《非リアの俺と學園アイドルが付き合った結果》私のリベロと俺の手のひら

百五十三話

【新転勇人】

先程まで、車では最後列に座るキャたちがカラオケをしたり○○の好きな人発表會などの力が強すぎるレクリエーションを開催していた。

その中で、キャグループの男子三人の好きな人が発表されたので円香のコメント(小聲)を順に見ていこう。

初陣を務めたのは田中。

田中は男子カーストにおけるトップグループに所屬するやつで、そのカーストがマグロの刺だとすると、差し詰め“つま”のようなポジションだろう。

以下円香によるコメント(小聲)。

「まぁ勇人くんの妻は私ですけどね」

とのこと。

はい、良かったですね。

本題の、彼の好きな人は當然のごとく新天円香。

そのことに関してうちの円香さんは一言。

「嫌」

辛辣すぎる一言ありがとうございます。

続いては二人目、鈴木。

こいつは、例えるならばマグロの刺を食べるにあたってほぼ必須と言えるお醤油的な存在だ。

あのグループにはなくてはならない存在。

しかしそのグループだけではなく他のグループにも混ざって良さを引き出す。

もうなんだろうね……リベロ。リベロだね、うん。

そんなリベロ鈴木に対して円香によるコメント(小聲)。

「勇人くんがもしのリベロになっても私は適切に対応しますよ。安心してください。」

とのこと。

うんうん。

は?

のオールラウンダー?

やかましいわ!

まぁ本題は言わずもがなうちの円香さんです。

それに対しては、

「私はリベロじゃないです」

とのこと。

うん、知っています。

リベロだったら困りますよ円香さん。

三人目は山田。

こいつはグループの中心。

まさにマグロだ。

常にテンションは高く、喋りも止まらない。多分テンション下がったり黙ったりしたら死ぬのだろう。

山田について、のオールラウンダーこと新天円香さんは、

「私はマグロじゃないですよ。勇人くんがいなくなったら死んじゃいますがね」

多分意味を知らないで言ってるんだろうからあえて注意しないでおこう。

後で脳に電極ぶっ刺して忘れておこう。

意味がわからないよーって人はお母さんやお父さんに聞いてみよう!!

あ、本題はいつものです。

それに対して円香は、

「何度言ったらんむむむむむむむむむ!!」

と聲を張り上げ始めたのですぐに拘束して手で口を抑えた。

最初は驚きと抵抗があったが、すぐに俺にを預けるようにしてきたのだ。

「んふふっ♪」

ちゅっ。

「ちゅっ?」

口を抑えていた手にらかなが伝わり…………。

「円香?ここはどこですか?」

俺は手を離して尋ねる。

円香は笑顔で、赤く紅した頬を抑えながら。

「バス?」

「せ、正解。」

ちょっとかわいすぎてどもっちゃった。

てか今は違うだろ!

「だからダメよ?今ここであなたの甘えるスイッチるのは良くないよ?」

「じゃあ旅館でならいいですか?」

「ダメです」

「ぶー」

などという會話があった。

ということで今現在は円香は俺の肩に頭を預け気持ちよさそうな顔で寢ている。

すぅすぅとかわいらしい寢息と共に、たまに手をもぞもぞとかす。

そのいた手に俺の手を當ててやると生きのようにいた手が俺の手をがっちりと握りしめる。

そして俺はなんだかその景が面白くて、手を離す。

さっきからこれを繰り返している。

先生もさっきの口論で疲れたのか、斜め前の席でぐったりとしている。うるさいバスの中を注意しないのもそのせいだろう。

先生の後ろに座る淺見くんは相変わらずカーテンで顔を隠して寢ているのか起きているのかわからない。

左道さんは…………どこだろう。

多分後ろの方で寫真撮ってる。

まぁそろそろ最初の目的地の清水寺に到著するはずだ。

今日はその後宿に向かって自由時間だ。

ここまで來て、窓の外の景を見ると修學旅行がすごい増してきている。

円香は清水寺でやりたいことがあると言っていたがなんだろう。

舞臺から飛び降りられたら困るんだけどな。

ワールドカップだ。

私は悪くない。

君たちも世界を敵に回したくないだろう。

だから何も言うな。

私は悪くないんだ。

あと単純に疲れが取れなすぎる。年かな?若いほうだと思うんだけどな。

ばんばんぴゆー!ぐぶばばばぁ!!

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