《非リアの俺と學園アイドルが付き合った結果》私の夜中のもきゅもきゅと俺のけたオーバーキル
十六話
「オトモダチの…淺見さんでしたか?彼は殘念でしたね……それとも停學で済んで良かったと言うべきでしょうか。」
クルッと椅子を回し、俺たちの方へを向けた左道さん。
「まぁ、それもこれも彼のおかげなんですよ。勇人さん♪」
「へ?」
「ちょ―真結さんっ!」
突然話を振られ素っ頓狂な聲がれてしまう。
新天さんは顔を赤くして俺から目をそらす。
でも淺見くんが停學で済んだのは新天さんのおかげってどういう事だろう。
「彼が円香さんへしたことは、恐喝罪に當たります。つまり法で裁けるわけです。ですがそれは円香さんが被害屆を出した場合に限ります。―じゃあなんで被害屆を出さなかったか。それは円香さん本人へ聞いてみましょうか。」
俺は左道さんと共に新天さんへと視線をずらす。
「えっ…あ…ぁ…あのぅ…」
新天さんは顔を真っ赤にし、忙しなく視線を泳がせつつ言った。
「は、勇人くんの友達だから……勇人くんが悲しい思いをするから…」
あーまずい。
すんごい可い。
自分でも分かるくらいに顔が熱くなってる…。
そんな俺に対し、新天さんはまだ続ける。
「は…勇人くんの彼として、彼が悲しむようなことはしていけないと…」
こ…これが噂に聞く……オ、オーバーキルってやつか……ッ!
どうしよう。
顔真っ赤にして照れに照れてる俺の彼(仮)が可すぎて仕方ないんだが。
「は、勇人くん…?」
「………ぇあ、あぁ。あ、ありがとうございます。」
俺の瞳を覗き込むように視線を向けてくる。
今まで目が合ったりしてもそこまでの揺はじなかったけど、今じてるこの心臓がキューってなるやつなんだろう。
病気!?新天さんと一緒にいることで知らず知らずのうちに周りからの視線の圧に心臓が耐えきれなかったのか…!?
はい。閑話休題。というか茶番乙というか。
まぁストレートに言うと多分、本格的に気になり始めた、ということだろう。
意識してるからこんなにドキドキしてるんだろうな。
まじか。
ちなみに俺の遍歴は。
第一次嫁選考戦爭を勝ち抜いたSA〇のシ〇ン。
そして第二次嫁選考戦爭を勝ち抜いた〇NE PIECEの某砂の國の王であるビ〇。
そして、第三次嫁選考戦爭が訪れる。
これに勝ち抜いたキャラは、俺の人生において最もしただろう。
そう。Re:〇から始める異世界生活のレム!レムりん!!レムりーーーんっ!!!
この子たちが俺の嫁であり、をしてきた(一方的にとか言ったヤツ表出ろ)子たちだ。
そして今、俺は新天さんに心を奪われつつある。
その場合、空白と化している第四次の席に【新天円香】の名前が刻まれる可能すらあるのか……なかなか悪くない。三次元の輝きすごい。
「もう次の話に移って大丈夫ですか?」
そんな痺れを切らしたような口調で告げた左道の言葉で現実へ引き戻される。
「あぁ…大丈夫です。ところで次の話って?」
「はい。では……」
コホンと咳払いをし、神妙な面持ちで口を開いた。
「―新天さん。部活の件ですが、詳しくお話を聞いてよろしいですか?」
「あっ、はい。わかりました」
ん?部活?
新聞部のこと?
「私は新聞部と兼任する形になってしまいますがそれでもよろしいんですよね?」
「はい。大丈夫です」
新聞部と兼任?
別の部活なのか?
「あ、勇人くんも関係しているのでよく聞いてくださいね」
あっ、はい。わかりました。
「私が作ろうとしている部活は“私たちの私たちよる勇人くんのための部活”です。」
「なっ―」
「勇人くん?」
新天さんはニッコリとしたし不気味な笑顔で人差し指を口に當てる。
はい、黙ります。
「つまりは勇人くんが憂鬱にならない學校生活を送れるような部活を作るのです!」
聲を出してしまいそうになったのを必死にこらえる。
俺のための部活?
憂鬱にならない學校生活を送れるような部活?
ちょっとまて意味がわからない。
なんでそんな部活を作るんだ?
「左道さんはそんな私たちの近況を最速に知れるという條件の元、部活にいました。」
「なるほど、分かりました」
俺はわからない。
「ではその部活への勧をけます。でも、肝心の勇人さんはどうなんですか?」
さすが新聞部部長の持つ観察眼と言うべきだろうか。俺が部活について意味がわからずそわそわしているのを察して問いかけてきたのだろう。
俺は今思ってることを素直に口に出す。
「新天さんの気持ちは嬉しいんですけど、なんで俺をそこまで気にしてくれるんですか?」
俺の問いへ、しばらく考えた新天さんが口を開く。
「友達がいるっていう幸せに対してどんな“不幸”が襲ってくるのでしょうか。勇人くんはもうし周りと関わるべきです。“不幸”なんて“幸せ”の數に関係なく襲ってくるのです。ただタイミングが悪いだけです。つまりは不幸なんて幸せの反としてくる訳では無いってことを知ってほしいのです」
俺があの時話した中學の話をまだ覚えてたんだ。
こんなことになる予定じゃなかったのに…。
「それに、一人でやるゲームもいいですけど、二人以上でやるゲームも楽しいですよね」
笑顔で言った新天さんは、俺の心の何もかもを見かしているかのようだった。
俺は新天さんと帰るときなどにやっていたゲームを思い出す。右も左も分からない新天さんへゲームのやり方を教え、楽しみ方を教え、二人で笑っていたあの時を―。
新天さんはズルいだ。シ〇Qだ。つんく〇だ。
そんなこと言われたら、その部活にる以外道はないじゃないか。
俺は彼へ部活にるという意を伝えた。
その後に彼が見せた笑顔はとても綺麗で可憐なもので、やはり俺の心は彼にガッツリ奪われているのだろうか、が苦しくなった。
「やりました!やりましたよ!!」
私は枕に顔を押し付けてびます。
「これで合法的に放課後も彼とずっと居れます!」
思わずベッドの上をクルクル転がってしまったり、もきゅもきゅと掛け布団を抱きしめてしまったり、いかにも興を抑えきれない私。
「し強引でしたが、彼と時間を共有できる場所が出來て良かったです。」
私はしみじみと呟きます。
そして、そんな私の頭にふとあの言葉が思い出されます。
『彼をバカにするのは―』
「はうぅ…」
つい何かを押し殺したような聲がれてしまいます。
「やっぱり私、勇人くんのこと好き…」
そんなことを思い出してしまい、一時間、また一時間と時間は無慈悲にすぎていき、結局寢つけないと判斷した私は、お気にりの漫畫を、主人公を私、王子様を勇人くんに置き換えて終始ニヤニヤして読んでいました。
このことは誰にも言えないです。
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