終業式を終えた俺は昨日の一件もあり代と何かしらの會話があるのではないかとし期待していたが、あいにく代は人気者で常に別の人と會話をしていた。

 俺が終業式中に何度かチラチラ見ていると代もこちらに気づき軽く手を振ってくれた。

 終業式の容は夏休みを有意義に過ごせだの一學期中に優秀な績を収めた人に表彰を渡したりだの校歌を歌ったりなど主に俺にとっては関係のない事だった。

 あ〜チャラ男くんの目線が痛い、そして俺の前でドラクアを堂々とやっているこいつも凄い。

 彼の名前は円堂 智樹くん、好きなことドラクア趣味ドラクア彼ドラクアと大のドラクア好きだ。

 長はやや低めの160センチくらいで丸渕メガネ、ほとんど貓背で過ごしている。

 今まではあまり意識したことなかったが……。

 俺はとりあえず円堂に話しかける事にした。

 「……円堂くん、今ゲームするのはまずいんじゃ……」

 「……ふむ、確かにそうですなぁ〜しかしながらこの円堂 智樹！これから炎のリングを取りに行かねばならないのです！」

 いや！聲でけえよ！そんなもの後で取りに行けよ！  

 俺はチラッと先生の方を見ると表彰者の方を向き「うん、うん」と頷いていた。

 俺はホッとため息をつくと再び円堂くんの方を向いた。

 「え、円堂くん楽しみは後にとっておいた方がいいんじゃないかな？」

 すると円堂は「うーん」唸るとゲームをしまい「それもそうですなぁ」と言った。

 そして教室に戻った後、円堂くんとはドラクアトークで盛り上がった。

 「やっぱりドラクアはⅤが一番ですなぁ〜」

 「俺も始めてやったドラクアはⅤだったなぁ〜ちなみに結婚相手は？」

 円堂はメガネをぐいっと上げると腕を組み……

 「斷然フローラですな！他の2人も捨てがたいのですが誰よりも僕の事をしてくれていると、そう思えたのです、うっ……うっ……」

 凄いシリアスな雰囲気になっているけどゲームの話だからね？

 ちなみに俺はビアンカ派です。

 「ところで雪殿はドラクア以外には何かご趣味は？」

 ドラクア以外か〜あとは……

 「カンダムとか……ゲームも時々買うし」

 「圧倒的ではないか雪くんは！なかなか分かっていらっしゃる！」

 俺は「そ、そう？」とし照れた顔になった。

 學校に學してから始めてこんなに楽しく話したかもしれない、友達ってこんなに素晴らしいものなのか〜。

 教室のドアが開き先生がってきた。

 「それじゃあ雪殿、また後ほど話しましょう、それと良かったら連絡先も換したいのですが……」

 俺はもちろん了承し円堂くんは席に戻っていった。

 そのあと俺はしそわそわしながら夏休みの課題をけ取っていた。

 なんせ學校にって初めての友達だ、高校生活のほとんどは一夫多妻だの何だの言われてきた。

 そんな俺にもついに友達が出來たというわけだ。

 「……なんか嬉しそうね、何かあったのかしら？」

 志保は不機嫌そうな顔をしながらそう言ってきた。

 「いや、まぁ……」

 友達が出來たんだよ〜あはは〜、なんて言える訳もないしこんな時はなんて言ったらいいのやら。

 俺は唸りながら言葉を選んだ。

 「実は大切な人が出來てさ、これからも仲良くして行けそうなんだよね」

 うん、なんか々と誤解を招くような言い方をしてしまったが問題ないだろう。

 しかしこの発言は志保と代にとっては大問題だった……。