《99回告白したけどダメでした》150話
翌日の事だった。
誠実は朝、突然の電話で目を覚ました。
時刻は朝の九時をし過ぎた頃で、誠実はまだ半分寢ぼけた狀態で、その電話に出た。
「ふあい……どちら様ですか……」
目をこすりながら、誠実は電話の相手に向かって話す。
視線がぼやけて、ディスプレイの文字が読めず、誠実は誰だからの著信かわからない狀態だったが、どうせ健か武司辺りだろうと、深く考えずに電話に出た。
「あ、誠実君? 私、沙耶香だけど」
「え? あぁ、沙耶香か! 悪い、寢ぼけてて……どうしたんだ? こんな朝早く」
「もう九時過ぎだよ? 誠実君が寢過ぎなの」
「え? あぁ、本當だ……ごめん、學校が無いって思うとどうしても遅く目が覚めちゃって……」
徐々に目が覚めていき、誠実は沙耶香に謝罪する。
一何の用だろう?
そんな事を考えていると、沙耶香が答えるようにして、電話を掛けてきた理由を話し出す。
「誠実君、今日って何か用事ある?」
「えっと……夕方からバイトがあるくらいかな?」
「ちょっと聞きたい事があるんだけど、これから會える?」
「聞きたい事? 良いけど、電話じゃダメなのか?」
一何を聞かれるのだろうか?
誠実は疑問に思いながら、沙耶香と約束をし、外で會うことになった。
場所は最近では、良く行くようになった、近所のファミレス。
誠実は顔を洗い、軽く食事を済ませると、著替えをして家を出た。
「今日も熱いなぁ……」
雲一つ無い、真っ青な空を眺めながら、誠実は自転車に乗って店に向かう。
十數分で店に到著する。
店にると、既に沙耶香が到著しており、外から誠実に向かって手を振っていた。
誠実は自転車を止め、急いで店にる。
隨分クーラーが聞いているなと、誠実は汗が引くから丁度良いかと、あまり気にせずに沙耶香の居る機に向かう。
すると、そこには、沙耶香だけでは無く、なぜか沙も居た。
「お待たせ、急にどうしたんだ?」
「うん、ちょっと聞きたい事があって」
なぜか不自然な位に笑顔の二人、誠実は何かがおかしいと思い始める。
まさか、告白の返事の催促だろうか?
などと考える誠実だったが、沙耶香の次の言葉で、そうでは無い事に気がつく。
「昨日の事なんだけどね」
沙耶香の言葉に、なんだ旅行の話しかと、昨日の打ち合わせの話しの続きかと思い、誠実はほっとをなで下ろす。
しかし、誠実の予想とは裏腹に、沙耶香が言い出したのは全く別な話題だった。
「昨日、誠実君って、先に帰ったよね? お客さんが來たからって」
「あぁ、ちょっと急にね」
「実はあの後、私たち水著を買いにショッピングモールに行ったんだよ」
さっきまで黙っていた、沙が笑顔のまま口を開いた。
二人の不自然なまでの笑顔に、誠実は若干の恐怖をじていた。
「そ、そうなのか……それが、どうかしたのか?」
「うん、ショッピングモールでね、私たち誠実君の事を見かけたんだけど……一緒に居たの人とはどう言う関係なのかな? って思って」
沙耶香に言われ、誠実は気がつく。
要は、告白を保留しているくせに、何他のとイチャイチャしてるんだ。
そう言われている気がした誠実。
しかし、それは大きな誤解である事を誠実は説明しなければならなかった。
「あぁ、あの人は、海のバイトで仲良くなった、恵理さんって言う人で、ただの友達だよ。昨日は訳があって、彼氏のふりをしてくれって、言われたからあの後あそこに居たんだよ」
噓なんてついて無いし、別にやましい事も何も無い。
これでこの話は終わりだと、誠実は思って居たのだが、誠実の予想に反して、沙耶香と沙は更に々と聞いてきた。
「へぇ~、隨分綺麗な人だよねぇ~、手なんか繋いでたし」
「あ! 沙、お前いつの間に!」
沙が誠実に見せたスマホの畫面には、誠実が恵理の手を引いて歩く姿が寫っていた。
「私とは手も握ってくれないもんね~、私は誠実君にとって友達以下なんだぁ」
「これは、仕方なくだ! 二人が思ってるような関係じゃ無いから安心してくれよ」
何を言っても信じてもらえない誠実は、ため息を吐きながら、どうしたら信じてもらえるかを考えていた。
「誠実君、好きな人が他の異と手を繋いで歩いてたら、誰だって嫌だよね? 気になるよね?」
「た、確かにそれは最もだけど……本當に俺は恵理さんとは……」
「呼んだ?」
「「「え?」」」
誠実達が話しをしていると、突然この場の三人以外の聲が聞こえてきた。
一誰だろうと、三人が聲のした方を見ると、そこにはトートバックを持った恵理が、不思議そうな表で立っていた。
「恵理さん、こんなところで何してるんすか?」
「いやぁ~、夏休みの課題が貯まっちゃってね、それを消化しようと、一人で勉強しに來たんだけど、まさか誠実君がこんな可い子と一緒にいるなんて思わなかったよ~、モテるなぁ、この野郎~」
「あの、今その乗りやめてもらえます……向かいの二人の視線が怖いので……」
恵理と誠実の會話を見ていた沙と沙耶香は、笑顔のままで鋭い視線を誠実に送っていた。 そんな様子に気がついた恵理は、これはまずいと思い、フォローにる。
「あはは、大丈夫だよ、私は誠実君にとって、お姉さん的ポジションらしいから」
「そ、そうだぜ? 大、俺と恵理さんがそんな関係になるなんて、想像も……」
恵理はなぜか、誠実のその言葉が気にらなかった。
たとえそれが、この二人に、誠実と自分がそう言う関係では無いことを証明しようとして言った言葉でも、なぜか恵理はその言葉が嫌だった。
「え~酷いなぁ~、お姉さんは対象にってないって事~?」
「そうです、さっきから何を言ってるんですか」
誠実と恵理のやりとりを見ながら、沙耶香と沙は、本當になんでも無いのかもしれないと、誠実の言葉を信じ始めていた。
しかし、恵理はなぜか、この狀況が面白く無かった。
誠実が、可い子と休日を一緒に過ごしていたのもなぜか面白く無かった。
そんな恵理は、し誠実を困らせてやろと思い、沙耶香と沙にこんな事を話し始めていた。
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