《99回告白したけどダメでした》169話
「あ、あれか」
誠実達は水族館に到著した。
水族館は海辺にあり、平日にもかかわらず多くの人が居た。
「結構人がいるわね」
「そうね、混んでないといいけど」
り口に向かい、誠実達はチケットを購し、中にる。
「俺、水族館って初めてなんだよなぁ」
「え? そうなの?」
「あぁ、行く機會が無かったっていうか……」
「私は、家族で數回來た位かしら」
「私も沙耶香と同じじかしらね」
って最初の場所には、多くの水槽があり、その中に々な種類の魚が飼育されていた。
この辺りに居る魚から、珍しい深海魚など、様々な種類の魚が奧に進むにつれて多くなっていく。
「へ~凄いな……」
「深海魚は可くな~い」
「……焼いたら食べられるかしら?」
「沙耶香、ここにきてまで料理の事を考えなくても……」
それぞれ、いろいろな覚で、水族館を楽しむなかで、誠実は人が多く集まっている水槽に目を向けた。
「なんだ? 人気のある魚でも居るのか?」
誠実は人だかりの方に行き、何が居るのかを人だかりの隙間から見る。
そこには、ミミズのような生きが、砂の中から出たりったりしている。
「なんだこいつ?」
「あぁ、チンアナゴよ」
「今なんて?」
「だから、チンアナゴ。一時期有名だったじゃない」
沙は誠実の脇に行き、誠実に教える。
よく見ると、水槽の橫に名前と特徴が書かれており、誠実はその説明書きを見る。
「へ~、プランクトンを食べるのか。しかし、変な名前だなぁ~」
「あれに似てるから、そう言う名前なんじゃ無い?」
「あれってなんだよ?」
「誠実君に付いてて、私には付いて無い」
「……あぁ……なんか悪い、変な事聞いた……」
誠実は沙の言葉で、あれの意味を理解し、沙に軽く謝罪する。
確かに、言われてみれば、似てないことも無いかも知れない、などと考えるせいじつだったが、名前の由來はまた別なのだろうと思う。
「日本だと、高知県から琉球半島に掛けて生息しているらしいよ」
いつの間にかやってきた沙耶香も加わり、三人でチンアナゴは砂から出たりったりしているところを見ていた。
「変なの、から出たりったり、まるで……」
「沙、その先は絶対に言うなよ、気まずくなるから!」
「た、確かに名前も……」
「沙耶香も乗っかるな!!」
(俺もそう思ったけど!)
なんてことを考えながら、誠実は二人を連れて他の水槽に向かっていく。
夏休みの小學生も見に來ている様子だったので、尚更その場で言わせる訳にはいかなかった。
「はぁ…全く、子高生があんな事を言うなよ」
「そう言われても、男子の方が子に理想持ちすぎなのよ、以外と男子以上にエグい話しをしてたりするんだから……ね、沙耶香」
「わ、私に振らないでよ! べ、別に私は……そう言う事は……」
「一番興味ある?」
「無いわよ!」
沙の言葉に、沙耶香は顔を真っ赤にして答える。
そんな二人に誠実は一言。
「あの……なんでも良いんで、離してくれませんか?」
先ほどのどさくさで、右手に沙耶香、左手に沙ががっちりとしがみつき離れない。
しかも誠実を挾んで言い爭う為、間の誠実は良い迷だった。
周囲からの視線も痛く、誠実は溜息を吐く。
「歩きにくいんで、離れてもらえませんか?」
「だって沙耶香、さっさと離れて」
「お前もだよ、沙」
「そ、そっちこそ! 離れなさいよ沙!」
「沙耶香、話しを聞いてたのか? 俺は二人共って言ったんだが……なんで更に強く俺の腕を摑む?」
誠実は一向に腕から離れそうにない、二人を見て、再び溜息を吐く。
*
なんとか、二人を腕から離した誠実は、二人と共に水族館で売っているアイスを買って食べていた。
「クラゲアイスって、本當にクラゲがってるのかしら?」
「そもそもクラゲって食えるのか?」
「食べられるよ、酢のとかにすると味しいんだよ」
「へ~、クラゲってさっき見たけど、95%近くが水分で出來てるんだろ? 焼いたら一瞬で蒸発しそうだな……」
「フライパンにれた瞬間、ジュッ! っとなって、一瞬で水蒸気になっちゃいそうね」
「だから、酢のとか、焼かない料理に使うのよ。結構味しいんだって」
「アイスはなんか、普通だけどな……」
そう言いながら、三人は外のテラス席でアイスを食べる。
誠実はふと、後ろに見える海を眺める。
青く何処までも広がる青い海を見ていると、誠実は嫌な事を忘れて、清々しい気分になることが出來た。
「ん……燈臺ってあれか……」
ぼーっと海を眺めていると、誠実は綺凜達が向かったであろう、燈臺を発見した。
今頃綺凜達は、何をしているのだろう?
そんな事を考えながら、誠実は燈臺を眺める。
そして、そんな誠実を沙耶香と沙は複雑そうな表で見つめていた。
*
「そろそろ晝だけど、他の奴らからはなんて來てる?」
「集まるのも時間掛かるし、それぞれで済ませようって來てるよ」
「やっぱりか……じゃあ、俺たちも探すか」
お晝になり、誠実達は晝食を取ろうと、店を探していた。
観地と言うこともあり、店は多かったが、夏休みとあってか、何処も込んでいた。
何を食べようか悩みながら、三人は店を探す。
「何を食うかだよなぁ……」
「そばとか良いんじゃ無い? 熱いし」
「そうね、確かにそばならさっぱりしてるし」
「じゃあ、そば屋を探すか、えっと……ここら辺でそば屋は……」
誠実はスマホを取り出し近くのそば屋を探す。
「三件か……意外と多いな、とりあえず一番評価の高い店に行ってみるか?」
「そうだね」
「早く行かないと、席埋まっちゃうかもだしね~」
歩く事約十分、目的のそば屋に到著した。
なんとか席に座ることが出來、三人はメニューを見て何を頼むかを決める。
「いらっしゃい! おねえちゃん達何食べる?」
個人で経営しているお店なのだろう、店員はおばあさんとおじいさんしか居なかった。
おじいさんはお水を持って、注文を聞きに誠実達の席にやってきた。
「じゃあ、板そば三つでお願いします」
「あいよ、ちょっと待ててね~」
そう言っておじいさんは、店の奧の方に引っ込んで行った。
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