《99回告白したけどダメでした》30話
*
誠実は、現在3人のと商店街を歩いていた。
普通ならうれしい出來事のはずなのだが、誠実は自分でもなぜだかわからないが張していた。
理由は、この3人のの空気にあった。
「……」
「……」
「……」
なぜか無言で歩く3人の。
誠実はそんな3人の後ろを気まずそうに歩いていく。
「あ、あのぉ……」
気まずそうに誠実が聲をかけると、栞が笑顔で振り向き、優しく答える。
「どうかしましたか? 伊敷君」
優しい栞の対応に、心の安らぎを覚え、誠実の顔はし緩む。
それを見ていた奈穂は、そんな誠実が面白くないようで……。
「おにぃ、気持ち悪いよ? そんなにその人と話せてうれしいの?」
奈穂はすこぶる機嫌が悪く、誠実に対して悪態をついてばかりだ。
この前の事で、し距離が戻ったと思った誠実だったが、なんだか前に戻ってしまったようなじで、し悲しい。
「ちげーよ! なんかわからないけど、空気が重いから……そんなときに優しく応えてもらえたら安心すんだろ! てか、どこに向かってんだよ!」
「狀況を整理したいの! 良いからファミレスに行くわよ!」
「なんの狀況だよ! さっき説明したろ? この人は先輩で、沙耶香はクラスメイトだって!」
校門前で鉢合わせした3人のは全員、誠実の事を知ってはいるが、互いを知らなかった。
だから、誠実が説明をしたのだが、何やら3人とも誠実の説明では納得がいかないらしく、別な場所で狀況を整理するという事になり、商店街の先にあるファミレスを目指して歩いていた。
「誠実君、妹さんは良いとしても、先輩とは何でこんなに仲が良いのかな? ねぇなんで? 目をそらさないで教えてよ」
「さ、沙耶香さん……怖いです」
誠実が一番怖いのは沙耶香だった。
自分に好意を持っていることを知っている上に、誠実が他の生徒と仲良くしているとヤキモチを焼く。
こんな狀況だと、沙耶香が何を言って來るか、わからない上に既に何か怒っているじがする誠実。
何とか、沙耶香が変なことを言って、狀況をややこしくしないようにしなければと、誠実は注意していた。
歩いて數分で、ようやく目的のファミレスに到著し、4人は席に案される。
ファミレスは昨晩に奈穂と誠実が飯を食べに來たファミレスで、今日も店員さん達は、奈穂と誠実が居る席に注目を集めていた。
「ご、ご注文、お決まりでしょうか?」
「「「ドリンクバー4個」」」
「は、はい!! かしこまりました!!」
3人のの威圧と、異様な空気に圧倒され、店員さんは注文を聞いてすぐにバックヤードに戻って行った。
「で、本題にりたいんですけど……まず、貴方は兄の學校の先輩で……」
「はい、でもちゃんとお名前を教えたのは今日なので、知り合って一番期間が短いですね」
「貴方は、兄のクラスメイト……」
「うん、そうだよ? ところで奈穂ちゃんだっけ? 私の事はおねぇちゃんって呼んで良いからね?」
「え、遠慮します……」
沙耶香の言葉に、若干を引く奈穂。
知らない人に張しているのか? と誠実は奈穂が心配になり奈穂の隣で補足の説明をれる。
「沙耶香には、料理部でお世話になってな、以來こうして仲良くしてもらってるんだ……基本良い奴だから、そんな張すんな」
「張なんてしてないし……ていうか、あんま顔近づけないでよ……」
「あ、悪い悪い」
頬を赤らめながらそう言って來る奈穂に、誠実は謝罪し、顔を離し、正面を向く。
「仲が良いんですね」
「いや、コレでも前まではあんま口きかなくて……」
誠実と奈穂の向かいに座る栞が、微笑みながら誠実に言う。
栞だけは、態度を変えることなく、朝と同じ穏やかで優しい表のまま話をしてくる。
そんな栞に、誠実は安心を覚えながら、話をするが……。
「ねぇ、誠実君。本當に妹さんだよね? 隣の中學生の馴染とかじゃないよね?」
「さ、沙耶香さん……どうしたの? いつもの沙耶香さんに戻って!」
校門前からずっと笑顔の沙耶香だが、目は笑っておらず、黒いオーラを放ちながら、誠実にいつものじで話をしてくる。
いつも通りの話し方なのが余計に怖かった。
「そ、そう言えば、先輩俺に用事があったんじゃ……」
「いえ、見かけたので聲をかけただけです。私も丁度帰るところだったので……」
「あ、そうだったんですか、部活の帰りとかですか?」
「いえ、生徒會の仕事で、遅くなってしまって」
「そうなんですか、大変ですね……ところで奈穂」
「何?」
「機の下で、俺の足をぐりぐりするのやめてくれない? 顔に出さないけど、すごく痛いんだよ?」
機の下では、誠実の隣に居る奈穂が、先ほどから誠実の足を踏みつけ、かかとでぐりぐりしていた。
誠実はそんな奈穂の攻撃に耐えていたのだが、流石に限界だった。
「あ、ごめん。わざと」
「それ、謝罪とは言わないからな! なんなんだよ! いきなり一緒に登校してみたり! 迎えに來たり! 機嫌悪くなったり! お前ここ數日おかしいぞ?」
「うっさいわね、毎日おかしいあんたに言われたくないわよ」
「おかしくねーよ!」
「本當に仲がよろしいんですね」
「どこが?!」
奈穂と誠実の様子を見ながら、栞が笑顔でそう言ってくる。
誠実はとっさに突っ込み、ため息を吐きつつ、踏まれていた足をさする。
そんな狀況で、誠実のスマホが音を出して震えだした。
「ん、電話か、ちょっと出てくる」
誠実はそのまま店外に出ていき、殘った3人はようやく本題にれる思った。
「二人に聞きたいことがあるんですけど、良いですか?」
「私は構いませんよ? 何かしら?」
「なんでも聞いてね」
奈穂の言葉に、二人は表面上は快く了承する。
何を聞いてくるか、二人には大想像がついていた。
「うちの兄とはどういう関係なんですか?」
奈穂のこの一言から、三人の靜かな戦いが幕を開けた。
ファミレス店員やその場に居合わせた客までもが、この3人の會話に注目していた。
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