《99回告白したけどダメでした》140話
七月の最終日、誠実達は海に行く段取りを決める為、集まる事になった。
場所は學校近くのファミレスで、誠実は一番乗りでやってきていた。
一応言い出しっぺなので、早めに來た方が良いと思い、早めに來て場所を取っていた。
「うぃーっす、誠実だけか?」
「武司、健、早いな」
席について、先にドリンクバーを頼み席で待っていると、健と武司が荷を持ってやってきた。
8人掛けのテーブルに誠実と武司が並び、その向かいに健が座った。
「で、あと何人來る予定なんだ?」
「子5人」
「多いな……まぁ子ばっかりだし、悪い気はしないな~」
「いろいろあって、子の知り合い増えたからな」
健と武司もドリンクバーを注文し、雑談をしながら子を待つ。
しして沙耶香と志保、そして料理部の島崎鈴がやってきた。
鈴は健を見つけると、いち早く健の隣を陣取り、健はそんな鈴から逃げようと立ち上がろうとする。
「どこに行くの? 健君?」
「お前という悪魔から逃げる」
「酷いなぁ~、勉強教えてあげたのに~」
「あぁ、嫌でも頭にったよ……だが、俺はお前が嫌いだ!」
「私は大好きだぜ!」
「黙れ! 誠実、俺は聞いて無いぞ! こいつも一緒なんて!」
鈴はがっちりと健の腕を摑み、健は無表のまま聲を荒げて、誠実に文句をいう。
「え? お前と島崎って仲よさそうだったし、問題無いかと思ったんだが……」
「問題だらけだ! 良いか! こいつはの皮を被ったうぐっ!」
話しの途中で、健はとつぜん機に頭をつく形で倒れてしまった。
「健君大丈夫~? もう仕方ないなぁ~よしよし」
「おい健! 大丈夫か!」
健をを案じる誠実に、鈴が健の頭をさすりながら答える。
「熱中癥だよ~、大丈夫大丈夫、私が隣で介抱するから~」
「熱中癥ってそんな癥狀だっけ?」
健の隣に鈴が座り、その隣に沙耶香が座り、その正面の武司の隣に志保が座った。
そして程なくして、綺凜と沙がそろってやってきた。
「ごめんね~ちょい遅れちゃった」
「大丈夫よ、時間通り綺凜はそっちで、沙はこっちに座って」
沙耶香が沙と綺凜にそう言い、二人は席に著いた。
々と心配していた誠実は驚いた。
沙耶香が沙と綺凜を名前で呼んでいるうえに、なんだか自分よりも親しそうだったからだ。
「なんか、そこ仲良いな」
武司が誠実の疑問を代弁するかのように沙耶香に尋ねる。
すると、沙耶香と綺凜は笑顔で答える。
「仲良しだよ、々あってね~」
「そうね、ウフフ」
一何があったのだろうと、疑問に思いながら、武司と誠実は本題にり始める。
どこの海に行くか、そしてどこに宿泊するか、日程の調整などが主な話し合いの容だった。
「…海水浴場と宿はここで決まりだな……問題は日程だが、皆行けない日とかある?」
「俺はお盆以外なら、陣は?」
誠実の質問に、武司が答える。
ちなみに健はいまだに目が覚めず、機の上で寢ている。
「私もお盆以外なら、あとは部活のある日を避けてもらえれば」
「沙耶ちゃん、料理部は夏休みの活は3回しかないよ?」
「え! 噓!」
「予定表見てないの沙耶香? 絶対に大丈夫よ」
料理部の面々は全員お盆以外ならいつでも大丈夫な様子だった。
沙と綺凜もお盆以外なら大丈夫らしく、本格的に日程を決める段取りにり始めた。
「じゃあ、お盆の後か前でどう?」
「あ、それならお盆前ににしてもらっても良い?」
そう言ったのは沙だった。
「俺は良いが、皆は?」
「別に問題無いわよ」
「私も志保と同じ、大丈夫だよ」
「俺も問題無いけど、何か理由でもあるの?」
武司が沙の方を見て尋ねると、沙は頬を赤らめながら誠実の方を見て答える。
「お盆明けは、誠実君をお祭りデートにいたくて」
「「はぁいぃぃぃぃ!?」」
沙のまさかの回答に聲を上げたのは、誠実と沙耶香だった。
「せ、誠実君! 行くの!」
「え、いや……俺も今言われたし……」
「沙耶香は夏休みの始めにデートしたんでしょ? なら今回は私に譲ってよ」
「そういう問題じゃないよ! 私も誠実君とお祭り行きたい!」
沙耶香に詰め寄られる、誠実は戸い、沙はニコニコしながら誠実に視線を送っていた。 志保はそんな様子を見ながらため息をつき、綺凜は苦笑いでその様子を見ていた。
「はいはい、今はそんな事よりも日程を決める方が先だろ?」
「うぅぅ……」
「まぁ、それもそうだね」
武司の言葉に、沙耶香は悔しそうな顔をしつつも武司の言うとおり、席に座り、沙もそれ以上はなにも言わなかった。
「じゃ、じゃぁ……日程はこの日で……あとは……」
その後は何の問題も無く予定が決まった。
思ったよりもスムーズに予定を組むことが出來たおかげで、そこまで時間が経っておらず、このまま解散ももったいないので、雑談する事になった。
「そういえば古沢君の意見聞かづに決めちゃったけど、大丈夫かな?」
「あぁ、こいつはバイトして金もあるし、日程もほぼ暇人だから大丈夫だろ?」
「うぅ……お、俺は一……」
「お、目が覚めたか」
沙耶香と誠実が話しをしていると、ようやく健が目を覚まし起き上がった。
「健君大丈夫~? 予定決まっちゃったよ?」
「げ、まだ居たのか……」
「失禮だなぁ~、げって何よぉ~」
「うるさい、それより予定決まったのか?」
軽く鈴をあしらいながら、健は誠実に尋ねる。
聞かれた誠実は、メモしておいた予定を健に見せる。
「おまえは、この日程で大丈夫か?」
「あぁ問題ないが……こいつとは極力一緒に居たくない」
「本當に何があったんだよ……」
健は隣の鈴を指差しながら誠実に言う。
誠実は、本當にこの二人に何が合ったのだろうかと思いながら、とりあえず鈴に注意を促す。
「あぁ、島崎…ほどほどに頼む」
「はーい、大丈夫だよ、私と健君仲良いから!」
「良くない」
健は腕を絡める鈴から逃れながら、淡々と答える。
そうこうしている間に、隣の沙耶香達がワーワーとなにやら騒ぎ始めた。
誠実は、隣の武司に何があったのかを尋ねる。
「おい、どうしたんだよ?」
「お前は出て行くな……ややこしくなる」
「は?」
武司はそう言って飲みを飲み、深いため息を吐く。
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