《めブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom2 災い転じて同居が始まる【6】
「……本當にいいの?」
「ああ、もちろん。無理ならこんな提案はしないよ」
大きく頷いて微笑んだ諏訪くんは、相変わらずしゃがんだまま私を見つめている。彼がその姿勢になったときからずっと不自然に思っていたけれど、こうすることで私に威圧や恐怖心を抱かせないように配慮してくれているのだ……と気づいた。
私が諏訪くんだけは怖いと思ったことがないのは、彼のこういうところが理由のひとつなのかもしれない。
「あの、じゃあ……ご迷をおかけしますが、よろしくお願いします」
「うん、こちらこそ」
立ち上がった諏訪くんが、私との距離を詰める。それから、骨張った手を差し出してきた。
「……あ、こういうのは苦手だったよな」
ハッとしたように手を引っ込めた彼に、慌てて首を橫に振る。
「う、ううん! 平気だよ!」
高校時代は、男子とれ合うのが怖かった。今でも握手程度のことでも平気なわけじゃないし、男との不要な接は極力避けている。
けれど、相手が諏訪くんだと思うと、考えるよりも早く口をついていた。
「そっか。じゃあ、よろしく」
「よろしくお願いします」
そっと出された右手を、おずおずとばした手で控えめに握る。本音を言えば、もしかしたら嫌悪を抱くかもしれないと考えたけれど、幸いにも平気だった。ただ、張のせいか急にドキドキしてしまって、彼の目を真っ直ぐ見ることができなかった。
「明日、時間はある? 都合がつくなら、寮に案するよ」
「じゃあ、お願いしてもいい? できるだけ早く見ておきたいし」
「早々に引っ越したいなら、明日にでも居できるよ」
「えっ 」
さすがに、明日引っ越すのは考えていなかった。
「荷は徐々に運び込む形でもいいけど、仕事が始まる前に新居での生活に慣れておいた方がよくないか? 赤塚だって荷造りもあるだろうし」
とはいえ、諏訪くんの話には共できた。仕事が始まれば余裕があるかはわからないし、早めに居できれば周囲を散策したり部屋をゆっくり整えたりできる。
なにより、私がずっと居候させてもらっているせいで、敦子は気が休まっていないかもしれない。いくら仲がよくても、1LDKの部屋に他人が住んでいるんだから。
「確かにそうだよね。私、荷はほとんどないの。敦子の部屋に全部は運び込めないから、今はレンタルスペースを借りてるんだけど、家財や家電はなくて……」
「じゃあ、服とかだけ? それなら、俺の車でも事足りるかもしれないな」
「そんな……さすがに、諏訪くんにそこまで迷はかけられないよ。レンタカーを借りるか、業者に頼むから」
「気にしなくていいよ。寮に案するついでだし、友達なんだから頼ってくれた方が嬉しい」 
戸う私を余所に、彼は「そうしよう」と言い切ってしまう。
「明日の一時に迎えに行くよ。レンタルスペースに寄ってから寮に案するから、ひとまず持ち運べそうなものだけ準備して待ってて」
サクッと予定を立ててしまった諏訪くんが、にっこりと笑う。ここまで頼るのは申し訳ない反面、お世話になるとしては頑なに斷るのもよくない気がした。
なにより、彼の提案は本當にありがたい。気が引けるものの、落ち著いたらなにかお禮をしようと決めて、「お願いします」と頭を下げた――。
note+ノベルバ+アルファポリス+電子書籍でエッセイ、小説を収益化しつつ小説家を目指す日記
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