《99回告白したけどダメでした》184話

私があの喫茶店に行った數日後、私は會社の飲み會に來ていた。

正直來たくなんて無かった。

しかし、上司に後日いろいろと言われるのが嫌で參加した。

案の定、私は早く帰りたくてしょうがなかった。

頼んでも居ないのに注がれるお酒。

社員も居ると言うのに、飛びう下ネタ。

最悪な気分の中、私は靜かに終わりの時間を待った。

そして、ようやく時間になり、私は帰ろうとしたのだが、運悪く上司に捕まってしまった。

「木崎ちゃん、二次會いくでしょ? 二次會!」

「え……いや、私は今日はちょっと……」

「良いじゃん、良いじゃん! 行こうよ!」

上司も相當酔っている様子で、私の肩を抱いてくる。

正直嫌で嫌で、鳥が立った。

私は上司のおじさんに肩を抱かれたまま、二次會に連行された。

早く帰りたい……。

もう、離れてよ! このスケベ親父!

なんて事を思いながら、私は喫茶店近くの商店街を通って二次會の會場に向かっていた。

「木崎ちゃんは、彼氏とか居ないの~?」

「い、居ないです……」

「ダメだね~、若いから楽しんでおかないと損だよ~、あっはっはっは!」

「あ、あはは……」

「おじさんが立候補しちゃおうかな~? な~んてね!」

全く笑えないから勘弁してくれ!

私はそう言いたかったが、グッと堪えた。

やっぱりダメだ。

そう思い、私は上司に意を決して言う。

「す、すいません……やっぱり私、今日は帰ります……」

「え! 何? 俺の酒が飲めないって言うのか!」

「い、いや……そうではないんですが……」

「じゃあ、良いから! ささ! 行こう行こう!」

「い、いや……あの……」

強引に私を連れて行こうとする上司。

諦めるしかないのか……。

そう思った私の手を乗し以外の誰かが摑む。

「あの、この子帰りたいみたいですよ」

「んん? 誰だお前」

私は振り向き、手を摑んできた人を見る。

そこには、あの喫茶店の店員さんが笑顔で立っていた。

「すみません、この方とこれから用がありまして。探していたんです」

「え? 何? アンタ木崎ちゃんのコレ?」

そう言って上司は小指を立てる。

そんな上司に、店員さんはさわやかな笑顔のまま上司に言う。

「それは彼のプライベートの事ですから、貴方には関係ないはずですよ? 例えそれが、會社の上司であっても……じゃあ、行きましょう」

「え! あ、はい……」

店員さんはそう言って、私の手を引いてその場を後にする。

私は店員さんに手を引かれ、そのままあの喫茶店の前につれて行かれる。

「ここまで來れば、大丈夫ですかね?」

「あ、あの…ありがとうございました! あの人しつこくて……」

「いえいえ、出過ぎた事をしたのでは無いかと心配になりましたが、その言葉を聞いて安心しました。それじゃあ、私はこれで……」

「あ……」

そう言って店員さんは、喫茶店の先の通りに消えていった。

「それで……その……その時から……」

「店長の事が好きになってしまったと?」

「ハッキリ言わないでよ! 本人そこに居るんだから……」

話しを聞き、綺凜は木崎にストイレートに尋ねる。

木崎はそんな綺凜の口を急いで塞ぎ、注意をする。

聞かれて居ないかと、木崎が店長の方を見ると……。

「誠実君、コレ新作なんだけど、いけると思う?」

「コーヒーですか? ん……でもなんか変な匂いが……」

「なんと! コーヒーにココアパウダーをれてみたんだよ! どうかな?」

「普通にココアとコーヒーが別で飲みたくなりました」

新作コーヒーの研究をしている様子で、気がついていなかった。

木崎は安心して息を吐き、綺凜の口から手をどける。

「で、その後私は會社を退社して、仕事を探して商店街に行ってたら、何回か店長に會ったのよ」

「それって、偶然を裝って會いたかったからですか?」

「そ、そうよ……良いでしょ、別に……」

「お店に行けば良かったのでは?」

「それだと、お客さんとして扱われちゃうでしょ? 私は一人のとして扱われたかったのよ……」

「それで流れで、ここで働く事になって、今も店長の事を狙っていると……」

「ま、まぁ……大そんなそんなじ……文句ある!?」

「いえ、なんか納得しました。木崎って必要以上に店長に絡むな~って思ってたんですけど、そういう事だったんですね……」

「え?! そんなに不自然だった?」

「あ、大丈夫です、気がついてるのは私くらいだと思うので」

綺凜は不思議だった事が納得し、笑みを浮かべて木崎を見る。

「な、何?」

木崎は顔を赤くしながら、綺凜に尋ねる。

「告白しないんですか?」

「な、そ…そんなの……出來ない……」

「お似合いだと思いますよ?」

「だ、だって……店長は私の事なんて何も思ってないと思うし……」

木崎はいつもとは違い、顔を赤く染めモジモジしながらそう言う。

をしている人は、こんな顔をするものなのかと、綺凜は思った。

心なしか、店長の話をしている時の木崎は。いつも以上に可らしく見えた。

「うふふ、私応援しますよ、木崎さんの事」

「本當!」

「はい、私に出來る事ならですけど……」

そう綺凜が木崎に言った瞬間、店のカウンターで誠実が言った。

「そう言えば店長って、人とか居ないんですか?」

「あはは、恥ずかしい話しだけど、今そう言うひとは居なくてね。親からも見合いを進められて、今度の日曜日にお見合いなんだよ。ほら、臨時休業にしておいたろ?」

「そう言えばそうでしたね。俺はてっきり人でもいるのかと勝手に思ってましたよ」

「居ない居ない、僕ももう31だし、街コンとかにも行ってみようかなって」

「店長なら直ぐに彼出來ますよ」

話しは綺凜達の方にも聞こえて來ていた。

木崎は綺凜の手をガッと握り、早速相談をする。

「綺凜ちゃん……どうしよう……」

焦る木崎を見て綺凜は思わず苦笑いをする。

協力するのは今から直ぐになりそうだとじる、綺凜であった。

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