《非リアの俺と學園アイドルが付き合った結果》私のあまあまと俺のあまあま

お待たせしましたあまあまな話です。

百五十九話

【新転勇人】

「もう食えねぇよ……」

誰に言うわけでもなく、ただただ虛空へ呟いた。

円香が貰った野菜とおを全て平らげ、無事に夕食を終えることが出來たのだが、その肝心の円香さんはと言うと……。

「勇人くん!私甘いものが食べたいです!強いて言うならお善哉とか!」

「強かよ!」

脅威の強ぶりを見せていた。

「ん?勇人くん知らないんですか?甘いものって別腹なんですよ?」

「円香?男の子はそうじゃないんだよ?男の子の胃はひとつなの。」

「むぅぅ……」

上目遣いで拗ねてみせる円香。

いつも思考回路を持った俺なら、かわいすぎて食べに行っていたことだろう。

だが今の俺は違う!

満腹すぎて頭がおかしくなっている!かわいさにも屈しないほどにな!!

「ダメなものはダメ!明日行こ?」

「えー…………あっ」

拗ねた表から一変、怖いまでににこやかな笑みを浮かべた円香。その目はうっとりしてしまうほどに明で、それがまた一段と恐怖を増していた。

「私ぃ〜知らない土地でぇ〜一人で歩くのぉ〜怖いなぁ〜?」

「・・・」

「……一人だと寂しいからぁ〜誰かに聲かけられたら著いていっちゃうかもなぁ〜」

「うっ…………」

絶対に噓だ。

食べに行きたいから噓ついてるだけだ。わかってる……分かってるけど……。

「そのまま夜の京都に――」

「分かった!分かったから!いく!行けばいいんでしょ!!」

「やった!」

喜びのあまり俺のに抱きついてくる円香。

結局まんまと乗せられてしまった。

……最近円香が知恵を付け始めている気がするのは気のせいか?

手のひらの上で転がされてるよな?

あれ?俺ってもしかしてちょろいのか?

「じゃあ早く行きましょっ!」

ぎゅーーー。

「…………あのっ、円香……?」

「どうしました?」

ぎゅーーー。

「いや……ちょっとマジで」

「んー?」

「出ちゃう!食べたものでちゃうから……!」

「ご、ごめんなさい!」

抱きしめられて苦しかったお腹にゆとりが戻る。

あと數秒遅かったら完全に出てた。何なら円香にかかってた。

「はぁ……はぁ……危なかったわ……」

「私としてはあのまま浴びても良かったんですがね」

「いや、それは嫌がって?お願いだから。そこまで頑張らなくていいからね?」

さすがにし引いてるよ?

