《99回告白したけどダメでした》143話

誠実が席に座ると、向かいに座るイケメンは誠実を睨んだ。

失禮な人だと思いながらも、誠実は必死に彼氏役を演じる。

「えっと……今付き合ってる、誠実君。もう付き合って半年になるの」

「どうも」

偽の彼氏を演じる為に、誠実達が用意したシナリオはこうだ。

お互いに験者という事もあり気が合った二人はちょくちょく二人で過ごすようになり、半年前の合格発表で付き合うことになったと言う設定だ。

「へぇ……意外と普通なんだ」

「そうですね、貴方の容姿に比べたら、自分は……」

自分で言ってて悲しくなってくる誠実。

あぁ、やっぱり釣り合ってないよね?

そんな事を考えながら、必死に演技を続ける。

「もっと大人っぽい人が來るかと思ったけど、まさかこんなガキだとは思わなかったよ」

「あら? 私が誰と付き合おうが、貴方には関係無いでしょ?」

恵理も男の態度にし怒りをじているらしくいつもより言葉にトゲがある。

「本當に付き合ってるの? 正直あんまりカップルっぽくないし、信じられないんだけど?」

「付き合ってるわよ? ねぇ、誠実君」

「もう半年になりますね」

笑顔で誠実に行ってくる恵理に、誠実も笑みを浮かべながら答える。

「じゃあ、証拠とか見せてしいんだけど良いかな? 二人で撮った寫真とかあるでしょ?」

証拠についてもあらかじめ用意していた。

用意というか、海にバイトに行った際に、恵理が誠実の寫真を撮っていたがある。

「良いわよ、先月海に行ったときの寫真」

「……確かに……二人で行ったみたいだね……」

スマホの寫真を男に見せる恵理。

寫真を見た男はようやく信じたのか、寫真を見て苦笑いする。

「信じましたか? じゃあ、もう恵理に近づかないでもらえますか?」

勝った事を確信し、誠実はし調子に乗り、挑発するように男に言い放つ。

「わかったよ、怖い怖い、じゃあ俺もう行くから……」

そう言って男は席を立ち、店を出て行った。

男が見えなくなると、恵理は張の糸が途切れたのか、大きくため息をついて機に肘をつく。

「はぁ……疲れた…ありがとね、助かっちゃった」

「いえ、俺で良かったらいつでもお役に立ちますよ。じゃあ、俺達もいきましょうか」

「そうね、奈穂ちゃんも待ってるだろうし行きましょ」

誠実と恵理も席を立ち、會計を済ませて店の外に出た。

誠実が店に向かったその頃、奈穂はドーナツを食べながら恵理と誠実が上手くやっているかを見ていた。

「はぁ……恵理さんも大変ね」

そんな事を考えながら奈穂は、追加で注文したアイスティーに手をばす。

(恵理さんはおにぃの事どう思ってるんだろう?)

恵理を見ながら、奈穂はそんな事を考えていた。

確かに海では仲が良かったし、恵理も誠実を気にっている様子だった。

しかし、恵理が誠実に対してを抱いているのかと聞かれると、奈穂はわからなかった。

(彼氏役を頼む位だし、結構信頼してるのかな?)

そんな事を考えていると、後ろから誰かに聲を掛けられた。

奈穂ちゃん」

「あ、沙耶香さんと……えっと沙さん……」

「なんで私だけ目を反らすのよ!」

そこに居たのは、誠実のクラスメイトで奈穂の敵である沙耶香と、奈穂がし苦手意識を持っている沙だった。

「何してるの?」

「あ、いやその……」

奈穂は冷靜に考えて、この狀況は非常にまずいのではないかと考える。

沙耶香も沙も誠実に行為を抱いている事を奈穂は知っている。

今の誠実は恵理と二人。

とうぜん、ながらあのは誰なのかとこの二人に質問攻めにされるのは目に見えてわかるし、その後も々と面倒になるかもしれないと考える奈穂。

「私はちょっとおなかが減って……お二人は?」

「友達と水著を買いに來たんだけど、他の皆が他にも々見て回ってて、私たちだけ先に水著売り場に向かうところなの」

「そ、そうなんですか……」

他にも誠実の知り合いがいる事をしり、奈穂は更にあせる。

ともかく、二人をこの場から離れさせようと、奈穂は席を立ち、二人の背を押す。

「な、なら丁度私も一著しいと思ってたので、ご一緒してもいいですか?」

「あ、そうなの?」

「別にいいよ、現役のモデルさんの意見も聞けるしね」

「じゃ、じゃあ行きましょう」

奈穂はそう言って二人を水著売り場まで導する。

(なんで私がこんな目に……)

そう考える奈穂は、あとで誠実に何か見返りを求めようとに決めた。

「ねぇ、鈴まだ?」

「もうしまって、どっちが健君に似合うか……」

「それって…アニマルパジャマだよね……」

綺凜、志保、鈴の三人は、沙耶香と沙と別れ、鈴の買いに付き合っていた。

なんでも、今度の海で健に來てもらう服を選びたいと鈴が良い、志保と綺凜が付き合ったのだが、二人が思っていた服とは隨分かけ離れたを鈴が選び出し、綺凜と志保は苦笑いをしていた。

「やっぱり牛かな? それとも熊? ねぇ、どっちが健君に似合うと思う?」

「「どっちも想像できません」」

あのクールで無表でアイドルオタクな健が、牛や熊の格好になる事がまず想像出來ない二人は聲をそろえて鈴に言う。

二人はどんな関係なのだろうかと、彼らを知る人たちは気になっているが、真相はまださっぱりわかって居ない。

「鈴、今日は水著を買いに來たんだし、まずは水著見ない?」

「う~ん、そうだね、健君の服はじっくり選びたいし」

(本當にどう言う関係なのよ、付き合ってるじじゃないけど……)

志保は苦笑いを浮かべながらそんな事を考え、鈴と綺凜と共に店を後にする。

「綺凜は、どんな水著にするの?」

「えっと、私はが無いから……ワンピースタイプとかにしようかと……」

志保は心の中で「しまった」と思わずんでしまった。

水著は、の大小が一番左右される服であり、気にする人は気にしてしまう。

どうやら綺凜は後者だったらしい。

「ちょっと志保ちゃん! 貧の私たちをいじめないでよ!」

「えっと、あの…そういうつもりじゃ…」

割ってって來たのは、鈴だった。

鈴も確かには無い。

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