《めブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom3 遠くの親類より再會した初の人?【7】 Side 翔
* * *
(香月は覚えてるんだろうか)
ふたりでお互いの夢の話をしたこと、応援し合ったこと。そして、何度も優しく笑いかけてくれたこと。
あの頃、きっと男子で一番仲がよかったのは俺だった……というよりも俺以外の男子とはほとんど話していなかったが、それでも香月は男子が苦手なままだった。そんな彼にとっては、俺との思い出すらいいものではなかったかもしれない。
反して、俺は未だに當時のを綺麗に消せずにいて、あろうことか再會を機にその想いが再び膨れ上がった……なんて、香月に言えるはずがない。
社會人になった彼は、あの頃よりも深く傷つく出來事があったようで、飲み會の帰りに絡まれていたときにひどく脅えていたから……。
俺ができる限りのツテを使って香月と再會できるように仕向け、彼の現狀を知って同居を言い出した、なんて――あまりにも下心がありすぎて言えるはずがない。
九年の月日を重ねた香月は、相変わらず清らかで可く、けれどやっぱりどこか儚げで守りたい、と思わせる。彼自にその自覚がないのは悩ましいが、どうにか言い包めて同居にまで持ち込めたから、あとはじっくり手にれる方法を考えていけばいい。
どのみち長期戦になることは香月の態度を見れば明らかだし、彼の男恐怖癥とも向き合っていかなければいけない。
香月は詳細こそ話さなかったものの、容師時代には隨分とひどいパワハラとセクハラをけてきたんだろう。正直、男たちに絡まれていたときの脅え方は異様なほどで、下手をすれば昔よりもひどくなっているように見えた。
容師時代の同僚たちは、俺の想像以上に彼を苦しめて追いつめたに違いない。
香月を傷つけた男は、この世から存在を抹消したいほどに許せない。見つけ出して制裁を與えたいが、なによりも今は彼とのことだ。
この一週間の香月の言を観察した限りでは、俺には嫌悪や恐怖心は抱いていないようだし、ぎこちないときもあるものの普通に會話はできる。
それに、引き出の食を見て俺ののことを訊いてきたことも考えれば、彼にとって俺はまったくの対象外……というわけでもないだろう。一緒に食事を摂っているのもいいのか、しずつではあるが確実に距離はまっているはずだ。
香月が會社で働くようになれば、一緒に過ごす時間はもっと増えるし、話すきっかけもさらにできる。遠慮してばかりの彼だって、仕事では自ら俺を頼るしかない。もちろん真面目に教えるが、そういう機會があれば充分だ。
そうして、プライベートでは甘やかして、大切にして、じわじわと俺のことを意識させるようにしていけばいい。
香月は一日でも早く出ていくつもりだろう。けれど、彼を引き止める口実くらい、今の俺ならいくらでも作れる。
夕食の支度をする香月の姿を見つめながら俺がそんなことを考えているなんて、彼はきっと想像もしていないに違いない。我ながら卑怯だと自覚しつつも、俺はひとりそっとほくそ笑んだ――。
note+ノベルバ+アルファポリス+電子書籍でエッセイ、小説を収益化しつつ小説家を目指す日記
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