そこまで好いてくれてるのは嬉しいけどさ。

「では、行けますか?」

「あぁ、行けるよ。じゃないとどっかの誰かさんが浮気しちゃうかもだしね」

「ふふっ♪行きましょうか♪」

俺は円香の手を取って旅館の外へと出た。

【新天円香】

勇人くんちょろいです♡

私は勇人くんを見上げて思います。

これなら將來どちらかが優位に立ったりすることはありませんね。

常に対等でいられます。

良かった良かった。

「勇人くん!あのお善哉屋さんはどうですか!?」

私が指さしたのはまだほんのりとあかりの點っている古風なお善哉屋さんです。

「のぼりでてるのでまだ営業中だと思うのですが。」

「そうだね、行ってみようか」

「はい!」

お善哉……想像しただけでヨダレが出ます。

ふふっ♪勇人くんと食べさせっこしたりして……ふふふ。

「いらっしゃい」

お店にると、案外普通の格好をしたが迎えてくれました。

京都のこういったお店の人全員が著著てるわけではないのですね。偏見でしたか。

私たちは一番奧の席に座り、行書で書かれたメニューに目を通します。

「じゃあ俺抹茶善哉にしようかな。」

「じゃあ私普通のにしますね。すみませーん」

京都訛りのおっとりとした返事とともに先程迎えてくれた方が注文を取りに來てくれました。

「普通の善哉ひとつ」

この方、よく見ると人で、それに…………が大きいですね……。

「僕抹茶善哉で」

「はぁーい。ちょこっと待っててなあ〜」

勇人くん、ちらちらとに目を向けてるの私は気づいてますからね。

見逃すわけがないですからね。

「ま、円香……?どしたの?」

「いいえ〜?何でもないですよ?」

まぁでも、私のわがままに付き合ってくれているので、今回ばかりは目を瞑るとしましょう。

でも次は……ふふっ。

「ねぇ円香?明日行きたいところとかある?」

「明日ですかぁ……」

「時間限られてるし、行けるとは限らないけど、行きたいところあるなら一緒に行かない?」

「そうですね。一緒に行くのは當たり前だとしても、私としては勇人くんと一緒にいられるだけで幸せですよ?」

「そういうと思ったよ……」

あれ?私ってわかりやすいんですかね?

勇人くんはバツの悪そうな表を浮かべて、先程閉じたメニュー表へ再び目を向けました。

……どうしたのでしょうか?

うーん……。

【新転勇人】

俺はいいから円香の行きたいところに連れて行ってあげたいんだけどなぁ。

俺としても円香とずっと一緒にいるのは當たり前だと思ってるから、そうじゃなくてそれだけじゃなくて、もっと思い出というか……。

そんなことを思うが、言葉に出せず數分が経過していた。

甘い香りとともに食類の音が小さく鳴っているからそろそろだと思うんだけど……。

「お善哉お善哉」

ほら、円香なんて獨り言呟いてるみたいだし。

おっ、來るかな?

甘い匂いの元の方から軽い足音が聞こえてきた。

「おまっとさん、こっちが普通のお善哉で、こっちがお抹茶のお善哉なぁ〜。ほなごゆっくり〜」

「勇人くん!!」

待てをされている犬のような表で、待ちきれないといった表で俺へ語りかけてくる円香。

別に俺の許可いらないんじゃないか?と思ったが、この円香はかわいいしやめてしくないから言うのはやめよう。

「うん、食べよっか」

「はい!いただきます!」

俺は善哉を口にれる円香をぼーっと眺める。

「んーー!!粒あんがほくほくで味しいです!白玉のもちもちした食味しい!やっぱり甘いものは別腹ですね〜」

ほっぺたを抑えた笑顔の円香が次々に善哉を口に運ぶ。その度に「んー!」と幸せそうなリアクションを取っている。

なんだか俺まで幸せになってくる。

かわいいし。

俺も抹茶善哉を口に運ぶ。

粒あんの甘みと抹茶のほのかな苦味……。

「おぉ……」

思わず聲が出てしまった。

呑み込んでもお腹にが膨れるような覚はない。

これが別腹ってやつなのか……?

いくらでも食べれそうだ。

「甘いですね!」

「そりゃあね。」

「甘いの味しいですね!」

「そうだね、味しいね」

一言言葉をわすたびに口に善哉を運ぶ。

「うん、よきかなよきかな」

善哉とはよくいったものだ。

こりゃ一休さんがぶわけだ。

「勇人くん!換こしてみませんか?」

「お、いいね!」

スプーンをお盆の上に置き、円香の方へとスライドさせる。

「お抹茶も味しそうですね!」

円香はその言葉が言い終わると同時に善哉を食べる。なんならし食い気味だった。

「んー!!味しいです!味しいです!!味が二回も!味しいです!」

どうやら語彙力が欠乏してしまうほど味しかったらしい。

円香、わかるよその気持ち。

多分甘いものって脳みそとかしてるよね。きっとそう。

俺も円香の頼んだノーマルな善哉に手をつける。

「うん、安定して味しいね。」

円香が黙々と食べ続けるのがわかった気がした。

単調じゃなくどこか深い甘さのある味で……この時間で混んでないのが不思議なくらいだ。

現地の人は自分で作っちゃうのかな?

「勇人くん!分けっこしましょ!」

「そうだね。どっちも食べたいしね。」

今気づいたのだが、俺普通に円香が使ってたスプーンに口つけてたな。

まぁもう別にいいんだけどさ。

円香は気づいてるのかな?

「んー!やっぱりこっちも味しい!」

まぁいい。

スプーンのことなんてどうでもいいな。

俺も殘り食べちゃお。

こうして俺たちは文字通り甘い時間を過ごした。

ね?甘いでしょ?

(當小説はお客様のクレームは一切け付けておりません。)

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