《みんなは天才になりたいですか?僕は普通でいいです》40.ディレイオフェンスは作戦としてありなのか? と弓月は考える
「弓月ー。遅ーい!  もう試合始まっちゃうよ!」
「ごめーん!  はぁはぁ……な、なんとか間に合った」
「ほんと、弓月はのんびりしてるよねー」
「ま、間に合えばオールオッケーだよ……ふぅ」
三年生最後の地區大會。私たちの高校は二回戦で負けてしまった。部活は引退したんだけど、一番仲の良かったチームメイトと試合を観に行こうという話になった。
部活を引退するというのは、自分が思っていたよりも、案外寂しいものではなく、終わってみれば意外な程あっさりしたものだった。
チームメイトと抱き合って泣いたりだとか、顧問の先生から的な言葉を贈られたりだとか、そんな素敵な言葉をプレゼントしてくれた先生を上げしたりだとか…漫畫みたいなドラマチックな展開は私たちの部活には皆無だった。
後輩のみんなから寄せ書きの紙を貰ったのは結構嬉しかったんだけどね。
引退してまで試合を観に來ているのは、やっぱりバスケが好きって言うのが8割、後の2割は高橋さんに會えるかなって思ったからなんだよね。……本當は半々くらいかもだけど、それは緒ね。
高橋さんの高校は強いから、決勝戦まで負けることはまずない。まあ、決勝戦ですら負ける気はしないんだけど、でもそこは高校生の試合だから何が起きるかわからない。
前の大會では全く目立たなかった人が、別人の様に長してチームの力を大幅に底上げするなんて事も実際珍しくない。それにあってはいけない事だけど、主力選手が怪我をしてしまう事だってある。そうなれば、當然控えの選手がメインで試合に出ることになる。
プロスポーツ選手の様に、各ポジションにスペシャリストが何人も控えているわけではない。チームによっては、唯一のセンターが怪我で試合に出れない……なんて事もあるわけで、そうなればそのを埋めるのは非常に難しい。
だから、番狂わせがないとは言え、絶対に勝てるなんて保証は誰にも、どこにも無いのだ。それにしても地區大會とはいえ決勝戦ともなれば凄い熱気だ。観客も多い。
隣のコートでは男子の決勝戦が行われていている。私はこの大會の雰囲気が大好きだ。
コートとバッシュのソールがるキュッという音。審判の吹くキレの良い笛の音。メガホンでガンガンと手摺を叩いて仲間を鼓舞する部員や保護者達。木造の育館と選手達の汗が混じった獨特な匂い。
全てが青春そのものだ。自分の試合でもないのに何故かの鼓が早くなる。
決勝戦で高橋さんのチームが相手にするのはスター選手と呼べる人は居ないけど、堅実なディフェンスと確実なオフェンスでここまで勝ち上がってきたチームだ。
そして最大の特徴はディレイオフェンスを採用している點だ。速攻主のチームが殆どの現代バスケの中、これはかなり珍しい。
バスケットボールには24秒ルールというものが存在する。一方のチームがオフェンスを開始したら、24秒以にシュートを打たなければ反則となり、相手チームのボールからリスタートになる。
ちなみに、ただシュートを放てば良いのではなく、ボールがリングに當たらないと24秒はリセットされない。これは、例えばリードしているチームがボールをいつまでも保持して試合終了まで時間を稼ぐのを防止するためのルールだ。そんなことをされてはゲームとして面白みが欠けるどころか興ざめだ。
バスケットは紳士のスポーツとされ基本的にの接を止されている。近年ではポジションの取り合い等でをぶつけ合うのは[アリ]のケースが殆どだけど、流石にボールを保持している選手にぶつかりに行ったら大抵の場合はファールを取られてしまう。相手のにれることなく手で扱っているボールを奪うことは容易ではない。だからこそ24秒ルールがないとゲームが立しない可能すらあるのだ。
更に24秒ルールがあることで試合にスピードがでて迫力が増す。え?  そんな事どうでもいいって?  いやいや、結構大事なんだよ。だってバスケにはハーフライン、えっと……コートの真ん中にある線をオフェンスがいで相手陣地にったら、そのオフェンスが終わるまで自分達の陣地にはボールを戻せないんだ。バックパスという反則になってこれまた相手ボールからのリスタートになる。
更に更に、自分たちの陣地から相手の陣地へはボールを保持した瞬間から8秒以にボールを運ばなければいけない。いつまでも自陣でボールを保持してコートを広く使っての時間稼ぎを出來なくてするためのルールだ。
もうついでだから言っちゃうけど、昔はバスケの試合の時間は前半、後半に分けられていて今でいう24秒ルールは30秒ルールだったんだよ。例えば前半15分、後半15分、ハーフタイム10分とかそんなじ。
それが今はクオーター制が採用されて、高校生の地區大會なんかでは8分×4クオーターで合間の休憩は2分の場合が多い。まあ、ハーフタイムは今でもあるんだけど。
同じ約30分でも區切りを増やす事でゲームにハリとスピードがでるんだ。そのおかげかどうかは分からないけど、バスケは1試合で100點以上ポイントがる事も珍しくない。
攻守が目まぐるしく変わり、ガンガン點がるのがバスケの醍醐味であり、観戦する人の楽しみでもある。観る人を楽しませるのがスポーツマンでしょ? その為にスピードってかなり重要になるって事だよ。
かなり話が逸れちゃったんだけど、ディレイオフェンスって言うのは、24秒ギリギリ使ってわざと遅く攻めるオフェンスの事だ。さっき私が言っていた事の真逆の事をするわけだね。でも、それでなぜ勝てるのか?  って疑問を持つ人もいると思う。
この作戦はゆっくり攻めて攻撃回數を敢えて減らす事で、自分達より能力の高いチームとも対等に戦えるようになるってとこが肝になる。
速攻が増えれば足の速いチームや力のあるチームが有利になる。
更に攻撃回數が増えると言うことはリバウンドをする回數が必然的に増える事になる。そうなれば背の高いチームやジャンプ力のあるチームが有利になる。そういったウィークポイントでの勝負を極力避けて、相手にフラストレーションを溜めさせ、自分達のペースに巻き込むことで、格上の相手にも勝利出來る可能をめた戦略がディレイオフェンスだ。
まあ、勿論メリットばかりではなくデメリットも沢山あるんだけど、まずは相手チームがどんなゲームを展開するのかを純粋に楽しもうと思う。
さあ、決勝戦が始まるよ!!
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