《99回告白したけどダメでした》155話

冷めたい視線で健から言い返される武司だったが、武司はどや顔で健に対して口を開く。

「殘念でした~、俺見たいなモテないやつは、子と來ても相手にされないから、別にナンパしてても他の子見てても、結局相手にされないから、別に失禮にはならないんです~」

「……武司、言ってて悲しくないか?」

「うるせぇ! 俺は海に、の子を眺めに來たんだ! お前らは勝手にモテてろ!」

高志はそう言うと、サングラスをしながら、砂浜に橫になり、再び水著子の観察を始めた。

「武司、なんか最近荒れてないか?」

「お前のせいだと思うが?」

「俺が何をしたよ?」

「自分のに聞け」

健は呆れた様子で、誠実にそう言い、座って買ってきた飲みを飲み出す。

誠実も腰を下ろし、武司に何かしただろうかと考えるが、全く心當たりがなく頭を悩ませる。

「ぐへへ……あのお姉さんデカいなぁ……」

「視線をわからなくする為にグラサン持ってきたのか……」

「言っておくが誠実、お前も數分前まであれと同じレベルだったんだぞ?」

「冷靜になって見ると、完全に変質者だな……で、でも…海だし、やっぱり水著子には目を奪われちまうだろ?」

青い海、白い砂浜、海で戯れる水著

そんな狀況で、目を奪われない人間はいないと思う誠実。

しかいし健は、冷めた表のまま飲みを飲みながら、誠実に言う。

「いや、別に……そもそも皆が皆、じゃないし」

「それはの子に失禮だろ……」

「そもそもでも、アイドルでなければ意味が無い」

「お前のそのアイドルに対する執著芯は変わらないのな……」

誠実と健が話している間も、高志はビーチを眺めながら、口元をニヤニヤさせていた。

二人はそんな友人を見ながら、聲をそろえて言う。

「「あぁは、なりたくないな……」」

「おい、今なんか言ったか?」

「聞こえたのかよ……」

男三人でそんな話しをしていると、著替えを終えた子達が、誠実達三人の元にやってきた。

「お待たせ~」

「なかなか良い場所だね、自販機近いし、海の家も近いし」

子の登場に、武司と誠実は目を奪われたが、健はどこか遠いところを見ているようなじで、話しを聞いていた。

「誠実君、どう? 結構似合うでしょ~?」

「ん、あ…あぁ……そうだな……」

誠実に聲を掛けたのは、青いビキニにホットパンツを履いたような水著姿の沙だった。

丁度良いサイズのに、細い手足が水著に合っていた。

誠実はなんとなく恥ずかしくなり、目を反らす。

「お~い、なんで目反らすの?」

「ま、まぁ……いつもと違う格好だから……その……目のやり場がな……」

「なるほど~、私のしちゃったのか~」

「それは斷じてないから、安心しろ」

「なんでよ!」

確かに似合っているし、正直良いつきだとは思った誠実だったが、的な興を覚えた訳では無く、あくまでいつもと違う姿にドキッとしただけだった。

「せ、誠実君……」

「ん? あ、沙耶香どうした?」

次に現れたのは、沙耶香だった。

パーカーを羽織っており、どんな水著かはよくわからないが、ところどころにフリルが著いているデザインなのがわかった。

沙耶香は顔を赤く染めながら、何やらもじもじした様子だった。

「え、えっとね……その……わ、私の水著見たい?」

「え? いや……その……見せたく無いなら、別に無理する必要は無いと思うけど」

「え……見たくないの……」

「誰もそんな事言ってませんが?!」

「え! じゃあ……見たいの?」

不安そうな表になったり、元気になったかと思ったら、恥ずかしそうにしたり、今日の沙耶香はなんだか表かだなと誠実は思った。

それはそうと、ここまで言われてしまうと、どんな水著なのか気になってきてしまう誠実。

「そこまで言われたら、しは気になっちゃうよ」

「そ、そっか……じゃ、じゃあ…その……どうぞ」

そう言って、沙耶香は著ていたパーカーをぐ。

その瞬間、誠実を含めた周囲の男の視線が、一気に沙耶香の方を向いた。

「ど、どうかな?」

「あ、あぁ……に、似合っているぞ? ……それと、早くパーカー羽織った方が良いと思うぞ?」

「目を反らしながら言われても……」

一瞬だけ見た誠実だったが、沙耶香すさまじい兵をパーカーの下に隠し持っていた事を誠実は気づいてしまった。

「ねぇ、誠実君! ちゃんと見てよ」

「いや……そ、その……」

ピンクのフリルが著いた水著は沙耶香に似合っていた。

しかも、ビキニのおかげで、いつも以上にが強調され、誠実は沙耶香を直視出來なかった。

「う~、沙耶香ずるいわよ! そんなエロいで誠実君をしようなんて!」

「え、えろ……って……わ、私はエロいじゃないわよ!」

「そんな立派なで言われても説得力ないわよ!」

割り込んできた沙のおかげで、誠実は沙耶香から解放される。

々と誠実の男の部分が反応してしまい、正直しばらく立ち上がれなくなってしまった誠実は、ビニールシートの上でスマホを弄って気を反らしていた。

未だに言い爭う二人を見ながら、誠実は改めて考えてしまう。

(やっぱ……どっちも可いよな……)

沙耶香も沙も、普通に可いし、格も良い。

なのに何故だろうか、告白されて嬉しかったはずなのに、不思議と二人に的なを抱けた事がなかった。

「なんでだろうな……」

沙耶香とデートをしたときも、沙と勉強したときも、誠実がじた二人に対するドキドキは、初めて綺凜の笑顔を見た時のそれとは違っていた。

そんな事を考えながら、ぼーっとビーチを見ていると、未だにビーチの子を眺める武司が目に付いた。

「はぁ……眼福、眼福~」

「何やってんのよ」

「いってぇ! な、なにすんだよ、古賀!」

水著姿の志保が、武司の頭を小突く。

「恥ずかしいからやめてよね」

「なんだと! 俺はの水著を見るためだけに、ここに來たんだよ!」

「バッカじゃないの?」

「うるせー! どうせモテないんだから、こういう楽しみ方でも良いだろ!」

言い爭う、武司と志保。

志保は、武司からサングラスを取り上げ、武司はそれを奪い返そうとしていた。

そこで武司は突然、きを止めて志保を見始めた。

「な、なによ……」

「……いや、以外と……似合ってるってか……エロいなと……」

「な、は?! な、なにを言ってるのよ!! この変態!!」

「ぐはっ! ま、またか……」

武司は志保に腹部を毆られ、青い顔をして砂浜に倒れ込んだ。

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