《めブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom3 遠くの親類より再會した初の人?【4】
夕食後、諏訪くんから「話がある」と言われ、ふたりでソファに座った。し離れて腰掛けた彼は、やっぱり私と適度な距離を保ってくれる。
諏訪くんが怖くないのは、こういう気遣いを當たり前のようにしてくれるからなのかもしれない。本音を言うと、川本くんたちにはわずかとはいえ恐怖心があったけれど、諏訪くんにだけは再會したときからずっと恐怖や嫌悪を抱いていない。
諏訪くんとは一緒に過ごせるなんて信じられないけれど、なくとも私にとって彼だけは他の男とは違う。それはもう、自覚している。
たまにドキドキするのは、諏訪くんと一緒にいると淡いをしていた頃を思い出してしまうからなのかもしれない。それに、彼があまりにも素直な気持ちを口にしてくれるのも、なんだか面映ゆかった。
「俺と同居するのは大丈夫そう?」
ぼんやりしていると、諏訪くんが私を見つめていた。彼の質問を頭の中で反芻し、控えめながらも頷く。
「うん。諏訪くんは優しいし、すごく気を遣ってくれるし、大丈夫だと思う。でも、諏訪くんは本當にいいの?」
「もちろん。無理なら最初からこんな提案はしないよ。それに、俺も香月となら上手くやっていけそうだと思ってるし」
諏訪くんの言葉に安堵したあとで、それなら々と決めておかなければいけないと思い至る。さすがに、すべて彼におんぶに抱っこ……というわけにはいかない。
「じゃあ、家賃はいくら払えばいいかな? さすがに半額とかは無理だけど、いくらかはれさせて。あと、私にできることはするから、なんでも言ってほしい」
諏訪くんに控えめに訊けば、苦笑を零されてしまった。
「まさか家賃なんて取る気はないよ」
「え、でも……」
「家も仕事もなかったの子から家賃を巻き上げるなんて、悪人みたいじゃないか」
冗談めかした彼に、首を橫に振る。
「そんなこと……! 住まわせてもらって仕事の面倒も見てもらうんだから、むしろこれくらいはしないと……」
「本當にいいよ」
一向に首を縦に振らない諏訪くんを見て、ようやく彼は最初からそのつもりだったのかもしれない……と気づく。きっと、私から家賃を取る気なんてなかったのだ。
「その代わり、今日みたいにときどき食事を作ってくれると嬉しい」
「それはもちろん! っていうか、そんなの家賃とは別にさせてもらうよ。諏訪くんにはお世話になりっぱなしだし、家事くらいなら私にもできるから」
「ありがたいけど、掃除や洗濯は週二回ハウスキーパーに頼んでるし、間に合ってるんだ。家賃の件はこれで終わりにしよう」
これ以上の押し問答をしても、恐らく私が諏訪くんに敵うことはない。現に、必死になっている私に反し、彼は優雅に足を組んでコーヒーを飲んでいる。
「俺、香月の料理が気にったんだ。料理だけは外注してないし、自炊も滅多にしないから、香月が作ってくれると助かる。もちろん、香月の無理のない範囲でいいから」
それだけしかさせてもらえないのなら、毎日三食きっちり作ったってちっとも足りない。お禮になる気がしなかった。
「他にできることはない?」
「そうだな……。香月にしてほしいことは、あると言えばある。でも、今はまだそのタイミングじゃないから、本當に気にしなくていいよ」
「タイミング?」
「……まぁ々とね」
ふっと笑った諏訪くんの表には、なぜか自嘲が混じっている気がした。気のせいだと思うけれど、なんだか悩ましげに見えたのだ。
「じゃあ、できるだけ早く家を見つけて、出ていけるようにするね」
「は……?」
私が決意表明のごとく真剣に告げると、彼が意表を突かれたような顔をした。
なにかまずいことを言っただろうか……と頭の片隅に過り、諏訪くんから視線を逸らしてしまいそうになる。數瞬して、彼が息を吐いた。
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