《【完結】苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族~》最終章 社長、婚約者、結婚!?(5)代わりにされるのは嫌
「日本の夏は本當に暑いわね。
まいっちゃう」
咲夜子さんの聲だけが食卓に響く。
私も無言ならば仁も無言。
もう何度、こんな食事を繰り返しただろう。
でも、會社の休みは明後日で終わる。
咲夜子さんは翌週日曜までいるらしいが、それでも晝間は仕事なだけましになる。
「……」
テーブルの上にはトマトとモッツァレラチーズのカプレーゼにビシソワーズ、それにシーフードパスタとグリルビーフといった、レストラン顔負けのメニューがのっていた。
作ったのは私じゃなくて咲夜子さん。
置いてもらう禮に食事は擔當するわ、って。
社長にふさわしい食卓というのは、こういうのをいうのだろう。
いつもの、私が作っている地味な食事じゃなく。
ただ、グリルビーフの付け合わせに仁の嫌いな人參が付いているのが気になるが。
「わざわざ帰ってきてあげたのに、仁はほとんど相手にしてくれないし」
この一週間、二、三度、咲夜子さんの用に付き合って仁とふたりで出かけたことはあったが、あとはふたりとも家にいた。
咲夜子さんはリビングで映畫を観たりしていたようだが、仁に至っては彼を放って書斎に籠もりっぱなし。
彼らしいといえばそうだけど。
私はといえば仁とも咲夜子さんとも顔をあわせたくなくて、食事以外は部屋に籠もっていた。
「行きたいところがあるなら言えばいい」
仁のフォークがグリル人參を刺し、ぱくりと口にれられた。
「あら。
そこは男がエスコートするものでしょ」
何事もなかったかのように人參を飲み込み、仁は食事を続けている。
私にはあんなに、文句を言うのに。
やはり好きな人が作ったものなら食べられるんだろう。
「まあいいわ。
明日はプールに行きたいわ。
もちろん、付き合ってくれるわよね、仁」
髪からのぞく、咲夜子さんの耳に著いているイヤリングには見覚えがあった。
――私が仁からプレゼントされたものと全く同じだから。
昨日著けていたネックレスも、一昨日のブローチもそうだった。
「わかった。
涼夏もよかったら……」
「行きません」
仁が言い終わらないうちにぴしゃりと拒絶する。
そうやってってくる神経がわからない。
「あら。
私はかまわないわよ。
義妹とも仲良くすべきだし。
そうだわ、明日は一緒にショッピングに行きましょう?
仁は荷持ちね」
「……わかった」
私はいいともなんとも言っていないのに、予定は勝手に変更され、決定された。
「……ごちそうさまでした」
まだ殘っていたが、フォークを置いて立ち上がる。
「お口に合わなかったかしら?」
「いえ。
味しかったです。
でも、夏バテなのか、食があまりなくて……すみません」
曖昧に笑ってそそくさと自分の部屋に逃げ込んだ。
もう嫌だ、仁と咲夜子さんが一緒にいるのを見せつけられるのは。
だってきっと、仁はいままで私を咲夜子さんの代わりにしていたに違いない。
だからあんな甘い顔をして、同じアクセサリーをプレゼントした。
いまだに説明のないあのキスだって、きっと間違えて。
「……出ていく」
スーツケースを取り出し、必要最低限の荷を詰め込む。
殘りの荷は落ち著いてから、仁のいない時間に取りに來ればいい。
荷造りが済んで、クローゼットにしまい込んでいたアクセサリーを全部出した。
それを手に、仁の部屋へ向かう。
――コンコン。
「はい」
ノックしたら、すぐに中から返事があった。
「ちょっといいですか」
今度は返事がない。
どうしようか迷っているうちにドアが開いた。
「どうした?」
私を見下ろす仁の顔は、あきらかに私を心配している。
「顔がよくない。
さっきも夏バテだとか……」
私が妹だから心配してくれているのはわかっている。
でもそれが、無神経にじられて仕方ない。
「これ、お返しします」
抱えてきた小箱を全部、仁に押しつけた。
「涼夏?」
困している仁の聲。
迷うのが怖いから、顔なんて上げられない。
「これは本來、私がもらうべきものじゃないから」
「なにを言っているんだ?」
け取らない仁に、さらにそれらを押しつけた。
「ここを、出ていきます。
ここは私が、いるべきところじゃないから」
「さっきからなにを言っているんだ?」
仁はしも、私の気持ちを理解してくれない。
當たり前だ、一言も言っていないんだから。
だからこれは八つ當たりだってわかっている。
でもなにもわかってくれない仁にイラついた。
「私は仁の妹でかまわない!
けど咲夜子さんの代わりにはされたくない!」
「涼夏?」
私にれようとする仁の手を、思いっきり振り払う。
かつん、かつん、と箱が落ちて床に當たる音が響いた。
「出ていくから。
いますぐ」
出てきそうな涙をぐいっと力強く拭い、仁の部屋をあとにしようとする。
けれど腕を摑んで止められた。
「離し……!」
「僕が出ていく」
私の脇をすり抜け、仁が部屋を出ていく。
なにが起こっているのか狀況が理解できない。
玄関の閉まる音でようやく、我に返った。
「仁、待って……!」
慌てて玄関へ行ったって、もう仁の姿はない。
エレベーターは降下していっている。
非常階段を一気に地下まで駆け下りた。
しかし私が到著したとき、仁の車は駐車場を出ていった。
「なにやってんの?」
仕方なく部屋に戻ってくると、玄関に咲夜子さんが立っていた。
「なにって……」
どうして私が出ていくつもりだったのに、仁が出ていくんだろう。
私にだってわからない。
「……はぁーっ」
ため息をついた咲夜子さんが、私の目をゴシゴシとってきた。
「せっかくの可い顔が臺無しよ。
今日はお風呂にってもう寢ちゃいなさい。
明日は予定どおり、ショッピングに行くんだから」
こんなときにマイペースな彼が、反対にうらやましい。
「そう、ですね……」
いまの私にできることなんてなにも思いつかない。
彼の言うとおり、さっさと寢てしまった方がいいのかもしれない。
お風呂にって一応、仁の攜帯に電話してみたが出なかった。
LINEも既読にならない。
持って出ていない可能も考えられるが、それほど怒らせたのかと、さらに私を落ち込ませた。
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