《みんなは天才になりたいですか?僕は普通でいいです》35.一緒に帰ろう
「より、今日は久しぶりに一緒にかえろっか〜」
「うん……」
花ちゃんとは家の方向が一緒だけど、高校にってからはお互い同級生と下校していたので、一緒に帰る機會は殆ど無かった。いきなり泣き出した私を心配してくれたんだろう。
「さっきはごめんね〜。泣かせるつもりは無かったんだけどさ〜」
制服に著替えて帰り支度を済ませた私たちは部室を後にして、校門に向かって歩いていた。
ザッザッと歩く度に校庭の砂が鳴く。あたりはいつの間にか暗くなっていた。日が短くなったなあ、なんてさっきまで泣いていたのに、そんな呑気なことを考えている自分がし可笑しく思えた。
「ううん。私の方こそごめん。なんか、急に寂しくなっちゃった」
「よりはせっかちだな〜。まだ大會が始まってもないのに〜。どうかしてるぜ〜」
私は花ちゃんのこういうところが大好きだ。普段はふわふわしていて何も考えてなさそうにみえるんだけど、そもそも練習終わりにストレッチにったのも、私の心が不安定になっていることに気づいていたからなんだろう。
「花ちゃんにはやっぱり敵わないなあ」
「よりは々考え過ぎなんだよ。人生なるようにしかならないんだからさ、もっと気楽に行こうよ〜」
にこにこと笑いながらそう言ってくれる花ちゃんを見ているだけで、し気分が癒された気がした。
「花ちゃんは考えなさ過ぎな気もするけど、そうだね。今落ち込んでたってしょうがないもんね」
「え〜、失禮しちゃうな〜」
「あーあ。花ちゃんだけでも留年してくれたら一緒にバスケ出來るのになー」
「あはは〜、ないない。うち、績學年3位だよ〜」
そうだった。花ちゃんめっちゃ頭良いんだった。下から三番目でしょーって言いたくなる雰囲気だけど、本當に頭良いんだよね。
「花ちゃんっていつ勉強してるの?私、家に帰ったら部活の疲れで勉強どころじゃないんだけど……」
「授業聞いてたら解るから家で勉強はしないなぁ〜。みんな家で勉強するの〜?」
「……」 
なに、この人。ハイスペック過ぎるんだけど。
「家で勉強しないって、宿題とかはどうするの?」
「宿題はやらな〜い」
「まじで?  先生に怒られないの?」
「始めは怒られてたけどね〜。今は何も言われなくなったん〜。継続は力なりってじかな〜?」
「それ、たぶん違う……」
先生に諦められている。あれ? なんか似たような話がし前にもあった様な。
「うち、思うんだよね。授業中に居眠りさえしなかったら、たぶん學年一位になれるんだろうな〜って」
「なんか段々腹立ってきた!  世の中不公平だー!!」
「あはは〜。やっといつものよりに戻った〜」
「なに?!  いつも怒ってるって言いたいのー?」
「きゃ〜、許して〜。あははは〜」
私をめるために々と気を遣わせてしまったみたいだね。ごめんね。花ちゃんの優しさをじる度に、余計に寂しくなってしまうんだけど、でも、今はそんな事を言っててもしょうがない。
花ちゃんを見習って前向きに頑張ってみようと、自分の心の中で誓いを立てた。
「よーし、やるぞ!  花ちゃん、見ててよねっ!  って、あれ?」
校門を出て帰路に著いた私達だけど、さっきまで隣を歩いていた花ちゃんの姿が忽然と消えていた。
「花ちゃん?  ……どこ行ったんだろ」
來た道を引き返しながら、あたりを探す。まさか、迷子?
「まさかね……」
あたりの暗さも相まって、通い慣れたいつもの道が、し不気味にじられ……る暇もなくまんを頬張る花ちゃんの姿を見つけてガクッと肩を落とした。
「もー、コンビニるなら一聲かけてよね」
「よりも食べる〜?  おいしぃ……むぐむぐ……よ?」
全く、本當にマイペースな先輩だ。笑っちゃうよ。この後、結局私もピザまんを買って、二人で仲良く食べながら帰宅したのだった。
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