《【完結】苦手な冷徹専務が義兄になったかと思ったら極あま顔で迫ってくるんですが、なんででしょう?~偽家族~》最終章 社長、婚約者、結婚!?(9)家族になりたい
秋晴れのその日は母と巌さん――それに私たちの結婚式だった。
「有希、綺麗だ」
「もう、あなたったら……」
ふたりは完全に自分たちの世界にっていて……見ていられない。
「綺麗だ、涼夏。
このまま誰にも見せずに閉じ込めてしまおう」
「えっ、仁!?」
「冗談だ」
仁は眼鏡を上げているけど、いまかなり本気でしたよね!?
「おうおう、ふたりの世界にっちゃって、見ていられねー」
仁と同時に見た方向には千里部長――専務が立っていた。
彼も仁が社長に就任すると同時に専務に昇格。
いまは完全に仁の右腕として働いている。
専務の肩書きが著いたから、玉砕覚悟でアタックしてくる! とどこぞのお嬢様に際を申し込みに行ったらうまくいき、現在はお付き合い中だ。
「はしゃぎたい気持ちはわかるが、抑えてくれよ?
明日の披宴もあるんだし」
「そうだな」
仁が至極真面目に頷く。
今日は親しい人だけの、こぢんまりとした式とパーティで、明日は會社関係の人を集めた大々的な披宴をおこなうことになっていた。
母たちは巌さんが會長でさらに再婚なのでささやかな式でいいが、私たちはちゃんとお披目しないとダメだって。
ちょっと明日が憂鬱。
でも今日はちゃんと楽しめそうだから、こんな機會を作ってくれた母には謝したい。
「でもよかったな、仁。
三ツ森を嫁にできて。
あのとき、どうしよう、三ツ森さんが妹になるんだって死にそうな顔していたもんな」
「バ、バカ、彪……!」
仁が焦って千里専務の口を塞ごうとする。
けれどそれをするりとわし、彼は話を続けた。
「こいつ、三ツ森に叱られて惚れたんだとよ。
ドMかってーの」
「叱られて……?」
とは、あれしかないわけで。
「……涼夏は僕の目を真っ直ぐに見て、恐れずに叱ってくれたからな。
しかも、人のために。
その強さと優しさに惚れたんだ」
くいっ、と仁が眼鏡を上げる。
ああ、この人はこんなにも――。
時間になり、母とふたりで扉の前に並んで待つ。
「母さん、私ね。
母さんたちが離婚したとき、ああなりたくないから絶対、結婚もすらしないって誓ってた」
母からの返事はない。
私も真っ直ぐに前を見たまま、先を続ける。
「でも仁に會って、仁を好きになった。
仁は絶対に、私以外の人のものにはならないって誓ってくれたし、私もね、仁を信じられるんだ。
それだけ仁にされてるって自信ができたから」
係の人の手が、タイミングをカウントしはじめた。
「私、絶対に幸せになるから。
母さんも今度こそ、幸せになって」
カウントがゼロになり、ゆっくりと扉が開く。
「ありがとう。
涼夏も幸せになって」
互いに頷きあい、バージンロードへと足を踏み出す。
私は仁と、必ず幸せになる――。
親しい人だけのパーティだけど、幾つか電報が來ていた。
中には、――イギリスからも。
「仁、涼夏さん、結婚おめでとう。
可い妹をゲットし損ねたのは殘念だけど、ふたりが幸せならそれでいいわ。
ご祝儀はイギリスまで取りに來てちょうだい。
もちろん、私へのご祝儀を持ってね。
……神月咲夜子様より」
電報が読み上げられ、思わず仁の顔を見ていた。
「これって……」
「咲夜子らしいな」
ふふっと小さく、おかしそうに仁が笑う。
そうか、あのあと、咲夜子さんもちゃんと自分の道を歩めたんだ。
よかったな……。
夜は明日、披宴がおこなわれるホテルのスイートに宿泊だった。
「……」
シャワーを浴び、ベッドに座って仁を待ちながら心臓がこれでもか!ってくらい、ドキドキと速く鼓している。
今夜は――文字通り、初夜なのだ。
気持ちを通じ合わせてから変わったことといえば、挨拶のキスが額からになり、夜は一緒に眠るようになったくらい。
今日まで仁は一度も、私を抱かなかった。
きっとまだ、私がどこかで迷っていたのをわかっていたんだと思う。
「涼夏」
寢室に來て私の隣に座り、仁がゆっくりと私の髪をでる。
「……いいのか」
もう式まで挙げたというのに、こうやって私を気遣ってくれるこの人が、酷くおしい。
仁のバスローブの袖を摑み、自分からその薄いに、自分のを重ねた。
「……仁は私に誓ってくれたから。
仁を信じます」
「絶対に裏切らないと約束する」
仁の手が私の顔を摑み、今度は彼からが重なる。
まるで上等なチョコレートのような、甘くて濃な口付けに酔いしれていった。
「……」
私を見つめる、レンズの奧の瞳は蠱的にっている。
「涼夏と、家族になりたいんだ」
短い口付けを繰り返しながら、ゆっくりとベッドに押し倒されていく。
「家族、ですか」
昨日、籍もれたしもう家族だと思うんだけど……。
「の繋がった家族になりたいんだ。
子供ができたらその子を通じて、僕たちはの繋がった家族になれる」
「仁……」
私の抱えていた淋しさは、仁で埋められた。
仁はまだ埋まらないというのなら、私が埋める。
「そうですね。
私も、仁と家族になりたいです」
「涼夏、ありがとう」
再び深く、が重なる。
そして――。
「すまない、涼夏は痛いのに僕ばかり気持ちよくて」
まさか、こんなときにそんなふうに詫びられるなんて思っていなくて、つい笑いがれていた。
「痛くないですよ、大丈夫です」
「噓をつけ、つらそうな顔をしている」
仁の指がまだ、目に殘る涙を拭う。
「これは幸せの痛みだからいいんです」
「そんな可いことを言われたら……抑えられなくなる」
「えっ、あっ、仁!?」
そこからはずぶずぶに仁に溺れていって、よく覚えていない。
夢の中で、仁と並んで歩いていた。
笑ってふたりが見つめる先からは、小さな男の子が走ってきている。
どこまでも優しい世界。
ああ、いいな。
きっと仁がしい家族ってこれなんだ。
私たちの元に到著した男の子の視線にあわせて、私たちもしゃがむ。
男の子が仁と、私の手を、その小さな手でぎゅーっと握ってにぱっと笑った。
「こんにちは、パパ、ママ。
これからはよろしくね」
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