《非リアの俺と學園アイドルが付き合った結果》私の虛無作戦と俺の彼は貓よりもかわいい

百六十一話

【新転勇人】

「…………きて……起きて……」

――なんだ……?小鳥のさえずりか?それにしてはやけに近いな……。

「勇人くん!早く!早くー!」

「……ん、分かってるから……起きてる起きてる」

まだ時間あるでしょ。アラームなってないし。

うん。てかなんで普通に俺たちの部屋にいるの?

「違うんです!予定が変わったんです!」

「もうしダラダラしてるからその話詳しく」

「詳しくは分かりませんが、急ですが、予定が変更されるみたいなんですよ!丁度一時間後にロビーに集合なんです!」

一時間後か……あと三十分は寢れるな……。

「だからはい!起きてください!――あ、なんかこれ新婚さんみたいでいいですね。」

もうなにやっても結婚生活に繋げるねこの子。やるじゃん。

それにしても俺もうし寢たいんだけどなぁ。

「ほら!これ今日著る服ですよね!?私が著させて上げますから!はい!」

「よし起きよう。」

天秤が傾いた瞬間であった。

仕方ないよね!

ばんざ〜い、とか言われるのも悪くないし。

うん。悪くない。

を起こして手をばんざいする。

「って冗談ですよー!起きましたね!おはようございますっ!」

「なん…………だと……?」

円香が俺を騙した……だと?

「へっへーんだ!いつもいじわるするおかえしですよー!」

「くっ…………強くなったな……円香」

「ありがとうございます……って違いますよ!」

見事なノリツッコミ。

なんなら手もビシッてやってる。ビシッて。

「突然なんかすっごい大きくてすっごい早くてすっごいやつが日本の近くに現れたみたいなんですよ!」

「・・・・・・ん?」

大きくて早くてすごいやつ?

なんだろ。頭にナ〇ガク〇ガしか浮かんでこないんだけど。あいつの武強いんだよな、手軽なのに。

「だから電車止まっちゃうかもしれないから早く帰るみたいなんです!」

「んー……あー。なるほどね、だんだん分かってきた。」

大きくて早くてすっごくて、電車を止めてしまうかもしれないやつといえば――。

「そうです!臺風ですよ!」

「うん、じゃあそれをまず最初に言おうね。非常時にクイズはいくない。」

でもまぁ、そうと決まれば。

四つん這いで俺に前のめりでクイズを出してきていた円香を退かして布団を片付ける。

「――んじゃあ著替えて荷まとめるから外で待ってて、すぐ済ませちゃうから」

布団を押れにしまいつつ、背中越しに聲をかける。

「はーい!」

いつになくわかりが良く若干不安になってしまう。

いや、これが普通なんだ。今までがおかしかった、うん。

何が変わったのかわからないけど、今までの円香だったら、

「え、あ!私勇人くんと5m以上離れると死ぬ病なんです!忘れてました!」

とか言ってたもん。

うん、どう考えてもおかしいね。

俺の視線が不思議だったのか?首を傾げる円香。正直首を傾げたいのは俺なんだけどな。何があったんですかおかしい彼日本代表のあなたに。

あ、かわいい、笑ってる。

「じゃあ私はお暇しますね!」

「あ、うん。」

そそくさと部屋を出ていく円香。

えなになんでそんな淡白なの?おかしくない?いつもの円香ならもっと濃い味してない?なんだろ心にぽっかりがあいたみたいなこの気持ち。

え俺もしかしてそろそろフラれたりする?

さっき新婚ごっことかしてたのに?

ドアの閉まる無慈悲な音で現実へと戻される。

あ、ほら、ドアの音が無慈悲とか思っちゃってるもん。えなんかやだ。なにこれ。

とりあえず服著よ。

話はそれからだ。

【新天円香】

「くふふっ勇人くん今頃寂しくなってますかね!」

私は勇人くんに笑い聲が伝わらないように口を抑えて笑います。

きっと今頃心にぽっかりがあいたみたいな気持ちになってることでしょうね。

でもこれはいじわるではありません!

これはお母さんに教えてもらった技であり、二人のを育む儀式なのです!

その名も!

