《99回告白したけどダメでした》40話
なんだかんだ、あったが誠実はシャワーを浴びて、再び部屋に戻りベッドに寢転がる。
々あって、しは気を紛らわすことが出來た誠実だったが、ショックなのに変わりはない。
誠実自は、自分の好意が開いてに利用されるなど思ってもみなかった。
綺凜はそんなことをするような人間じゃないと信じていた。
しかし、今回の事で誠実はよくわかった。
「って……怖いな……」
そう思い始める、誠実はこれからの事に頭を悩ませる。
まずは沙耶香の事どうすべきかだった。
今日の綺凜の話を聞いて、誠実はの好意というものに疑問を抱き始めていた。
大好きだった相手に裏切られ、自分の好意を利用された。
沙耶香もそうなんじゃないか?
そんな事を考える誠実だったが、それは沙耶香に失禮だと、考えを改める。
「いいや……もう、なんかどうでも……」
考えるのも嫌になり、誠実はそのまま目を瞑り眠ろうとするのだが……。
「眠れん……」
一回寢てしまったからか、なんだか全く眠くない誠実。
部屋を暗くし、目をつむっていれば、眠れると思い、誠実はそのままじっとしている。
すると、部屋のドアが靜かに開いた。
誰かが、部屋にって來た様子だった。
(誰だ? 母さんか?)
最初は母親が、洗濯でも置きに來たのかと思ったが、どうやらそうでは無いらしい、よく考えてみれば、母が部屋にってくるときは、必ずノックをする。
じゃあ、誰が?
そんなことを考えながら、目をつむって寢たふりを続ける誠実。
今は誰ともあまり話したくなかった。
「おにぃ……」
(え! な、なんで奈穂が……)
目をつむっているので、姿を見ることはできなかったが、聲から奈穂だという事がわかった。
しかし、奈穂が一自分になんの用なのだろう?
考えても何もわからず、誠実はそのまま寢たふりを続ける。
「ん……」
なんだか、良い匂いがすると思ったら、甘い吐息も聞こえてくる。
奈穂は一何をしているんだ?
不思議に思いながらも、さっさと出て行かないものかと誠実は寢たふりを続ける。
「……フフ、あの2人はおにぃのこんな顔を見れないよね?」
一方の奈穂は、満足そうな笑みを浮かべながら、寢たふりをする誠実の姿をベッドの脇で見続ける。
実は今日が初めてのことではない、誠実が寢たのを見計らって、奈穂は何回かこのように兄の寢顔を見に來ている。
「……私の気持ちなんか、気が付いても居ないんだろうなぁ……今日なんか全部見たくせに……」
誠実は奈穂が何を言っているのか、皆目見當もつかなかったが、今日というのが先ほどの洗面所の出來事だという事が良く分かった。
確かに見たが、誠実はチラッとしか見ておらず、しかも奈穂は持っていたタオルですぐにを隠していた。
全部は見てない、そう思いながら、奈穂にさっさと出ていけと念を送る誠実。
「そろそろ行こ……お休み、おにぃ……」
(はぁ~、やっと戻るのか……)
そう思い、安心した誠実だったが、次の瞬間頬に何やららかいが伝わってくるのをじた。
一奈穂は何をしたのだろう?
そう不思議に思いながらも、寢たふりを続ける誠実は奈穂に尋ねることなどできる訳もなく、そのまま奈穂が部屋を出るまで待った。
「な、なんだったんだ?」
奈穂が部屋を出た後、誠実は目を開け、最後にらかい何かが當たった、頬をでる。
(あいつ一何を?)
奈穂の良くわからない行に疑問を抱く誠実。
一方で奈穂は、部屋に戻りベッドの上でゴロゴロと悶えながら、顔を真っ赤にさせて、満足そうな顔をしていた。
「ウフフ、今日は良い日だな~」
先ほどまで兄の部屋で、寢顔を堪能し、最後には頬にキスをしたことを思い出すと、自然と頬が緩む奈穂。
いつものキリっとした態度からは想像ができないほど、その表は緩み切っていた。
「お風呂におにぃが來たときはびっくりしたけど……まぁ、見られて困ることは無いようにしてるし、恥ずかしかったけど、まぁ良いや。おにぃのテレ顔も可かったし」
上機嫌な奈穂だが、上機嫌なままでもいられない事態がやってきてしまったことを思い出す奈穂。
自分の意中の相手、すなわち兄の誠実にの影が多數存在する。
その事実を奈穂は知り、焦りをじていた。
確かに、一緒にいる時間は長いかもしれない、しかし奈穂と誠実は兄弟である。
一番大きなハンデを背負っている奈穂は、何とか他のライバルと差をつけたいと思っていた。
「大、今日だっておにぃと放課後デートしたかったのに……」
そんな計畫もライバルの出現で、無くなってしまい、しかも沙耶香に誠実が告白されていたという事実まで知ってしまった奈穂。
最近好意を持っていた相手に振られたと知り、チャンスと思い距離をめ始めた奈穂だったが、安心したのもつかの間だった。
「ぜったいおにぃは渡さない……」
頬を膨らませながら、機の上の兄と自分の中學時代の寫真を見る。
わかっている、兄弟でなんておかしいこと。
わかっている、結局は報われないことも。
でも奈穂はこんなところは兄と似ていた。
「好きなんだからしょうがないじゃん……」
奈穂も誠実と同じで、好きな相手はとことん好きという、一途なをする格だった。
「土曜日、何著て行こうかな?」
土曜日の話もただ、誠実と二人でどこかに出かけたかっただけの噓だった。
買いして、そのあと映畫を見て、お晝を食べて、なんて計畫を頭の中で考える奈穂。
そんな楽しい事を考えていると、奈穂のスマホが鳴った。
「何よ、こんな時間に」
そういって、奈穂がスマホを確認すると、次の撮影の日時と現場の連絡だった。
しかし、その日時が問題だった。
「……土曜日、13時……」
奈穂はすぐさま、連絡してきたマネージャーにこう連絡を返した。
『用事あり、絶対にいけない。休む』
打ち終えると、奈穂はスマホを機の上の充電に挿して、そのまま寢る支度を整え、ベッドに橫になる。
「土曜日楽しみだな」
奈穂は頬を緩ませながら、土曜日の事を考える。
ファミレスでの電話の事も気になる奈穂は、明日にでも聞いてみようと思い、そのまま深い眠りについた。
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