《代わり婚約者は生真面目社長に甘くされる》32 悠馬side
翌日。
取引先との話を終えてそのまま応接室で遅い晝食を摂っていた。
書の東なら他にらすこともないだろうと昨日の彼との會話をかいつまんで話す。
「――ということがあってだな」
「晝飯の時に晝ドラのような案件を持ち出してくるんじゃねえ!」
何故か怒られた。カルシウムが足りないんだと思う。
「やっぱりいい加減婚約者さんが何者か知るべきだと思うんだよ。このまま後手になってもいいことはないぞ」
「やっぱりそう思うか」
「それに……一番、婚約者さんが可哀想だ。本條家に振り回されている犠牲者はお前と彼だし。泣き寢りはしたくないだろ?」
「ああ。あちらの権利を奪う気はないが、対等な関係にはしたい」
「そりゃあな……。婚約者の代理を寄越されている現狀、舐められているからな」
たこさんウィンナーがっていた。かわいい人だ。
卵巻きは得意だそうで、今回のも綺麗に巻かれていた。たまにのりもっている。
「意趣返しでこちらも探偵を雇うとかどうだ。おれの親戚が探偵なんだ、紹介するぞ」
「雇ったところで何を調査してもらえばいいんだ」
「うーん……。そうだ、本の『本條つばき』を調査してもらえばいいんじゃないか? 気になるだろう」
「ああ、それならこちらの疑問解消も相手への渉のカードも同時に手にれられるな」
ただ、本が病弱で出てこれずに代わりを出した――という理由だったとしたら怒ることができない。それなら代わりを出さないで説明してくるか。
「提案しておいてなんだが、いいのか? 婚約者さんのことを無理やり知りたくはないんだろう?」
「彼自については彼の言葉を待つよ。ただ、のんびりもしてられなくなってきた。これ以上本條家が俺と彼の関係に口を出してくるなら黙ってはいられない」
「おお……。自分のデザインをパクられた時ぐらい怒ってるな……」
當然だ。彼を泣かせた罪は盜作と同じぐらい重い。
「仕事に支障は出さないからその點は安心してくれ」
「真面目だな……本當にお前は。なんかあったら言ってくれ、解決は出來なくても吐き出すことで落ち著くこともあるだろう」
「そうだな、助かる」
彼は――誰かに吐きだせているのだろうか。
代わりという立場上、他言無用かもしれない。
ずっとひとりで抱えてきたのなら……どれほどの苦痛だったことだろう。
々アプローチは強引だったが、早めに彼のことを知ることが出來て良かった。
「話は変わるが、來月辺りに海外出張があるかもしれない」
「ふわふわとした計畫を語るな。え? 婚約者さんと?」
「いや……。それは當分先だろうな、この様子だと」
「肩を落とすなよ……。どうにかなるって……」
東がとても心配そうにめてきた。
そんなにか。
「父親がドイツのデザイナーに會いに行くことになっていたんだが、最近調子が悪そうなんだ。もし調を崩したら代わりに行ってくれないかと頼まれた」
俺としても海外のデザイナーに會うことはいい刺激になる。つながりを増やしていくことも重要だ。
「大丈夫なのかよ、會長」
「梅雨の時期でもあるしな。すぐに死ぬじではないからあまり心配しなくてもいい」
むしろ普段は元気すぎる。もうし大人しくしておけばいいものを。
「無理はさせたくない。スケジュール調整しておいてくれないか」
「分かった。パスポートはまだ切れていないよな?」
「ああ」
來月何があったかなと呟きながら東はたこ焼きを食べた。
ところで弁當にたこ焼きがっているのはポピュラーなんだろうか。付き合っている彼に作ってもらったようなので彼がたこ焼き好きなのかもしれない。知らないが。
「しかし、香月も変わったな」
「ん?」
「ちゃんと食事を摂るようになったし、プライベートも楽しめているようだし」
俺が人間ではないみたいな言い方をしなくてもいいではないか。
「なにより表がらかくなった」
「そんなに怖い顔していたか?」
「怖いとかではなくて、固かったんだよ。だけど最近はらかくなったって社でも評判だぞ、言われなかったか?」
「いや……?」
今日も元気そうですね! とはよく言われるようになったが。
「婚約者さんのこと、おれはまだちゃんと信用はしていないが――お前を幸せにできているのはなんとなく分かる」
「幸せそうに見えるか」
「幸せではないのか」
「幸せだな」
「うるせえ」
なんでか怒られた。
晝食を終えて立ち上がる。午後からは來客二件か。
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