《99回告白したけどダメでした》210話
*
「あーあ、終わっちゃったね」
「夏休みももうしで終わりだし……あぁ、験勉強嫌だな……」
誠実が栞とはぐれたその頃、奈穂は友人と花火を見て帰る途中だった。
花火が終わり、奈穂達は話をしながら會場を歩いていた。
「まだ夏休みが終わったわけじゃないでしょ?」
「そうだけどさぁ~、この夏休み最後の一週間とか虛しくなるのよねぇ~、あと何日しか夏休みが無いと思うと憂鬱でさぁ~」
「あーそれわかる」
奈穂は子の友人二人と共に話しをしながら歩いていた。
男子三人はその後ろを歩いており、何やらコソコソ話しをしていた。
「おい! 何もしないまま帰りじゃねーか!!」
「関口! さっさと言っちまえよ!」
「わ、分かってるんだが……タイミングが……」
「「さっさとしろ! このヘタレ!」」
「わ、わかったよ……」
二人の友人に言われ、関口は勇気を出して奈穂に聲を掛ける。
「い、伊敷! ちょっと良いか?」
「ん? どうかしたの?」
奈穂は立ち止まり、関口の方を振り返る。
「あ、じゃあ先に行ってるね~」
「また、あとで~関口頑張れよ~」
空気を呼んだ奈穂の友人達は、ニヤニヤしながらそんな事を言って先に歩いて行った。
奈穂はこの時點で、今から関口が何を言うかが予想出來てしまった。
人通りのない場所に移し、奈穂と関口は向かい合う。
奈穂にとっては今までも何度も経験したこのイベント。
正直に言ってしまうと、答えは決まっていた。
「あ、あのさ……い、伊敷って……付き合ってるやつとか居るのか?」
「居ないけど……なんで?」
「そ、それは……」
関口は顔を真っ赤にして口ごもる。
奈穂はそんな関口を見ながら、早く言わないものかと若干イライラし始める。
別にイライラしているのは、関口のせいだけではない。
大方の理由は、誠実と栞が一緒に居るのを見てしまったからだ。
しかも、栞のあの言葉に奈穂の怒りは頂點まで來ていた。
「お、俺は……伊敷の事が……」
そう関口が言いかけた瞬間、奈穂の視界の中にとある人の姿が寫り込んだ。
「俺は伊敷の事が好きなんだ!!」
関口がそう言った瞬間、奈穂は関口では無く誠実を見ていた。
誠実は奈穂達からし離れた屋臺の裏側にいた。
しかも誠実は綺凜と一緒にいた。
関口の勇気を振り絞った告白だったが、その言葉は奈穂には屆いていなかった。
それどころか、奈穂は今関口を見てすらいない。
「えっと……い、伊敷?」
「え? あ、ごめん、なんだっけ?」
「ま、マジか……」
関口は真っ赤だった顔を元に戻し、肩をガックリと落とす。
しかし、奈穂はそんな関口の事よりも今は誠実の事が気になって仕方なかった。
「も、もう一回言うけど……俺、意識の事が好きなんだ!」
「ごめん、私そういうの興味ないから」
「即答!? 早すぎない!」
「ごめん、それと急用思い出したから、もう行くね」
「しかも帰るの!?」
奈穂は関口にそう言うと、誠実の元に向かって小走りを始めた。
関口は奈穂に一瞬で振られ、その場に膝をつく。
傍の茂みで様子を伺っていた、奈穂の他の友人達はなんとも気まずそうな顔で様子を見ていた。
*
誠実は綺凜と共に、、栞を探していた。
屋臺の通りを探したり、元來た道を探してみたりと二人であっちこっちを歩き回っていた。
「居ないね」
「どこに行ったのかしら……」
沙の姿もなかなか見つからず、二人は途方に暮れていた。
広い會場の中を誠実と綺凜は當てもなく探し回る。
そんな中、誠実はこの狀況を若干喜んでいた。
振られたとは言え、憧れの人と一緒というこの狀況を喜ばない方が無理であろう。
「向こうを探してみようか」
「そうだね……でも本當にどこに……」
綺凜はキョロキョロと周囲を見ながら、會場を歩き回る。
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