《99回告白したけどダメでした》191話
「何でも良いから、さっさとマネージャーのとこ戻れよ、探してるぞ」
「嫌よ……もう私は……アイドルなんて……」
何やら面倒臭そうな雰囲気が漂ってきた。
これは巻き込まれると、絶対に良い事なんてない。
俺の直がそう言っているような気がした。
「そうか、じゃあ俺はコレで……」
「待って下さい」
「離せ、るな、視界にるな」
「酷い! 貴方本當に私の元ファンですか!?」
「元だ、もうどうでも良い」
「酷すぎるわよ……」
「何とでも言え、俺はもうお前のファンでは無い。えっと……なんて名前だっけ?」
「本當に元ファン? 流石にそこまで言われると凹むんだけど……」
がっくりと肩を落とすゆきほちゃん。
いや、もう俺はこの子のファンでは無いのだ、確かこの子は本名で蕓能活をしていたはず。
これからは、綾清さんと呼ぼう。
「で、何ですか? 俺は忙しいんですけど?」
「え、駅ってどっちに行ったら良いの?」
「は?」
普通に道を尋ねられ、俺は予想外の問いに、変な聲を出してしまった。
「そんなのスマホで調べろよ、現代人だろ」
「スマホは……控え室に置いてきちゃって………」
「じゃあ、その控え室に戻れ」
「嫌なの! 私はもうアイドルなんて嫌なの!」
「あぁ……なんで俺、こんなの応援してたんだろ……」
俺は、現実と理想のギャップをじ、なんでこんな奴に十萬近く貢いできたのだろうと、本気でショックをけていた。
「金返せよ、お前」
「行きなりなによ、カツアゲ?」
「ちげーよ詐欺師。やめたいなら、普通にやめれば良いだろ?」
「やめさせてもらえなから、困ってるんじゃないの!」
「なんで俺にキレるんだよ……はぁ、仕方ない。俺の仲間はまだお前のファンだからな、そいつらの為に……」
「ちょっと、何スマホ取り出して電話なんて始めてるのよ」
「今からお前の事務所に連絡して、マネージャーに迎えに來てもらう」
「ちょっ! やめなさいよ!」
綾清は、慌てて俺のスマホ奪い取り、連絡を阻止する。
こっちは善意でやっていると言うのに、全くなんて奴だ。
こんな奴の事を俺は今まで追い掛けていたと思うと、本當に悲しくなって來る。
「じゃあ、どうしろって言うんだよ、マネージャーに迎えに來て貰うのが一番だろ?」
「人の話し聞いてた? 私はもうアイドルなんて嫌なの! だからマネージャーとも合わないの!」
「あぁ……マジで面倒臭いだな………俺はこんな奴に……」
「ちょっと!? 何急に泣いてるのよ!?」
「気にするな……俺は見る目がとことん無い人間だと気がついた…」
とりあえず、俺は綾清に連れられ喫茶店にる。
別に俺が行きたかった訳では無い。
綾清が無理矢理連れて來たのだ。
普通のファンなら死ぬほど嬉しい狀況なのだろうが、今の俺の気分は最悪だ。
なんで俺が、こんなところでこんな奴と……。
「あ、私イチゴパフェで」
「おい」
「何よ」
「何しれっとスイーツ頼んでんだよ、さっさと飲み飲んで帰れよ」
「お腹空いたの!」
本當にリアルのは嫌だ。
わがままで自己中、可ければなんでも許されると思っている。
本當に現実のなんてろくなもんじゃない。
「俺は帰るぞ」
「ま、まちなさいよ! まだ駅の場所教えて貰ってない!」
「地図書いてやるから……」
「それだとまた迷うかも知れないでしょ」
「だから、どうしろと?」
「案して」
「帰る」
もうこんな奴に付き合ってられるか。
俺は席を立ち、帰ろうとする。
しかし、綾清は俺が帰るのを許さず、俺の服をつかんで離さない。
「おねがいよぉ! ここら辺の地理、全然わからないんだから!!」
「そんなの俺は知らん。番にでも行け」
「その番の場所もわからないのよ」
「……ぽんこつ」
「なんか言った?」
結局俺は解放されず、道案をすることになってしまった。
別に俺も本意では無い。
不本意ではあるが、喫茶店の他のお客さんからの視線も痛かったので、仕方なく道案をすることにした。
「はぁ……なんで俺がこんな……」
「後でサインくらい書いてあげるわよ」
「あぁ、それは良いな……オークションで売れる」
「売る気なの!?」
「だって、俺は要らないし」
「だからって失禮でしょ!」
「うるさいだ……」
俺はそんな事を呟きながら、綾清を連れて駅に向かう。
「ねぇねぇ、あのカップル男よね」
「羨ましい~、男の方もかなりレベル高いわね」
二人で歩いていると、すれ違う通行人がそんな事を言ってくる。
俺にとって、こんな事は珍しくない。
毎日言われる事だ。
別に俺はナルシストでは無いが、毎日そんな事を言われるのだ、自分が不細工では無い自覚はある。
しかし、今日はいつもよりそう言う聲が多い気がする。
恐らくその理由は、隣の綾清だろう。
「なによ」
「いや、不細工だなと思って」
「毆るわよ」
「冗談」
フードを被ってはいるが、スタイルも良くても綺麗、度々フードの下から見える彼の瞳は大きく、見る人すべてのハートを奪っているようにじた。
「なぁ、聞いて良いか」
「何よ」
「なんでアイドルやめるんだ?」
俺がそう聞いたのは、単なる興味本位だった。
売り出し中とは言え、確実にファンを増やし。
CDの売り上げや、ネットでの曲のダウンロード數も悪くない。
そんなまさに今が正念場と言う時に、なんでやめるなんて言い出したのか、俺はシンプルに気になった。
「別に……元々アイドルなんて興味なかったのよ……でも、なんか流れでアイドルデビューさせられて……今までやってきたのよ。なりたかった訳でも無いのに、続く訳無いでしょ? そんな仕事」
「そうか」
「何も言わないのね」
「俺が口を出せるような事じゃない」
「まぁ、そうよね。もうファンじゃないんだもんね」
「あぁ、そうだ………だが、ファンだった時は、純粋に君を応援していた」
「それはどうも」
「あぁ、正直言うと、今日出會わなければ、一生ファンでいるつもりだった」
「イケメンのファンなんて嬉しいわね」
「本當に殘念だよ。知らない方が良いことがある世界だって知ってはいたが……はぁ……」
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