《99回告白したけどダメでした》149話

奈穂の言葉に、沙と沙耶香はいつもの調子を取り戻す。

これで、ようやく丸く収まった。

そう思った奈穂だったが、問題はここからだった。

「じゃあ、早速!」

「うん、そうだね!」

「沙耶香? 沙? どうかしたの?」

何かをしようと意気込む二人に、志保は不思議そうに尋ねる。

すると、二人は生き生きとした瞳で志保に言い放つ。

「「誠実君の尋問!」」

「あぁ……ほどほどにね……」

やめるように言おうとした志保だったが、自分達も誠実のせいで気を使って大変だったので、し面倒ごとが誠実に行くくらいは丁度良いかもしれないと、半ば適當に答える。

誠実と恵理は、ショッピングモールを出て帰宅している途中だった。

辺りは夕焼けで赤く染まり、誠実と恵理は今日の事を話しながら歩いていた。

「恵理さん、なんで告白斷ったんですか?」

「んー、好みじゃないし……いかにも自分大好き、見たいなじが嫌だったからかな?」

「良い出會いでは無かったと?」

「そうだね~、私って理想が高いのかな~」

あんなイケメンでもダメなら、一どんな男となら付き合うのだろう? そんな事を考える誠実だった。

やっぱり、こういう顔が良い人は選び放題なのかなと考えていると、恵理が誠実に言う。

「私さ、最近おもうんだよね」

「何がですか?」」

「誠実君みたいなじで、話しが出來る人が好きなのかなって」

「なんすか、その告白みたいな言い方、勘違いするのでやめてください」

「なんだなんだぁ~? お姉さんじゃ不満だってのかい?」

「えぇ、不満です。俺じゃ、とても貴方とは釣り合わないですから」

「そうかなぁ~? 釣り合う釣り合わないって関係ある?」

そう言われた誠実は、恵理の方を向き、ため息を混じりに言う。

「そりゃあそうですよ、恵理さん見たいに綺麗でスタイルの良い人は、俺みたいなのといるより、イケメンの隣にいたほうが、よっぽど絵になります」

そう言われた恵理は、なぜだかカチンと來てしまい、誠実に言い返す。

「そんなの関係無いでしょ? それに、誠実君は告白した時、そんな事考えてたの? この人だったらつり合う、この人だったらダメだ、見たいに」

「そ、それは……」

そう言われると、そんな事考えても居なかった誠実。

ただ綺凜が好きだったから、告白した。

それだけで特にそんな事は考え無かったのに、なんで自分は彼にそんな話しをしてしまったのだろと、誠実は不思議に思えてしまった。

「そんな事……考えて無かったですね……その人が好きって気持ちでいっぱいでした……」

「でしょ? だから、誠実君と私が付き合っても何の問題も無いし、おかしいところなんてないの!」

「そ、そうですね……すいません、俺が間違ってました。釣り合うとか関係無いですよね!」

「そうだよ誠実君! だからお姉さんと付き合ってみよう!」

「お斷りします!」

「なんで!?」

恵理の言葉に、すかさず反応し頭を下げる誠実。

そんな誠実に恵理はツッコミをれる。

確かに恵理も本気では無かったが、しは面白い反応をしてくれても良いと思ったからだ。

「だって、どうせ家事とかさせるのが目的でしょ? そんなの無いを俺はしたくありません」

「えぇ~、お姉さんとエッチな事も出來るかもしれないのに?」

「あぁ……それにはちょっと興味が……って何を言わせるんですか!」

「アハハ! 冗談冗談、誠実君顔真っ赤だぞ~? 想像しちゃったのか~? うりうり」

「や、やめてください、突っつかないでください!」

誠実をからかいながら、恵理は誠実の脇腹を人差し指で突っつく。

誠実はそんな恵理から逃げながら、恵理にやめるように言う。

そんな事をして歩いていると、恵理のアパートに到著する。

「はい、ここが私の家。結構、誠実君の家から近いでしょ?」

「そうですね、バスを使って十分ちょっと位ですね。そう言えば、良く俺の家がわかりましたね」

奈穂ちゃんに聞いたんだ~。お、開いたよ、お茶でも飲んでいかない?」

「いえ、時間も遅いですし、自分はここら辺で……」

「つれないな~、一人暮らしの子大生の部屋だぞ~、良いにおいとかするかもよぉ~」

「そんな言われても、帰ります。全く……」

軽く恵理をあしらいながら、誠実と恵理は部屋のり口で分かれようとする。

すると、誠実は立ち止まり恵理に言う。

「恵理さん、貴方可いんですから、あんまり誤解されるような事、しない方が良いですよ」

「なんだ~、お姉さんを心配してくれるのか~、どんだけお姉さんの事好きなんだよ~」

またしてもからかうように言う恵理。

どうせまた、いつも通りのじで返してくるのだろう。

そう考えていた恵理だったが、誠実は真顔でこう言った。

「えぇ、好きですよ」

「ふぇっ!」

「人としてですけど」

「紛らわしいわ!」

思わず恵理が誠実にツッコム。

いきなり何を言い出すかと思った恵理は、顔を赤らめて誠実を見る。

「俺に姉がいたら、こんなじなのかなって……時々そう思うんです。だから、心配にもなりますよ」

一切からかっている様子も無く、誠実は恵理にそう言い放つ。

言われた恵理は顔を真っ赤にし、誠実に背を向ける。

「……全く……全く……よ、余計なお世話だよ~だ! 心配されなくても大丈夫だもん」

「そうですか、じゃあ俺はこれで……あ、また遊びましょうね」

誠実はそう言って帰って行った。

恵理は誠実の後ろ姿を見ながら、顔を真っ赤にして見送る。

姿が見え無くなったところで、恵理は家にり、玄関前で座り込む。

「はぁ~……もう! 何ドキドキしてるのよ! 誠実君はそう言うんじゃ無いでしょ!」

一人になった部屋の中で、恵理はそんな事をびながら膝を抱えてうずくまる。

先ほどまで一緒に居た、誠実の顔が脳裏に焼き付いて離れなかった。

「誠実君……年上って………好きかな?」

思わずそんな事を呟いてしまい、恵理はハッと我に返る。

「何を言ってるの私! これじゃぁ……まるで……」

その後の言葉はわかっていた。

しかし、あえて口に出さなかった。

口に出してしまえば、本當にそうなのだと確定してしまい、逃げられないと思ったから恵理はその先を口にしなかった。

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