《冷たい部長の甘い素顔【完】》第24話 綺麗だな
19時。
私たちは一昨日の複合ビルの一階で待ち合わせる。
私がエレベーターホールに行くと、部長はもうそこで待っていた。
「お待たせしました」
と私が言うと、部長はふっとらかい笑みを浮かべる。
「いや、大して待ってない」
そう言うと、部長は、一昨日と同じように、私の腰に手を添えて、エレベーターに乗り込む。
私は、いきなり心臓が跳ね上がる。
なんで?
距離、おかしいよね!?
ドキドキが止まらない。
私はもう、なんだか恥ずかしくて、顔を上げられず、私はエレベーターが最上階に著くまでずっと俯いていた。
店にると、今日は、一昨日より、左寄りの席に案された。
「綺麗……」
私は、席に座るなり、頬杖をついて、窓の外を眺める。
けれど、ふと、視線をじて隣を見ると、部長は、無言で私を見つめていた。
「どうしたんですか?」
私が聞くと、
「綺麗だな…と思って」
と部長が答える。
見つめられながら、そんな事を言われると、思わず自分の事を褒められたと勘違いしそうになる。
「そうですね」
私は、勘違いしないように自制しながら、視線を夜景に戻す。
「くくっ」
隣から、笑い聲が聞こえて、視線を向けると、部長がこちらを見て笑っている。
「それ、わざと?」
部長が尋ねる。
「えっ、何がですか?」
わざとってどういうこと?
「爽のそれは、ほんとに鈍いの? それとも、鈍いフリ?」
部長は、頬杖を突き、首を傾げてこちらを見る。
「は?」
意味が分からない。
「まぁ、いい。
とことん、付き合うよ」
とことんってどういうこと?
「何の事ですか?」
私が尋ねても、
「自分で気付け」
と教えてはくれない。
なんで?
教えてくれてもいいと思うんだけど。
「爽は、今日も、モスコミュール?」
部長は、ドリンクメニューを手に尋ねる。
「はい」
私が答えると、部長は2人分のドリンクをオーダーしてくれる。
私たちは、並んで夜景を見ながら、お酒をゆっくりと楽しんだ。
部長の隣にいると、心臓がうるさくて落ち著かないのに、なぜか居心地がいい。
3杯目のカクテルがなくなる頃、私はここ2日程の寢不足がたたって、眠くなってきた。
「ふわぁぁぁ…」
思わず、あくびをすると、部長が不思議そうに見ている。
「眠いのか?」
「すみません。最近、ちょっと寢不足で……」
私が答えると、部長は、でるように私の頭にれ、そのまま自分のに抱き寄せた。
えっ、何これ!?
どうしよう。
「寢てもいいぞ」
そんなことを言われても、この勢じゃあ……
そんな風に思ってたのに、部長のは、なんだか心地いい。
私は、その心地よさに負けて、つい部長に寄り掛かってしまった。
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