「彌もうすぐ夏休みだね 」

電話越しで、早川がそう言った。

由香里の告白から１週間が過ぎようとしていたが由香里は、諦めたように涙を見せずに帰って行った。

それがどうしても気がかりだ。

「……聞いてる彌？」

「あ、うんそだね。夏休みどうするの？ 」

「花火大會は、行くでしょ。それにちょくちょくデートするとか 」

「あ、えっと花火大會は、良いんだけどその、バイトあるからあまり遊べないというかまぁ日が空いた時にでもデートしようかなと 」

様子を伺うように発言をした。

バイトしていることは、一応伝えているのだがシフト表が來ないし夏休みということでバイトして、金でも集めたらいいかなと思っていた。

しかし、デートする日がほぼない狀態になる。

「そっかバイトか。私もしようかな。あれでしょ學校終わったあとにやってるんでしょ？ 」

「 ま、まぁね」

「 じゃあ私もバイトして金貯めようかな……どこがいいと思う？」

「うん〜。バイトか。俺がやってるのは壽司屋のバイトだけど。早川さんは…… 」

「 彌なんか変なこと考えてない？」

「へ、へ、変なこととは？ 」

彌

別に考えてないことは……ある。

メイドとかだったらいいなぁ。

「彌……彌……彌！ 」

「 ご、ごめん何？」

「全くもぉ。バイトのことは考えとくね。それより一學期の績私ヤバそうなんだけど 」

「早川さんなら大丈夫だよ。でも心配なのは、こっちの方だから 」

「そっかバイトの前に期末テストあるよ 」

「そうだった。あと2週間後だよね。勉強しとかないとやばいな 」

「そーだね。今度勉強會しない？ 」

「 うん」

今回のテスト範囲は、一學期まとめなどでかなり多い。

「 じゃあもう10時だし寢るね。おやすみ」

「おやすみ 」

電話切って彌も寢ることにした。

目が覚めるとやけに重い。

布団だけが彌の上にあり布団なんて軽いのに何故かやたら重い。

彌

なんでこんなに重いんだよ。

布団をどかすとパジャマ姿の妹が上に乗っていた。

妹のパジャマは、ピンクで桃の髪が背中まであり、うずくまった狀態で、彌の上に乗っていた。

「理穂なんで布団の上にいるんだよ。自分の部屋で寢なさい 」

「だってにぃにぃと寢ないと怖いんだもん 」

なんて可いこと。

妹の名前は、理穂だ。

そんな妹を起こそうとした時コンコンとドアを叩かれた。

「っていいよ 」

すると、ドアが開きもう1人の妹がってきた。

水の髪が肩にかかっており理穂に比べて短い。

それに制服を著て學校に行く準備をしていた。

「お兄ちゃん私部活あるから。土曜日だからってぐうたらしないようにね。それにりーちゃんダメでしょお兄ちゃんの布団ったら。今度からお姉ちゃんと寢る事ねお母さん遅いから 」

「いやだ。にぃにぃとねる 」

彌のベットにしがみつき離れようとしない理穂。

「理穂お姉ちゃんの言うこと聞かないとダメだぞ 」

頭をでながら理穂を抱き抱えもう1人の妹の(めい)にゆっくりと手を離しながらが抱き抱えた。

「じゃあお兄ちゃん行ってくるね。ご飯なら下にお味噌とご飯があるからね 」

「おう、ありがとう 」

理穂を抱き抱えながら2階に降りていった。

「さてと、勉強でもしないとな…… 」

そう言いながらついつい橫になってしまう。

すると、電話が掛かってきた。スマホを見ると早川からの電話だった。

電話に出た。

「ねぇ彌今日勉強會しない？彌の家大丈夫？」

「えっ？きょ、今日？別に家はいいけど今9時だから11時ぐらいに來てくれればいいかな 」

「分かった。勉強道持ってくね 」

電話を切った。

彌

ど、ど、どうしよう家に來るって。

き、著替えないと。

最初にご飯を食べてから部屋を片付けを始めた。

11時にしたのも片付けをしたいからだ。

隅々まで片ずけるといろんなゴミなど出てきてやっぱり11時に來てくれるように行ってよかった。

2階の自分の部屋も掃除をして、気づいたら10時が過ぎていた。

彌

いや、汚すぎだろ。

「にぃにぃ何してるの？ 」

「あぁいや、掃除してたんだけど……起こした？ 」

「うんん。にぃにぃなんでそうじしてるの？ 」

「 今からちょっと人が來るから。理穂まだ寢てていいぞ」

「ごはんたべたらまたねる。でもにぃにぃとねたい 」

「理穂も小3なんだから一人で寢るようにしないとね 」

「 にぃにぃ、ねぇねぇは？ 」

「まぁ外に運しに行ったけど。理穂何かアニメでも見る？ 」

「 うん」

彌

なんて満面な笑顔だ妹ながら可すぎる。

と、ベルが鳴る。

時間を見ると11時になる寸前だった。きっと早川だ。

玄関に向かいドアを開けると早川が立っており白い半袖に青いスカートをして、黒帽子をしていた。

なんというか夏にピッタリの服裝だった。

「 早川さんって。あ、でも妹いるから。ごめんね」

「 彌って妹いたんだ」

「 2人いるよ」

家にり綺麗に靴をそろえリビングにっていく。

妹がアニメを真剣に見ていた。

「 彌妹さん可いね」

早川が直ぐに食いつく。

彌は、隣でアハハと苦笑いをしながら早川を座らせる。

臺所に行ってが作った味噌を溫めていた。

「 待ってて早川さん。妹ご飯食べてないからそれからでいいかな？」

「うんいいよ 」

一応返事をしてくれたものの理穂に興味津々だった。アニメを見ていた理穂は、早川に気づきしばかり引いていた。

「ねぇ彌妹さん名前は？何年生？ 」

「理穂って言うんだ。小3だよ 」

「 もう一人いるんだよね？」

「 う、うん。中3なんだけどね。って言うんだけど今は、部活に行ってるから」

「 なるほどね。可い」

ぐいぐい行く早川に圧倒されながら理穂は、彌のところまで逃げた。

そして、彌のズボンを引っ張り質問してきた。

「にぃにぃこの人誰？ 」

「まぁえっと、學校の人かな。早川千遙さん。えっと、早川さんなんて呼んでしいかな？ 」

「う〜んお姉ちゃんかな 」

「それは無理かも。のことしかねぇねぇって呼ばないんだ 」

困ったように早川は、悩んでいるポーズを取り何かピーンと來たのか満面な笑顔をしていた。

「 ちーちゃんってどう？」

「理穂あっちにいるお姉ちゃんのことちーちゃんって呼んでくれるかな？ 」

「 ちーちゃん？」

彌

やばいやばい可い妹ラブとか気持ち悪いな。

お味噌も出來上がりご飯を食べさせ彌と早川は、勉強の準備をし始めた。

「が途中で帰ってくるかもしれないけど気にしなくていいからね 」

「うん 」

彌

どうしてだろう。早川さん理穂のことばかりでこっちの話聞いてないような。

まぁそんなこんなで、勉強會が始まる。