《99回告白したけどダメでした》174話
「だから、野暮用だって」
『アホか、何年一緒だと思ってんだ、お前の噓くらい気がつくわ』
いつもは馬鹿な癖に、なんでこんな時だけが良いのだろう?
そんな事を思いながら、誠実は深く溜息を吐き話し始める。
「お前、馬鹿の癖に変にが良いときがあるよな?」
『馬鹿は余計だ! ……で、どうしたんだ?』
「あぁ、実はな……」
誠実は沙と沙耶香に話した事を話す。
武司は話しを聞き終え、溜息を吐きながら答える。
『それで、お前は今罪悪をじて、あのとき一緒にバスに乗らずに一人で海を見に行ったと?』
「あぁ、なんか二人にも、俺が居ない方が良いかなって、思って……」
『まぁ、お前の気持ちもわからないでは無い……でも、それは余計なお世話だろ?』
「そうだったかな……」
『考えても見ろ、今まで仲良くやって來たのに、突然態度を変えられて、しかも避けるように離れて行く。普通に考えれば、自分があんな事を言ったから、じゃないかってあの二人は思うんじゃないか?』
「……でも、一緒に居るのも気まずいだろ……」
『……これは俺の考えだから、あの二人はどう思ってるかは知らんが……いつも通り接してやった方が良かったんじゃないか?』
「それは……無心系じゃないか?」
『俺だったらだが、変に気まずいより、いつも通りの方が良い。その方が、吹っ切れて、友達としてまた仲良くやっていけると思う……』
武司の言葉に、誠実は考える。
確かにそうかも知れない、自分が今、綺凜と友人として良好な関係を築けて居るのは、お互いに普通に接しているからだ。
綺凜と自分では狀況も関係も二人とは違う。
しかし、元々友人の二人だからこそ、逆に遠ざけたりせず、二人が許してくれるのであれば、いつも通り接した方がお互いに良いのでは無いかと……。
『ま、今日は無理だとしても、明日辺りに二人に電話してみろよ、帰りの電車も様子がおかしかったから、そんな事だと思ってたんだよ』
「あぁ、そうするよ」
『それより、山瀬はどうした? 財布はあったのか?』
「あぁ、それは……」
誠実は綺凜と合流してからの流れを武司に話す。
『……するとなんだ? お前は今、山瀬さんと……お、同じホテルで……』
「そういう言い方をするな!! 部屋も別だし! ホテルもただのビジネスホテルだ!!」
『そ、そうか……俺はてっきり、雨に濡れた山瀬さんにして、連れ込んだのかと……』
「お前の頭の中はどうなってんだよ……」
溜息を吐きながら、誠実はベッドに腰を掛ける。
そんな時、部屋のチャイムが鳴った。
「伊敷君、今大丈夫かしら?」
「あ、ごめん! 著替えてるからし待って!」
「そう? じゃあ、終わったら教えて」
ドアの向こうから聲を掛けてきたのは綺凜だった。
誠実はドアに向かって聲を掛け、綺凜にドアを開けられない理由を説明する。
綺凜はその話しを聞くと、その場を離れて行った。
「じゃあ、切るぞ?」
『あぁ、まぁ誠実だし、何か間違いがあるとは思えないけど、手は出すなよ?』
「出すか!」
誠実は武司にそう言うと、電話を切り、スマホをベッドの上に放り投げ、シャワーを浴び始める。
汗でベトベトになったを洗い流し、誠実は著替えを済ませ、綺凜の部屋に行く。
「山瀬さん? 來たけど、どうかした?」
部屋の前に來て、インターホンを鳴らし聲を掛ける。
しして綺凜は鍵を開け、部屋の中から姿を現す。
「あ、もう大丈夫?」
「大丈夫だけど、どうかした?」
「あぁ、大した事じゃ無いの、ただご飯一緒に食べに行かないかと思って」
そう言えば腹が減った、そんな事思った誠実は綺凜の部屋にお邪魔し、近くの飲食店を探し始めた。
まだ雨が降っていた事もあり、誠実はなるべく、ビジネスホテルから近いお店を探す。
探し始めて數分、すぐに近くのラーメン屋を発見し誠実と綺凜はそこに向かう。
「案外近くて助かったね」
「そうね、ラーメン屋さんなんて、何年ぶりかしら?」
「え? あんまり行かないの?」
「基本、食事は家で自分で作るか、コンビニお弁當だし……一人ではりづらいから」
「確かに、子が一人でラーメン屋に居るのは見たことがないかも……」
二人はラーメン屋に向かい、食事を取った。
雨のせいか、人は多くなく、注文してから直ぐに商品がテーブルに到著し、すぐに食事にありつく事が出來た二人。
雨のせいで、いつもより早く暗くなった外を見ながら、誠実は注文した塩ラーメンをすすっていた。
そんな時、ふと誠実は綺凜にこんな質問をした。
「山瀬さん」
「ん? なに?」
「始めて俺の告白斷った時って……どんな気持ちでしたか?」
「え……」
その質問に、綺凜は食べる手を止め、誠実を見る。
誠実はそんな綺凜の反応に、自分が今した質問を冷靜に考える。
(結構重たい話しを何さらりと聞いてんだ俺ぇぇぇぇ!!!)
なんとなく外を眺めて、今日の事を考えていた誠実は、綺凜に無意識のうちにそんな質問をしてしまっていた。
もちろん、綺凜は戸い、何と言って良いかわからない様子で頭を悩ませていた。
「あ……いや、ごめん! なんでも無いから気にしないで……」
ラーメン屋で一俺は何を聞いているんだと、誠実は改めて自分の言うタイミングの悪さを実する。
しかし、そんな誠実に綺凜は靜かに答える。
「……こんな事を言うと……噓だって言われるかもしれないけど……申し訳ない気持ちでいっぱいだったわ……」
「あ……いや、言いたくなかったら、言わなくて良いよ? ごめん! 俺が変な質問したから! その……」
辛そうな表で話す彼を見て、誠実はアタフタしながら、綺凜に謝罪する。
好きな子に、何て顔をさせているんだと、誠実は自分で自分を責めた。
しかし、綺凜は話しを続ける。
「始めて告白してきた人には、みんなそう思ったわ……私を好きになってくれたのに、答えられ無くて申し訳ないって……」
「……そうだよね」
誠実は今日のあの二人の顔を思い出し、そう言う。
自分も二人に対してそう思った。
だからこそ、誠実は心のどこかで綺凜も同じ気持ちだったのかを確かめたかったのかも知れない。
そう思っていたから、こんな質問をしてしまったのかも知れないと思い、綺凜の話しを聞く。
「斷った後って……自分が最低な人間だって、思えて來るのよね……あんな悲しい顔をされたら……」
「……わかるよ……」
その思いを誠実も今日験した。
自分が酷い奴だと、そう思うことしか出來なかった。
あんなに自分を思ってくれていた二人を自分は悲しませた。
その事実が辛くて仕方なかった。
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