「華がいないぞ……？」

さっきから探してるんだが、いないんだよな。

浴売り場にいるんだろうけど。

俺が浴売り場をほっつき歩いていると、

「これかな……？こっちも良いな……」

聞き慣れた聲。なんかテンション高いな。

「(いっつも眠たげって言うか、ぼんやりしてるからな。何か意外)」

思い切って話しかけてみる。

「華。楽しそうだな」

「ふあっ！？……あ、雨宮君……」

振り向いた華は涙目だった。ごめん。許してくれ。

「な、何？どうしたの？」

「いや、気づいたらお前がいなくなってたから、探してたんだ」

「ああ、えっと、勝手にいなくなってごめん……」

「ああ、気にするな。浴見てたんだな？」

「うん……」

華が持っていたのは水の浴。良く見ると椿柄だった。

「良いじゃん。それ。著てみなよ」

「あ……うん」

華は試著室にると、モソモソと著替えだした。

無心になれ。煩悩とはすなわち邪心なり。

數分後。

「どう……かな？」

現れたのは銀髪の妖もとい華。

急所に當たった！効果はばつぐんだ！

「おお……」

小さなに淡い水の浴をまとった。

これさ、髪結んでなくても可いとか反則だよ。どうなんですかね審判レフェリーさん。

「恥ずかしいから、あんまり見ちゃダメ……」

そう顔を.赤らめをめる華。くっ、可いな。くっかわ。くっかわ。

「……あ、いや。ごめん。えっと、凄い似合ってるよ。うん。可い」

あ、何か今言っちゃいけないこと言った気が……。

「か、可い……とか、そんな事軽々しく言っちゃダメ！」

やっぱりかよお！！仕方ないじゃん事実だし！

「あのう、華さん。もうそれにしたらどうです？」

恐る恐る聞いてみると、

「ん……雨宮君が言うなら……」

あれま。すんなりオーケー。

會計を済ませた俺達は、デパートのり口で落ち合った。

「どうです？皆さん」

「バッチリ！」

「良いじのが買えましたよ」

「私も……」

それぞれ良い買いが出來たらしい。……しかし浴は高かった。十萬円とは一。

「暁！楽しみにしててよ！絶対ビックリさせるから！」

自信満々のこの宣言はケイト。ん？ピンクの浴じゃなかったのか？

「ああ。分かった。楽しみにしてるよ」

良いぞ。凄く楽しみ。……貯金いくらあったかな。屋臺は回りきりたい。

「暁、行くよ？」

「ん？ああ、ごめん。待ってくれ」

考え事をしていたら皆行ってしまったらしい。あの、待ってくれても良いじゃないですか。ねえ？