《99回告白したけどダメでした》第211話
誠実も周囲を注意深く見ながら栞を探す。
どこを見ても、栞も沙もどこにも見當たらない。
一二人はどこに行ってしまったのだろうかと考えながら誠実は綺凜と共に歩き続ける。
「山瀬さん、時間は大丈夫? けっこう時間遅いけど……」
「えぇ、大丈夫です。どうせ家には私一人ですので」
時刻は22時近かった。
夜から深夜になりつつあり、高志はし焦っていた。
遅くまで栞を一人にしておくのが心配であり、また出會った時のように、よからぬ連中に絡まれていないかが心配だった。
「……先輩」
「えっと、一つ聞いても良いですか?」
「え? 何かな?」
「誠実君は先輩の事が好きなんですか?」
「え!? と、突然何を……」
「あ、いや……一緒に花火なんて……まるで人同士みたいだなって……」
誠実はし複雑な気持ちだった。
振られた相手から、そんな事を聞かれるなんて思ってもいなかった誠実。
正直にただ遊びに來ただけだと言おうと思った誠実だったが、そこで誠実は先ほどの栞の言葉を思い出す。
『誠実君……私、貴方が好きみたいです』
その言葉を聞いてしまった誠実は気がついてしまった。
栞からそう言われた瞬間、誠実の脳裏には綺凜が寫っていた。
それで誠実は気がついた、自分はまだ綺凜の事が好きだという事に……。
だからこそ、誠実は栞の気持ちに応えることは出來ない。
「山瀬さん……俺と先輩はそういう関係じゃないよ……」
「そ、そうだったんだ……ご、ごめんね変な事を聞いて」
「いや、良いよ。それにしてもさ……山瀬さん」
「はい?」
「告白を斷るのって……大変だね」
「え、急にどうしたの?」
「いや……なんか、ここ最近さ、山瀬さんの気持ちがわかる気がするんだ……」
誠実はどこか寂しそうな表で空を見ながら、綺凜にそう言う。
そんな誠実の言葉に、綺凜のもなんだか痛くなった。
綺凜にしつこく告白してきた誠実は、告白を斷られることの辛さは嫌というほどわかってはいた。
しかし、誠実は最近になってようやく気がつた。
好意を向けてくれた相手の好意を真っ向から否定することの辛さを……。
だから、誠実は今頃になって反省していた。
あれだけの告白を綺凜にしていた事を……。
「やめよう……ごめん、変な話だったね」
「ううん、大丈夫。早く二人を探そう」
「………そうだね」
誠実と綺凜はそう言うと、再び二人は栞と沙を探し始めた。
*
「栞先輩って、お金持ちなんですよね? だったらお連れさんを探してもらえないんですか?」
「多分、今頃眼になって探してるわ……」
「なんで眼で?」
「々ありまして……」
栞と沙は誠実達とは反対側の出口に居た。
出口に居れば、いつかやって來るのではないかと思ってのことだが、なかなか二人は現れない。
栞の家の執事である義雄も會場を探しているようなのでが、いまだに連絡が無い。
「栞先輩は誰とお祭りに?」
「えっと……お友達ですかね」
「本當ですかぁ~? もしかして彼氏とかぁ?」
「ち、違いますよ。本當にただのお友達です……まだ」
「え、まだ!? まだって言いましたよね!? ってことは、もしかして……」
「………消して誠実君ではありませんよ?」
「じゃあ何なんですかその間は!!」
「き、気のせいですよ……」
「噓だ! やっぱり誠実君と來てるんだ! ズルいです! 私も誠実君と一緒が良かった!!」
「み、沙さんはこの前海に一緒に行ってきたんでしょ!? これくらい良いじゃないですか!」
「二人っきりじゃないですもん! それに振られましたもん!」
「え……振られたんですか?」
沙の放った一言に、栞は開いた口が塞がらなかった。
振られたのに、この子はなぜこんなに明るいのだろう?
先ほど告白し、まだ返事を聞いていない栞は不安だった。
斷られたら、今後も友人として接してくれるのだろうか?
もちろん栞は、誠実が自分を振っても仲良くしてくれる人だと信じていた。
しかし、やっぱり怖い。
売れ殘り同士、結婚します!
高校の卒業式の日、売り言葉に買い言葉でとある約束をした。 それは、三十歳になってもお互いフリーだったら、売れ殘り同士結婚すること。 あんなのただの口約束で、まさか本気だなんて思っていなかったのに。 十二年後。三十歳を迎えた私が再會した彼は。 「あの時の約束、実現してみねぇ?」 ──そう言って、私にキスをした。
8 171【コミカライズ】寵愛紳士 ~今夜、獻身的なエリート上司に迫られる~
「俺に下心がないと思う?」 美しい素顔を隠して地味OLに徹している雪乃は、過去のトラウマのせいで暗闇と男性が大の苦手。 ある日、停電した電車內でパニックになったところを噂のエリート上司・晴久に助けられる。 彼はその夜帰れなくなった雪乃を自宅に泊めても手を出さないほど、紳士的な男。 彼にだけ心を許し、徐々に近づいていく距離。 しかし、あるときーーー 素顔を隠した秘密のオフィスラブ。惹かれ合うふたりは、やがて甘い夜に溺れていく──
8 133感じるのは快楽だけ
拘束、目隠しされ、恐怖を感じていたはずなのに、だんだんと違う感覚を感じてしまう。 BLです。 ご理解頂ける方のみお読みください。 一話だけの短編の予定だったのですが書けるだけ書いてみることにしました。よろしければ見守っていてくれると嬉しいです。 何かご要望がございましたらコメントにてお知らせください。
8 50部活の後輩と付き合ってみた
部活の先輩である僕と同じ部活の後輩が 付き合う事になった。 日々テンション高めで甘えてくる時はかなり 甘えてくる後輩と お人好し過ぎて周りに心配されている僕との いちゃいちゃ話。 そしてそれを見ている周りの人達との日常を 描くラブコメ 「センパイ!これで私たちのイチャイチャを 見せつけてやりましょう!」 「君は1度落ち著こうか?」 果たしてどうなるのやら?
8 70婚約破棄から1年後・・・・・・
1年前に婚約者だった當時の王太子から婚約破棄され、更に実家から勘當、追い出された『エミーナ・レオハルト』、今は王都にある小さな雑貨店を営んでいて、それなりに幸せに暮らしている。そんなある日、突然、王太子の取り巻きだった兄がやってきて・・・・・・。
8 138悪役令嬢は斷罪され禿げた青年伯爵に嫁ぎました。
斷罪され、剝げた旦那様と結婚しました。--- 悪役令嬢?であるセシリア・ミキャエラ・チェスタートン侯爵令嬢は第一王子に好いた男爵令嬢を虐めたとか言われて斷罪されあげく禿げたローレンス・アラスター・ファーニヴァル伯爵と結婚することになってしまった。 花嫁衣裝を著て伯爵家に向かったセシリアだが……どうなる結婚生活!!?
8 101