《非リアの俺と學園アイドルが付き合った結果》私の手に殘る覚と俺の結果オーライミス
十九話
左道さんはある方を迎えに行くと言い、部室を出ていった今日この頃。
「あのぉ…新天さん……?」
「は、はい…!」
「俺の顔になにかついてます?」
さっきから新天さんが俺の顔を凝視してきている。
それいてたまに屈託のない笑顔を浮かべたり、「なにか付いてますよ?」と言って肩や肘裏をってきたりしている。
絶対何かがおかしい。
その証拠として―
「い、いえっ!何もぉぉぉぉおあぁぁあ!?」
ほら、今もちょっと近づいて喋っただけで椅子から転げ落ちたもん。
―って!
「大丈夫ですか!?」
いやいや退きすぎてバク転するかと思ったわ!
まぁおから落ちてったけど。
俺はそんな新天さんへ手を差しばす。
「え…あ、ありがとうございます」
恥ずかしさか、顔を赤くして俺の手を握る新天さん。
子高生の手ってこんなにらかいの……。
え?これ骨ある?針金くらいなんじゃないの?
いや全然ゴツゴツしてなくてふにふにしてるんだけど。
本當に同じ人間か?
「は、勇人くん……?」
「あぁ…ごめんなさい」
ちょっと手が握りたかった。
なんて口が裂けても言えないよな。
「―はわわわわわわ……にゃ、にゃにをいってぇぇ…」
あっれぇ〜?
もしかして口に出してた?
「て、てててててててが握りたいってぇ…」
おーいぃ!!
こりゃもう終わりじゃねぇか!
―って何してんの新天さん。
「握ります……か?」
そう言って手のひらを俺に向ける新天さん。
これは據え膳だよな?
ってもセクハラとか軽犯罪だ。とか言われないよね?
「はぁい♪りましたね?実はこれ、部室の隠しカメラが取ってたんですよぉ。これを警察に見せたらぁ……あはっ♪勇人くんもうアウトですね♡」
とか言われない?
そんな過去の傷口に塩どころかハバネロつけられるようなことされたらもう死ねるよ?
「そ、そうですよね…まだ彼カッコカリですもんね…手を繋ぐなんてこと―」
「うぉー!すっげぇらかい!あー天使かなぁ!新天さんは天使なのかなぁ!」
そんな可く落ち込まれたら、その手を握るしかないじゃないか!!
「そ、そんならかい…ですかね……んふ」
おーっと?
もしかして新天さん満更でもないんじゃないか?これ見よがしに親指でむにむにしてるけど嫌がってないよな!?
「はっ、勇人くん…そのり方は……ちょっといやらしいというか……その…」
「―はーいバカップルさんはまずこちらへ注目ー」
「左道さん…!?」
どうやら左道さんが戻ってきていたようで、ドアを背にするようにして呆れ顔で告げた。
「ま、真結!こ、これは違います!べ、別にやましいことなんて何も―」
「部室でいちゃつかないでもらえますかー?」
「いちゃついてなんか……」
いや…しはイチャついていた気が………。
俺は新天さんへと目線を向ける。
―新天さんもこちらへ向いていたようで、バッチリ目線が重なった。
思わず重なった目線を外したのだが。
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なんだこの初々しいカップル的なやつー!
さっき手を握ったこともあって妙な恥ずかしさで勢いよく目線ずらしちゃったじゃん!
隣のおばさんとかに「あらあら〜若いわねぇ」って言われるやつだよ!
「せっかく彼を連れてきたのに、注意した途端イチャつくのやめてもらえます?」
「「ご、ごめんなさい」」
俺たち二人の聲が重なって部室へ響いた。
それを聞いてか「はぁ」とわざとらしく大きなため息をらした左道さん。
そして、「じゃあいいですか」と告げた左道さんはし橫へずれる。
―そんな彼の後ろから顔を出したのは、
「金霧先輩?」
「おっす〜隨分とイチャイチャしてたね〜」
「なっ!先輩まで!」
シャツのボタンをギリギリまで外し、見事なまでにだらしなくきまってる金霧先輩。
「部活?新天に頼みだから部しに來たよ〜」
「本當ですか先輩!!ありがとうございます!」
「いいえ〜」
そして、二人の會話が一段落したところで、大きく手を叩いた左道が喋り始めた。
「さて!これでメンバーは揃いました!円香、部活名の発表を!」
「はい!」
ここだけ臺本が用意されているかのような息の合いよう。
そんな決まった流れによって、全員が見える位置に移し、咳払いをする。
「では!我らの部活の名は!」
なぜだかし心拍數が上がってしまう。
俺がる初めての部活。
その事実が影響しているのだろうか。
そして新天さんは大きく息を吸いこんで―
「【幸福部】です!」
「幸福部?」
俺の口から素直な疑問がれる。
「はい!一応、隠し題で、(勇人くんのための)幸福部です!」
んんん?
その隠し題を言わなくても、活容で卻下されるんじゃないか?
「もしかして勇人くんは今、“活容で卻下されるんじゃないか?”って思ってませんか?」
あれ、なんか心を読まれた気がするし、バカにしてるとしか思えない聲真似もしたよね?新天さん?
「活容は、『みんな(全生徒)の幸せのために盡す部活』というものです。正直六割偽善です♡」
新天さんは時々笑顔で辛辣な言葉を吐くのだ。
「先生には、みんなが幸せになれるような學校を作るような部活です!って言っておけばごまかせます!」
先生たちへ。
この子は結構魔な部分があったりするので気をつけてください。
「ま、まぁ…ありがとうございます……?」
張り切る新天さんに、し気を押されつつあるが、まぁなんだかんだで部活の活や、メンバーが出揃った。
「部活申請です。お願いします!」
正直、部活管理顧問の先生は苦手なのですが左道さんに「もし何かあったら―」と、作戦を貰っているのでし安心はしています。
「ん〜【幸福部】…?」
「は、はい!そこに書いてあるとおり、みんなの幸せのために盡す部活です!」
「ほうほう…………」
先生は顎に手を當てるようにして考えています。
頷くような仕草や、所々首を傾げるようにしています。
大丈夫でしょうか……。
「………まぁいいだろう!」
「良かった!ありがとうございます!」
良かったです!
これで合法的に勇人くんと…じゃなかった。みんなで仲良くできます!
「ただしだ。部費はそこまで出せない。それでもいいか?」
「全然大丈夫です!」
そんなの痛くもくもありません!
「じゃあこれから宜しくな」
そう言って先生は右手を私に差し出します。
右手…さっき勇人くんと……。
私はとっさに左手を出していました。
先生は不思議そうな顔をしていましたが、左手に出し変え、握手をわしました。
職員室を後にし、新聞部の部室へと向かっています。
私は部室での勇人くんとの接を思い出していました。
むにむにと親指で私の手のひらをっていたあのがまだ殘っています。
んふふ…♪
私は親指が這っていた位置をなぞるようにしてります。
私はものすごい幸福を得ています。
「あれ?…なにか忘れてるような……」
まぁいっか!
だって今日は勇人くんが手を握ってくれた記念の日なのですからね!
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