《初めての》友達01
奈緒もそうだが拓哉とクラスが一緒になったことで僕の新學期の出だしはとても快調なり出しをみせていた。どれくらい快調かと言うと、ほとんどのクラスメイトと言葉をわしお互いをファーストネームで呼ぶことが出來た。というのも二年F組ルールが決議されたのが一番の要因である。 発起人は組替え発表當日のロングホームルームで選任されたクラス委員長――會長――こと天野大河であり、その抜群のカリスマで彼が就任初日で締結させた法案が、F組ルール通稱「Fルール」である。 我らが二年「F」組と友人つまりfriendのF、そして擔任のGTF(グレートティーチャー福田)からもじって作られたこのルールには、いろいろな條例が組み込まれており、一つはお互い一言は言葉をわし名前で呼び合うことである。これのおで何かと初代面同士で起こりがちのお互いを変に意識し過ぎてけん制し合ってしまい挙句の果てに生じる話しかけにくい雰囲気が、上手く解消されみんながお互いをしっかり級友と認識できることが出來た。
「雅~おはよ~」「あ、千春さんおはようございます」「相変わらず、雅は固いな~、千春さんなんて呼び方こそばゆくて鳥が立ちそう」「あはは、そのうちなれるよ」
五月にるころには僕も奈緒以外のの子から普通に呼び捨てで名前を呼ばれるようになっていた。まあ、常時羽織ることを義務付けられている茶のブレザーを腰に巻き制服を大膽に著崩し、しかも片耳に校則違反のピアスをした千春さんはし例外な気もするけど、奈緒の友人ってのもありほかの子に比べたら別段僕との會話も多く、今日も気だるそうにあくびをする彼に呼び止められた。
「奈緒のことは呼び捨てにし、とを過剰にれさせるスキンシップをするのに、うちには小指一本れやしない。もしかして、年齢=彼いない歴ってホントなのかい?」「そ、それは……」
下駄箱でシューズに履き替え教室に2人で向かう道中、見るからに経験富そうな千春さんが妙に艶っぽい聲と目線で僕の全を見渡し、最後にカラーコンタクトがった大きな瞳でまっすぐ僕を見つめた。人だこの人とてつもなく。自分でもわかるくらい顔が赤くなっている。暑すぎて額に変な汗が湧き、うまい返しも思いつかず口ごもってしまった。
「ははは、いや~ごめんごめん。どうしても中世的な顔の男ってからかいたくなっちゃうんだよ~うち。今でも一緒に風呂にる中三の弟になんか似ててさ、いや~可いな~雅は。食べちゃいたいくらいだよ」「え、あ、そうなんだ」
待て待て突っ込みどころが多すぎて返す言葉が出ない。僕が中世的な顔でからがいあるのはともかく、今でも中三の弟と風呂だと? 可くて食べちゃいたいだと?
「大學生で頼もしい彼氏とは違うこの守ってあげたくなるじ、母本能をくすぐられるっての? 雅はなんか変な雰囲気もってるんだよね。あ、んじゃ、うちは化粧直すからまた教室でね」
すべての発言を問いただす間もなく子トイレに消えていった千春さん。チェック柄のスカートを見事なミニスカにし、長いおみ足はモデル並みで歩き去る後姿はスタイリッシュ。腰までびた髪は良く手れをされた栗をしており、今どきの子高生ってじでブラウスからけた派手な見せブラは、今だかつて同じ柄を僕も報通の拓哉も見たことがない。
そんな彼も青春を謳歌している一人であり、大學生のイケメンの彼氏を持つ僕を奈緒以外で容赦なくいじる子である。そんな彼を見ているとってのは自由であり、就のさせ方、楽しみ方も千差萬別、僕はそんな彼の人柄と自分らしく己に噓をつかない姿に好意を持ちいい刺激をけている。
「は、春香さん、お、おはよう」「あ、雅くんおはようございます」「きょ、今日もいい天気だね?」「そうだね。日差しがポカポカしてて気持ちがいいね」「こ、こんな日は、屋上でお晝寢して一日を過ごすなんて最高だと思わない?」「授業をサボるのはだめだけど、許可が出るならみんなでお晝寢したいね」
千春さんとのやり取りを経てのこの會話である。誠に気の利いた會話が思いつかず、初めてのお見合いで張しまくっているさえない男が言いそうなセリフしか僕の口は紡がない。一方で、朝を浴びて明眸皓歯、春香さんは自分の席に座り窓の外を見つめニコニコと表を和ませ彼特有のお嬢様オーラを今日もふんわりと放出している。
聞くところ、彼はなかなかの家系で育ったお嬢様のようである。一カ月でしだけど、春香さんのことが分かってきた。一つは一人っ子であり、料理が得意だということ。晝食の弁當はもっぱら彼の自作なんだとか。昨日は確かキャラ弁というやつだった。
ヤンキーが語る昔ばなしシリーズ
ヤンキーが語ってます。
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