《99回告白したけどダメでした》161話

健が間違えて、お見合い風呂にっている頃。

誠実と武司は大浴場に來ていた。

あまり人はおらず、浴していたのは、誠実と武司以外では二人。

誠実と武司は、浴槽に浸かって今日の疲れを癒やしていた。

「はぁ~……良い湯だな~」

「健居ないけど……何処行ったんだろうな~」

あの後、一応お見合い風呂に行ってみた二人だったが、先客が居る様子で中にはれなかった。

仕方なく、この大浴場に來たのだが、こっちはこっちで大満足だった。

「景も良いし、最高だな…」

「あぁ…広い風呂なんて久しぶりだわ~」

誠実と武司は、湯に浸かりながら、満足そうに聲を上げる。

「んで、実際のところどうするんだ?」

「何がだ?」

「だから、笹原と前橋の事だよ」

「あぁ……」

突然の武司の問いに、誠実は短く答える。

誠実の顔は険しくなり、誠実は遠くを見つめながら、武司に言う。

「武司……って難しいよな……」

「なんだよ急に、早くものぼせちまったか?」

「ちげーよ……おまえには終わってから話すよ…」

「は?」

「そろそろ上がろうぜ、本當にのぼせちまいそうだ…」

「あ! おい待てよ!」

武司と誠実は風呂から上がり、所に向かった。

所で誠実は、武司の言葉を思い出す。

本當は、どうするかなんて決まっていた。

答えはもう出ていた。

しかし、これは先に武司に言うべきでは無いと、誠実は思い、武司に何も言わなかった。

    誠実と武司は風呂から上がり、著替えを済ませて売店の方に向かった。

「やっぱり、風呂上がりは牛だよなぁ~」

「俺はコーヒー牛だな、買ってから部屋に戻るか」

武司と誠実は、売店により牛を購する。

すると、恐らく風呂上がりなのであろう、子のメンバーが売店に姿を表した。

「あ、誠実君達もお風呂上がり?」

「沙耶香達もか? 俺らは風呂上がりの牛を買ってたところだ」

全員浴に著替えており、さらにはシャンプーやボディーソープの良い香りが離れていてもわずかに香って來た。

「あれ? 島崎は?」

「あぁ、鈴ちゃんはちょっと別なお風呂にってて……そっちも古沢君は?」

「実は俺らも何処に行ったのかわからないんだよ、あいつ何やってんだか……」

誠実達は、それぞれ飲みを購後、売店橫の椅子に座り、飲みを飲み始める。

「晩ご飯までまだ時間あるし、部屋でゲームでもする? あたし、々持ってきたよ」

お茶を飲みながら提案したのは志保だった。

食事は十九時からで、現在は十七時半、食事まではまだ一時間以上もあった。

「お、良いな、どうせ退屈だし」

「料理も大部屋の子の部屋に運んで貰うようにしてたしな、丁度良いんじゃ無いか?」

「じゃあ、決定ってことで! 鈴と古沢君はそのうちくるでしょ?」

一同は全員一致で、志保の意見に賛した。

誠実達は一旦著替えを部屋に置いてから、子達の大部屋に向かう事にし、一旦部屋に戻っていった。

「あれ? 健、何してんだ?」

「おいおい、お前何処行ってたんだよ?」

部屋に戻ると、浴姿の健が疲れた表で椅子に座って景を見ていた。

健はゆっくり誠実達の方を振り向くと、疲れた様子で言った。

「あぁ……ちょっとお見合いをな……」

「「は?」」

健の言葉に、誠実と武司は間の抜けた聲を上げる。

「なんでも良いけど、飯の前にゲームでもしようって話しになってな、お前も來るだろ?」

「いや……俺はいい……ちょっと休ませてくれ」

「そうか? まぁ、疲れてるなら、無理にとは言わんが」

「あぁ……飯時になったら行くから、お前らは楽しんでこい」

「そ、そうか? なら、ゆっくり休めよ?」

誠実は健にそう言い殘し、部屋のドアを閉めて、武司と共に子の部屋に向かう。

「健、どうしたんだろうな?」

「さぁな、あいつの事だ、すぐに復活するだろうよ」

話しをしているうちに、誠実と武司は子五人が泊まる部屋に著いた。

誠実達の部屋から、四部屋離れたその部屋は、誠実達の泊まっている部屋よりも1.5倍ほど大きかった。

「お邪魔しまーす。おぉ、広いな」

「いらっしゃい、あれ? 古沢君、まだ見つからないの?」

「いや、それが健は調が優れないらしくてな……そっちは島崎は?」

「はーい! 呼んだ?」

「あ。戻って來たんだ、別な風呂って何処の風呂にってたんだ?」

「えへへ~、試しにお見合い風呂に……」

「なにぃぃ!!」

「武司、過剰に反応しすぎだ……」

激しく反応する武司に、誠実は呆れた様子で言う。

その様子を志保も見ていたらしく、武司に冷たい視線を送る。

「鈴ちゃん、変な人とかじゃなかった?」

「うふふ~、大丈夫だったよ? それに面白い人だった!」

「?」

沙耶香が鈴に尋ねると、鈴は満面の笑みでそう答えた。

そんな鈴に一風呂で何が合ったのか、沙耶香は疑問に思い首をかしげる。

「とりあえず、何やる? トランプ、人狼、ウノ、々あるわよ?」

「本當に々持ってきたんだな……」

「ねぇ、人狼って何?」

広げられた數々のゲームグッズを見ながら、綺凜が尋ねる。

人狼ゲームとは、とある平和な村に、人の見た目をした狼が紛れ込むと言う設定の元で行われるゲームで、プレイヤーは々な配役を與えられ、村に紛れ混んだ人狼を探すゲームだ。 志保は、綺凜に大方のルールを説明をし、やり方を教える。

「つまり、犯人捜しをするってこと?」

「そ、まぁルールは々あるみたいだけど、今回は人狼が人間の人數を上回ったら人狼の勝ち。人狼すべてを見つけたら、人間の勝ちってことで」

「なるほど、わかったわ」

「懐かしいな~、中學時代に良くやったよな?」

「あぁ、クラスの男子全員でやったな、誠実は顔に出るからすぐにわかったぜ」

「お、俺だって長してるんだよ!」

「じゃあ、早速全員でやろうか! 配役カード配るよ~」

こうして、人狼ゲームはスタートした。

そして、誠実達はまだ気がつかなかった。

數十分後、全員がこのゲームをやらなければ良かったと気がつく事に……。

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