《初めての》告白の先に見えたあの日の約束94
「ダメダメ、學校で告白とか古臭い」
「え、でも、ラブレターとか出して放課後の中庭に呼び出すって鉄板じゃないの?」
「あんなのときめかない。第一にまどろっこしい。今はスマホがあるじゃない。直接連絡先聞く度がないだけならまだしも、あたしの格を知ろうとする気概もないのも腹立つ! 見た目で判斷してますって言ってるようなもんよ!」
「見た目だけじゃだめなのか? 可いって言ってもらえるだけ良いと思うんだけど」
「ダメに決まってる! そんなの當たり前じゃない? どこの世界にあなたの顔だけが好みです。って言われて喜ぶの子がいるのよ! そもそも好きでもない男子から何言われても迷! 伝説の桜の木の下で告白すれば功するってドラマの見過ぎ! さらし者にされるこっちの気持ち考えなさい、の子がロマンチックなのは漫畫の世界だけって言ってあげたわ」
一刀両斷である。言葉に合わせて虛空を手刀で切り裂く奈緒氏。これが強者の余裕ってやつか? てか、うちの高校にそんな學校の七不思議みたいな伝説あったのか?
「え、ってかなに? また告白されたの? 今度はだれ?」
「隣のクラスの子。一年生のころにクラス一緒でちょっとだけ話したことあるだけ。まあ、漫畫とか好きなのは知ってたけど、現実と混同しないでほしい。傷つけない様に斷るの大変なんだから」
僕にはああ言って一刀両斷していたが、本人にはちゃんと言い方を変えて斷ったのだろう。それに加えて今後はそんな古臭いはた迷な告白方法をするなって釘も打ち、次なる人候補に呆れられない様に心配してあげているところも奈緒らしい。
「ふ~ん、奈緒って意外と現実的なんだ? てっきりシンデレラストーリー派だと思ってた」
「別に嫌いじゃない。むしろ好きよ。ただ、相手が……ね」
「逆に、好きな男からならどんなシチュエーションで告白されてもときめくと?」
「まあ、そうね。好きな男の子からされたらね」
なぜか僕の顔を見て頬を赤くする奈緒。ちょっとだけかわいいって思えてしまいなんだか悸が早まる。靜まりたまえ、相手は奈緒だぞ。
「そうなるとさ、僕が告白するのって迷じゃない?」
「なんでよ。みやびなら大丈夫って言ってるでしょ」
「いやいや、春香が好きなのは朋希だって絶対」
「そんなことない!」
テーブルの上に乗っていたマグカップがしだけ弾んだ。それくらいの強さで奈緒はテーブルを叩いて僕の言葉に反論した。
「みやびの良さは春香だって知ってる。いくら朋希って子が春香の歌の先生だってみやびの方が斷然かっこいい!」
「なんだよそれ、……照れるだろ……。でも、ありがとう、奈緒にそう言ってもらえると元気でる」
「ほんとだもん。……、みやびは自分に自信なさすぎ」
そう言われても僕には誰かに勝てるような才能がない。魅力だって分かる人にしかわからないほどちっぽけなもんだ。自信なんてないっての。
「これ、みやびが撮ったんでしょ? いい畫じゃん、素直に心しちゃった」
「二人がすごいだけだよ」
「いいえ、それは違う。竜人さんが言ってた。演劇は役者がすべてじゃない。照明さんやメイクさん、腳本家、そこに攜わるすべての人の才能があってこそのモノだって。この畫だってみやびがこうやって撮影したから二人の生き生きとした演奏が見れるんだよ。なくとも、この二人がそう見えるのはみやびの才能のおかげよ」
プロの世界を目の當たりにした奈緒だからこそ、この発言にはとても深みがある。
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