《召喚された賢者は異世界を往く ~最強なのは不要在庫のアイテムでした〜》第18話 初心だった三人

決行の日。

「それなら、酒を飲みながらでどうじゃ? いい酒を手にれたのじゃ」

ナタリーは自分の次元収納ストレージから瓶を一つ取り出す。

グラスを並べ、四つのグラスに酒を注いで各自に配る。

「まぁ、先に乾杯をするかのぉ。乾杯」

「「「乾杯」」」

皆でグラスを掲げ、口へと運ぶ。

三人はトーヤの反応を見ながら、酒に口をつける。

アルコールは高いものの、甘みが口の中へ広がっていく。

三人も思わず、笑みを浮かべるほどの味さであった。

「これ、味いな……」

「そうじゃろう。これはわしが特別な調合をした酒だからのぉ。味くて當たり前じゃ」

「ナタリー、何を作ったん――――」

その言葉を最後にトウヤはそのままテーブルに伏せてしまった。

「あれ……。ナタリー様……惚れ薬なはずでは……?」

「うーむ、おかしいのぉ。本當だったら、薬を飲んだ後に、わしらを見たらしくなるはずなのじゃが……」

「ナタリー様、もしかして失敗したのでは……?」

「わからん……。まずは、トーヤを寢室に連れて行くぞ」

テーブルに伏せている、トウヤをレベルが上がったアルが持ち上げる。

――その瞬間、トウヤの顔を見た三人は、一気に頬を染める。

「トーヤ様ってこんなに素敵でしたっけ……」

「トーヤさんとれているだけで……」

「トーヤ……」

れる事さえ戸う程であったが、三人はトウヤを擔ぎ、寢室のベッドに寢かせる。

「そういえば……。この後、どうすればよろしいのでしょうか……。アル、知ってる?」

「えっ!? シャルが知ってるんじゃ? 私はずっと騎士として育てられたから、その事については何も知識が……。ナタリー様は?」

どうしていいかわからない二人に、ナタリーはを張って笑みを浮かべた。

「やはりケツの青い小娘たちよのぉ。同衾どうきんすればいいのじゃ。えーっと。お互いに何もにつけない狀態で、一緒に寢るのじゃ」

「「さすがナタリー様!」」

「でも……トーヤ様の服を……」

耳まで赤くしたシャルが、照れによるせいかトウヤにれられない。

それはアルとナタリーも同じであった。

トウヤの顔を見ていると、が張り裂けそうになり、どうしていいのかわからず混をする。

「むぐぐぐ……。最初にわしらがいで、ベッドの中で皆でがすのじゃ!!」

ナタリーの言葉に頷き、ゆっくりと三人は服をいでいく。

になった三人は頬を染めたまま、ベッドに潛り込むと、トウヤの服をがしていく。

最後の下著をがせ、三人はトウヤのを視界にれる。

鍛えられた板に割れた腹筋、しいといっても過言でもないトウヤのを見て三人の溫は一気に上がっていく。

「これは……」

「あ……」

「あぅ……」

三人はそのまま意識を失ったのであった。

◇◇◇

ナタリーのびが落ち著いた後、記憶を失ってからの行を詳しく聞いた俺は、ホッとため息をつく。

……全員何も知らなかったから助かったな……。まさかナタリーもここまでウブだとは。

紅茶を一口飲み、まずは否定をしておく。

「ちなみに同衾は、初めてとは言わないからな?」

俺の言葉に驚いた三人は席を勢いよく立ち上がった。

「「えっ!?」」

「なんじゃとっ!?」

「ナタリーの言葉をそのまま鵜呑みにした二人も悪いがな。本當の同衾とは――――」

俺はわざとらしく本當の意味を小聲で説明していく。

説明が終わると、三人は顔を真っ赤にして手で覆い隠していた。

「そ、そんな……そんなこと!?」

「本當にっ!?」

「そんなこと誰も教えてくれなかったのじゃ!」

真実を知り狼狽する三人に俺は笑みを浮かべて頷く。

今のでは経験はないが、日本にいた時はそれなりの年齢だ。それなり、いや、しだけだが経験はある。

仕返しの意味を込めて三人に説明したが、想像以上の反応にしてやったりと笑みを浮かべる。

そんな話をしていると、フェリスが俺の後ろに現れた。

「トーヤ、誰かきた……」

その言葉に頷いた俺は、悶えている三人を放置して玄関へと向かう。

扉を開けると、そこには冒険者ギルドのミリアが立っていた。

「あ、トーヤさん、帰ってきてたのね。急の要件なの。サブギルドマスターが三人を呼んでいるの。シャルさんとアルさんも含めて。すぐに來てもらえる?」

「……わかった。朝食を済ませたらすぐに向かうようにするよ」

「よかったぁー。何回か來たけど、留守だったから。じゃぁギルドで待ってますね」

帰るミリアを見送った後、俺はダイニングに戻る。

しかし、ダイニングにいた三人は未だに悶えていた。

「ギルドから急の呼び出しだ。もしかしたら――素がバレたかもしれない。とりあえず三人でギルドに來てくれだと」

その言葉に、三人は一気に表を引き締めた。

「……大丈夫なのか?」

「サブギルドマスターのエブランドは問題ない。こっちの味方の筈だ。ただ、ギルドマスターが領主の息子なはずだ」

「そうか……もしかしたら、街を発つのが早くなるかもしれんな」

ナタリーの言葉に俺は頷いた。

パンとスープを次元収納ストレージから取り出し、簡単に朝食を済ませると、著替えをする。

シャルとアルも渡していた裝備を著込むように伝えた。

何があるかわかないから準備をしておけと念押しして。

そして三人で冒険者ギルドへと向かった。

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