《初めての》友達07
「私に隠しごとなんてひどいんじゃない? 応援するって言ったじゃん? 信じてないの馴染の私を」「……、ごめん。春香さんともっと仲良くなりたいからさ一緒に帰りたいんだ」
今度は奈緒が僕の肩に腕を回してそんなことを言うもんだから、もともと奈緒には何でも話すことにしている僕は本當のことを打ち明けた。
「素直でよろしい。なら、私から一つ條件を付けよう」「な、なんだよ」「まだライン換してないでしょ? それと攜帯の番號も聞いてくること。この條件を守れるなら私はおとなしく今日は帰るわ」
このいたずらっ子め。おてんば娘もここまでくると手におえんぞ。「にっしし~」と隠すこともなく不敵な笑みを浮かべている。
「分かった僕も男が腹をくくろう」「ふふ、まさかあの奧手で子とまともに話も出來なかったみやびがね~。長してお姉さん嬉しいぞ~」「なんだよ、いいじゃんか初めてなんだからこんな気持ちになるの」「……。うんそうだね。頑張りなさいよ、本當に応援してるんだから」「おう。僕には奈緒がついてるから安心だぜ。奈緒も誰かを好きになったら教えてくれよな? 協力するからさ」「……」
表を二転三転させて奈緒は黙りこくってしまった。何かまずいことを言ってしまったのか自分の発言を思い返すが、特に心當たりがないのでその塞ぎ込む表を見つめる事しかできないでいた。ボソッと何かを言った奈緒は表に明かりを燈し踵を返す。
「よ~し! 拓哉くん帰ろっか! あそうだ、ライン換しない? あと攜帯電話の番號も教えてよ」「まじで! やった~じゃあ早速ふりふり~! 攜番もすぐに送るね~」
スマートフォンをフリフリして連絡先を換する奈緒と拓哉。奈緒のやつめ、これ見よがしに「あんたたちも連絡先換しなさいじゃないと変な空気になるわ」ってメッセージを発信している。これじゃ、変に意識して逆に換しにくくなる。良くある意識し過ぎて逆にできなくなってしまうパターンだ。僕はまさにそっち側のスタイルにはまる人間なので、もうすでにスマホをポケットから出せないでいる。
「それじゃね~春香~。みやびおっちょこちょいだから心配だけど、気を付けて帰ってね」「雅! 男らしく春香ちゃんを守れよ~」
第三者から見たらカップルと勘違いされそうな二人が余裕な笑みで帰路に著く。こんな狀況は二人にとっては屁でもないのだろう。モテる人間ってのはどうしてああも自然に會話して帰っていくのであろうか。
帰宅ラッシュで賑わう駅前、人込みをかき分け、互いに絶妙な距離を保ち住宅街方面へと歩んでいく二人の背中。僕はなんだか馴染が急に遠くへ行ってしまったような気がしてちょっぴりセンチメンタルな気分になっている。あの隣に自分以外の男がいる景に、微量の不快を抱いてしまうのはなぜだろうか。
「私たちも行こうか?」「そうだね」
同じく遠ざかる友の背中を見送っていた春香さんが僕の顔を覗き込むようにしてそう言い最初に一歩を踏み込んだ。よし! 僕も男だ! 腹をくくって面白い話の二つや三つ話してスマートに連絡先を換するぞ! だがしかし。以後、僕と春香さんの會話はなくなるのであった。どうして僕はこうもふがいないのか。どうして、意識してしまうのか。春香さんをもっと楽しませなければいけないとわかっていても、張して全然しゃべれない。
冥府
山中で夜間演習中だった陸上自衛隊の1個小隊が消息を絶った。 助け出そうと奔走する仲間たち、小隊を付け狙う地獄の使者、山中一帯に伝わる古い伝承。 刻々と死が迫る彼らを救い出すため、仲間たちは伝承に縋る。 しかしそれは、何の確証も一切ない賭けだった。 危機的狀況で生きあがく男たちの戦いを描きます。 カクヨムにも掲載しています。
8 140double personality
