、次々と荷を運んでいく。

人數が増えたことで、荷の積み込みはすぐに終わった。

そして、商隊の責任者が出てきた。

「帰りもよろしくお願いします。それでは出発しましょう」

ルミーナと俺が先頭を進み、ダンブラーの街を後にする。

帰り道も順調に進み、一泊目のキャンプ地へと到著した。

テントを張り、夕食の準備を始めると、何故か俺への視線が集まってくる。

そしてルミーナが俺の隣に座った。

「トーヤ、――勿論あるんだろう？」

期待をする目だ。周りを見渡すと、ダイ達四人も期待を込めた視線を送ってくる。

大きくため息をついたあと、スープのった寸を一つだす。

「仕方ないですね……。は自分のを用意してくださいよ」

「さすがトーヤ！！　分かっているねぇ〜」

ルミーナに頭を摑むように寄せられて、に埋められる。

ビキニアーマーのは……正直痛い！　痛いよ！　一枚挾んだ奧にはきっとらかいだろうが、ガードしている裝備はいだった。

各自に配りながら護衛達で火を囲みながら食事をする。

帰り道ではダイの態度も化していたのは助かった。

そして、食事を済ませた後は、行きと同じように野営の監視の順番を決めていく。

行きと同じように二番目で、ルミーナとの監視となる。

順番となり、火を囲むようにルミーナと雑談をしていると、コクヨウが寄ってくる。

ブルルルルゥ……

一鳴きし……俺の頭を甘咬みする。

「ちょ、ちょっと待って。コクヨウ何だよぉ……」

「はっはっは。黒曜馬バトルホースにもされておるな」

ルミーナが笑う中、俺が頭についた涎を袖で拭き取ると、コクヨウは首を森の方へと向けた。

「コクヨウ……何か來てるの……か？」

俺の探査サーチにはまだ反応はない。

未だ探査範囲の200メートル以には何も映っていない。

「しかし、何かに気づいたということだろう……」

ルミーナは橫に立て掛けてある剣を持ち立ち上がる。

俺も立ち上がり、探査サーチを森の方向に向ける。

「なっ！！」

一方向に向けた事で、距離はしびる。

そして――數十にも渡る反応が見える。しかもこちらに一直線に向かっている。

「魔の反応がある！　數は數十！　こっちに向かってきてる！！」

「なんだとっ！？　みんな起きろ！！　魔の襲撃だっ！！」

俺とルミーナの言葉に、ダイ達も飛び起き、各自裝備を整えて出てきた。

商人達も恐々としながら馬車から降りてきて、ルミーナの指示に従っている。

慣れであろうか、そのきは張しながらも見事なものだった。

一ヶ所に馬車を集め、その中に隠れていく。

「私が先頭に立つ。お前たちはパーティーだろう、商人達を守るように組め！　トーヤ、お前は回復師プリーストだろう。後方で支援だ！」

ルミーナの言葉に首を橫に振り、ルミーナの隣に立つ。

そして次元収納ストレージから――両手剣を取り出す。

自分の長ほどもある大きな剣に、ルミーナは目を大きく開いた。

「トーヤ！　お前はそんなもん使うのか！？」

「えぇ、これが一番慣れているのでね」

「……分かった。回復できるのはお前だけだ。無理はするなよっ」

ルミーナの言葉に頷き、魔との距離を確認する。森との距離は後100メートルほど、そろそろ見えてくるはずだ。

そして、先頭の魔が現れた。

豚の様な顔で太ったをし、手には棒を持つ。長は2メートル程であろうか、俺が悠々に見上げる大きさだ。

雑食でや魔も襲って食す。勿論、人間も除外されない。

しかも、オークは人間のは攫い、苗床にする習もある。

人間にとっては天敵であった。

「オークの群れだ！」

ルミーナの言葉に俺は剣を構える。

ダイ達も各自がフォーメーションを取り、襲撃に備える。

そして、俺たちの事を見つけたオーク達は仲間を呼ぶような奇聲をあげた。

その聲に反応してか、奧からはゾロゾロとオークの群れが出てくる。

「こんな數……ありえない……」

「この數相手にしたことないぞ……」

余りの數に恐怖で震えるダイ達の目の前には、３０を越えるオーク達が獲を見つけたかのようにニヤリと笑った。

そして集団の中の一のオークが聲をあげると、こちらに一斉に駆け出した。

「気合いれろ！！　絶対に死ぬんじゃないぞ！！」

ルミーナの聲が響き渡り、６人対３０の戦いが始まった。