《非リアの俺と學園アイドルが付き合った結果》私のと俺の3パターン

三十一話

【新転勇人】

「なっ―なんですかそのゲームは!!」

俺が部屋に戻った瞬間タイミングよく新天さんがんだ。

―ってまずくね!?

“そのゲーム”って“あのゲーム”だよな!?

「べ、別に新天さんに似てるキャラが出てるから買ったって訳では無いですよ!?」

「え…違うんですか…」

シュンとするなッ!!

「違うってわけじゃ……」

こう言うしかないだろ!!

とりあえず俺はそのゲームに手をばし、それを隠そうと―

「だめです!やりましょう!」

「ん?」

んんんんん?

「今からやりましょうこのゲーム!」

「ちょっとぉ……え…?」

「そして私に似てるキャラを攻略しましょう!」

んーー、なんだろう。弾が降ってきてる気がする。

あー。

すっごいなぁ、この人もはや「自分を攻略して!」って言ってるなぁ。

「それとも私を攻略するのは―」

「やりましょう!」

を出すな!!

やらざるを得ないでしょ!!

【まずは名前を教えてね♪】

テレビから発せられた可らしい聲に導かれるまま、コントロールカーソルをかす。

俺はいつも通り、【勇】とだけ打って、決定ボタンを押した。

「あれ?なんで“勇人”じゃないんですか?」

やべぇ…どうしよう。彼の前だからって本名プレイをやめたなんて言えねぇ!

「さ、さすがに本名プレイは……ね?」

クソみたいな噓ついちまった…。

あーゲーマーの風上にもおけねぇ行したなぁ……。

まぁ新天さんでも流石に気づきは―

「……え…あ……そ、そうですよね…!」

とき〇モ4で本名プレイした人の顔だぁ!

一回転してもおかしくないくらい目が泳いでる!

「あー、本名プレイもいいかもなぁ!やっちゃおうかなぁ!フルボイスだし!」

「な、何故急に?」

無意識でアレやってたのねさっきから。

俺は一度電源を落とし、再び尋ねられた名前を【勇人】と力し直した。

「かっこつけずにいつも通りやろうかなって」

「?」

新天さんははてなマークを浮かべていたが、なぜなら俺は一度新天さんに気を遣わせてしまったから!!

ごめんなさい新天さん!!

【ここ、私立ラブラブ黒髪學園では一つの言い伝えがあるの】

ゲームは序盤、聲優さんの可らしい聲で進行していく。

【校庭の端っこに祠があるの。

その祠の中には、昔する人に好かれたくて髪をバッサリ切った子(故)の髪のが祀られてるの】

えぇーなにそれー♪

こ・わ・い・♡

ラブさせる気ないよね?

デスさせる気しかないよね!?

「新天さん。このゲーム―」

「勇人くん勇人くん!そのの子(故)の強いじられますね!」

そうだヤンデレルート攻略済みでヤンデレこそ全てだと思ってるのが新天さんだった!

あと(故)ってやめて!?怖いから!

【その祠の前で告白すると、その子の強い力で必ず憑き合えるって言われてるのよ】

いや…その強い力って、(肩が重くなる系の)強い力ってことだよね。

あと付き合えるの間違いだよね?ただのミスだよね!?ねぇ!!

「文字間違ってますねこれ!“憑く”の方だとまるで幽霊的な何かの力が働いてるじになっちゃいますもんね!」

おっしゃる通りでございます!

ギャルゲーでそんなことあるわけない!

「ちょっと待ってくださいね」

「はい」

俺は攜帯で、【黒ラブ ホラー】と検索をかけた。ちなみに“黒ラブ”とは俺たちが今プレイしてる【黒髪にまみれるラブゲーム】の略稱だ。

―俺は検索結果の一番上にある、シナリオライターのツブヤイターを覗いて見た。

【新作の黒ラブはところどころホラーのあるゲームとなっております♡】

「いや“♡”じゃねぇよ!」

「ど、どうしたんですか!?」

「あっ、ごめんなさい。取りしただけです」

「は、はぁ…」

つい大聲を出してしまい、新天さんも心配してくれている様子。

「ま、まぁ進めますか」

「はい!らぶげーむです!」

新天さんは可く手を突き上げて言った。

【新天円香】

「ぎゃるげーって楽しいですね!!」

「ですね」

【一緒に帰って噂とかされると恥ずかしいし】

私たちは顔を見あいます。

「勇人くん。斷られるのって結構ショックなんですよ?」

「はい。ごめんなさい」

ちょっといじわるをしてしまいました。

……そういえば今って勇人くんと二人きりなんですよね………。

うぅ…そう考えると急に張してきました…。

今まではなんとか、パンツとかお寶とかでごまかせていましたが冷靜になってみると、高校二年生の男がふたりきりってシチュエーションは………。

ここで私は金霧先輩の言葉を思い出します。

『もし勇っちに隙が出來たらしてみな』

「―なんか暑いですねぇ……いじゃおっかなぁ…」

これは左道さんに教えてもらったです!

今日の上著の下はノースリーブなので相當出來るはずです!

【新転勇人】

どうしよう…骨に暑いアピールして上著ぎ始めた……。

―しかも下はノースリーブ!!?

大膽すぎませんか!?

夏はを大膽にするんですか!!?

なに、俺はこれにどうコメントすればいいの?

パターン1

「セクシーですねぇ」

「そうですか?でもないですよ?」

【地雷原ダイブend】

パターン2

「似合ってますよ」

「本當ですか!嬉しいです!じゃあ今日はずっとこれでいます!」

【目のやり場に困るend】

パターン3

「エアコンつけるので上著著なおして大丈夫ですよ」

「そ、そうですか…ありがとうございます!」

【元通りend】

さぁどうするか……。

アピールしてきてるのは確実だから、“2”を選ぶか……でもその後が心配だしなぁ…。

だからといって“3”はアピールしてきてるのに申し訳ない気が……。

まぁ、“1”は絶対にないとして……んー…じゃあ―

【新天円香】

「似合ってますよ」

「ほ、本當ですか?……嬉しいです!」

勇人くんがデレました!ついにデレましたよ!

「ふふふ♪目のやり場に困っちゃいますね♪」

今の私は機嫌がいいです!お金貸して?って言われても財布の中を全部貸しちゃうくらい機嫌が良いです!

「ま、まぁ……そ、それよりゲーム進めましょ!ゲーム!」

「そうですね!」

ふふふ…私はここでバレないように勇人くんへ二の腕を―。

「あうっ…」

「新天さん?バレてますからね」

チョップされちゃいました……えへへ…しは距離がまった気がします。

―それより、なんで私はしようとしてたんでしたっけ?

パンツやらアルバムやらでわすれちゃいました☆

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