『會えない時間がを育てる、気になるあの人の頭を自分でいっぱいにしちゃおう作戦』

です!

きっと今頃、虛無に苛まれている事でしょう!

頭の中は私でいっぱい。

きっと私の顔が早く見たくての速度で著替えてることでしょう!

なんなら私ももう勇人くん不足なまでありますから!

あー、勇人くん早くこないかなぁ。

【新転勇人】

――とか思ってんのかなぁ……。

服を著てし、その結果に至った。

こんな悪知恵吹き込むの優香さんしかいないしな。

確か一時間後だよな。

てか一時間前行ってどんだけ優等生なのあの子。芯までどっぷりじゃん。

まぁ、多分これ円香の作戦だろうしもうちょい部屋に居ようかな。

「サーヴァントランサーここに顕現しました。」

「おっかわいい。」

――そろそろかなぁ。

十分くらい。

しいじわるしすぎたはあるが、多分円香かわいい反応してくれるから大丈夫だろう。

俺はキャリーバッグと共に部屋を出る。

……そういえば淺見くんどこいったんだろ。俺が起きた時にはもういなかったよな。

「は゛や゛と゛く゛ー゛ん゛!!」

「おぼっ」

部屋を出た途端濁點を絡ませた聲を発したしの彼に抱きつかれた。

「なんでいじわるするんですがー!」

そう言ってぽかぽかぽかぽか拳を當ててくる。

ほら、やっぱりかわいい反応してくれた。

「はいはい、ごめんね〜」

とりあえず頭をでなだめる。

「もぅ!もうあれですからね!帰りの新幹線では膝枕してくださいね!」

「え、うん、別にいいっていうか嬉しいまである。」

でも足ばせないし相當キツくない?

大丈夫かしら。

「はい!もうギューして元気になったのでロビーに行きましょう」

「はいはい。相変わらず優等生ですね〜」

ぴょこぴょこ跳ねるように前を歩く円香を追うように歩く。

――そういやあれだな。この修學旅行で形に殘るようなもの何もあげてないような気がする。いやあげてないな。

確か下に売店でもあったし買っておくかぁ。

売店で申し訳ないけど。

――よし、これにしよう。

円香を一人待たせ、數分味した結果この、『カワイイ貓』という可らしくも憎たらしさをじる顔をしたネコのストラップに決めた。きっとこいつは自分がかわいいこと分かっててこんな顔してるんだろうな。じゃなきゃこんなに憎たらしくないし。

京都ないし、なんなら戻ってからでも買えるようなものだけど、あれだよな、京都で買ったってのが大事なんだ。多分……。

會計を済ませ円香の待つところへと足早に戻る。

「おかえりなさーいって、何買ってきたんですか?」

早速食いついた円香。

俺は中から小包を取り出して円香へ向ける。

「…………え?私に?」

「うん、こんなもので良かったらだけど。」

「いえ!ありがとうございます!!開けてもいいですか!?」

なんなら開けつつ聞いてくる円香に頷き、小包がっていた袋をポケットへしまう。

「わ!ねこですか!かわいい!かわいいですこれ!」

目の前で揺らしていろんな角度からカワイイ貓を観察する円香。

喜んでもらえたならよかった。

「一生大切にしますね!額縁にれて飾ります!」

「いや、そこは使ってよ」

笑顔が弾け、二人で笑い合う。

「みてみて!かわいいですか?」

円香は早速スマホにストラップを付けて俺へ見せてくる。

すげえかわいい。

円香すげえかわいい。

にへら〜と笑う円香がいっちゃんかわいい。

そんな円香を見ていたら、さっき十分くらい待たせてたのことにし罪悪が芽生えてしまったのであった。

すまん。

お待たせ。まぁぼちぼち調壊さない程度にやっていこうと思います。

次はあれだね、由ちゃん先生頑張るの巻だよね。

昨日の告知謝罪みたいなやつのコメントありがとう。

改めて井戸は逃げられないんだなって思いました。

これは恥ずかしいからあんまり言いたくないんだけど、調崩してる時とかわりと元気もらってたよ。

さんきゅう。

まぁなんだ、あれだね。

待っててくれてありがとう。

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