奇病に悩む【那月冬李】。その秘密は誰にも言えない。
8 122男がほとんどいない世界に転生したんですけど
部活帰りに事故で死んでしまった主人公。 主人公は神様に転生させてもらうことになった。そして転生してみたらなんとそこは男が1度は想像したことがあるだろう圧倒的ハーレムな世界だった。 ここでの男女比は狂っている。 そんなおかしな世界で主人公は部活のやりすぎでしていなかった青春をこの世界でしていこうと決意する。次々に現れるヒロイン達や怪しい人、頭のおかしい人など色んな人達に主人公は振り回させながらも純粋に戀を楽しんだり、學校生活を楽しんでいく。 この話はその転生した世界で主人公がどう生きていくかのお話です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ この作品はなろうやカクヨムなどでも連載しています。 こちらに掲載しているものは編集版です。 投稿は書き終わったらすぐに投稿するので不定期です。 必ず1週間に1回は投稿したいとは思ってはいます。 1話約3000文字以上くらいで書いています。 誤字脫字や表現が子供っぽいことが多々あると思います。それでも良ければ読んでくださるとありがたいです。 第一章が終わったので、ノベルバでこの作品を更新するのはストップさせていただきます。 作者の勝手で大変申し訳ないです。 続きを読みたいと言う人は……是非カクヨムなどで見て欲しいです。
8 197僕の姉的存在の幼馴染が、あきらかに僕に好意を持っている件〜
僕の幼馴染で姉的な存在である西田香奈は、眉目秀麗・品行方正・成績優秀と三拍子揃った女の子だ。彼女は、この辺りじゃ有名な女子校に通っている。僕とは何の接點もないように思える香奈姉ちゃんが、ある日、急に僕に急接近してきた。 僕の名は、周防楓。 女子校とは反対側にある男子校に通う、ごく普通の男子だ。
8 133家族に売られた令嬢は、化け物公爵の元で溺愛されて幸せです~第二の人生は辺境地でほのぼのスローライフを満喫するので、もう実家には戻りません~
「レーネが売れた! 化け物公爵が娶りたいと言ってきたんだ!」 家族に虐げられていたレーネは、祖母が殘した形見の薬草と共に、化け物と恐れられる獣人、マーベリック公爵の元に嫁ぐことを決意する。 決して不安がないわけではないが、狂気に満ちた笑顔で人の不幸を喜ぶ家族の方が化け物に思えて仕方なかった。 「早く出ていけ。目障りだ」 すでに自分の居場所がないと悟るレーネは、祖母とのある約束を守るため、化け物公爵の元を訪ねる。 しかし、黒い噂が流れる殘虐な公爵様の姿はなく――。 「嬢ちゃん。今は無理せずに休むべきだ」 「無理は良くない、奧方。筋肉が悲鳴を上げている」 屋敷で働く家臣の獣人たちに親切にされ、傷ついた心が癒されていく。 もしかしたら、本當の旦那さまは優しい人かもしれない。 會えない気持ちで思いが募り、妄想という名の戀心が芽生え始めるのだった。 「はぁ~。私の旦那さまはいったいどこに……」 一方その頃、レーネを売り払った家族の元には、なぜか次々に災難が押し寄せてくることになり……? ※この作品は他サイトにも掲載しています。 【無斷転載禁止】小説投稿サイトやYouTubeに載せないでください。
8 153嫁入りしたい令嬢は伯爵の正體がわからない
男爵令嬢のコノエはある伯爵のお茶會に參加していた。 しかしニコラス伯爵を名乗る人物が三人いて…? 誰がニコラスなのかわからないまま、大勢の令嬢達との殺伐としたお茶會がはじまった。 主人公が伯爵を考察していく言葉遊びのような話なのでふんわり読んで頂けたらと思います。
8 168