《めブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom2 災い転じて同居が始まる【5】
* * *
「なにがあっても辭めないって決めてたんだけど、お客様のカウンセリング中も話が頭にってこないから、全然仕事にならなくて……」
諏訪くんには詳細までは話さなかったけれど、指導係のスタッフからのパワハラとセクハラがあった……ということだけを打ち明けた。どんなことをされて、なにを言われたのかまでは、けなくて恥ずかしくて言えないから……。
「それは香月が悪いわけじゃないだろ」
「でも……私の事はお客様には関係ないから……。お客様の要に一〇〇パーセント応えるのは難しいけど、限りなくそこに近づけるようにして、できればもっといいものを提供できなきゃいけないのに……。カウンセリングすらまともにできないなんて、話にならないもの」
診療科には通ったものの、仕事を辭めてしまえば悸はなくなった。今年にってから四月の中頃まではろくに食べられなかったけれど、食もようやく戻った。
今でもさっきみたいなことがあればが竦むものの、男と話すことはできる。もちろん、まったく平気なわけじゃなくても、日常生活に支障はない。
ただ、退職後すぐに平岡さんから【ホテルで會おう】といった容のメッセージが屆いたことがあり、まだ安心し切れないのだけれど……。
「あのさ、香月」
不安と先の見えない現狀にため息をらすと、諏訪くんが神妙な面持ちになった。彼は私に一歩近づき、しゃがんでから私をじっと見つめた。
「もしよければ、うちで働かないか?」
「え?」
予想外の言葉に、目を丸くする。
「仕事は事務関係だし、特に資格や経験がなくても構わない。わからないことは俺が教えるよ。俺が無理なときは、誰かスタッフについてもらうようにする」
諏訪くんは本気のようで、彼の表も聲音も真剣そのものだった。
「うちの會社はスタッフがないし、信頼できる人しかいない。來客もあるけど、俺の目の屆く範囲なら香月を守ってあげられるし」
ただの同級生で、會ったのは高校の卒業式以來。友人と呼べるのかも怪しいほど接點がなかったのに、諏訪くんがそこまで言ってくれることに驚きしか生まれない。
「高給ってわけにはいかないけど、都で普通に生活できるくらいの給料はちゃんと出せる。家財付きの寮も用意するし、なくとも最低限の食住は保障できるよ」
「で、でも……」
彼の好意は嬉しいけれど、さすがにそこまえ甘えていいのかわからなかった。
「赤塚の家は今月中に出ないといけないんだろ? 実家にも頼れないなら、せめて住むところだけでも確実に確保した方がいいんじゃないか?」
そんな私をたしなめるように、諏訪くんが靜かに現実を口にする。
確かに、彼の言う通りだ。
このまま敦子の家を出てもすぐに仕事が決まるとは限らないし、下手をすれば路頭に迷う。もっとも、さすがにそうなる前に実家に頼るとは思うけれど……。仕事を辭めただけでも申し訳ないのに、家族にこれ以上の心配はかけたくない。
「香月さえよければ、先に家を用意するよ。々と準備もしたいだろうから、仕事は來月からで大丈夫だ。もし考える時間がしいなら數日待つよ」
諏訪くんは、決して無理強いはしなかった。
そういえば、昔からそうだった。人気者なのにどこか靜かでミステリアスなところがあって、相手の気持ちを汲むのが上手い人だと思ったことがある。それに、他の男子たちのように下手にバカ騒ぎをしたり変な視線を向けたり……なんてこともなかった。
私の周囲にいる男子の中で、彼だけはみんなとは違った。
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