《めブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom4 ぬるま湯に浸かりすぎないように【4】
「基本的に三人は重役室で仕事をすることが多いけど、ときどき私たちのいるフロアでも仕事をするから、ふたりのデスクはこっちにもあるの。篠原さんだけはいつも重役室にいるけどね」
窓際に配置されているふたつのデスクだけ、他のものよりも大きく重厚がある。
「あ、噂をすれば社長だ。今日はこっちで仕事するのかな」
木野さんの視線を追えば、タブレットを片手にした諏訪くんがこちらにやってくるところだった。し離れた場所から私たちに気づいた彼が、笑みを浮かべる。
なにか言いたげだった気がしたけれど、諏訪くんはすぐに目を逸らした。
その後も、彼は丁寧に仕事を教えてくれ、パソコンに不慣れな私に嫌な顔をすることもなかった。おかげで、些細なことでも質問しやすく、疑問はすぐに解決できた。
まだわからないことばかりで不安はあるものの、なんとかやっていけそうだ。
諏訪くんはずっとパソコンに向かっていたけれど、ときおり私を気にかけてくれるような視線をじたし、彼が傍にいると思うと心強かった。
なにより、仕事をしているときの諏訪くんは、いつにも増してかっこよくて、初の人のそんな姿にがわずかに高鳴った。もちろん、浮かれている場合じゃないとすぐさま自を律したものの、高校生のときとは違う彼の表を間近で見られるのは嬉しかった。
「今日は初日だし、うちの雰囲気とだいたいの流れだけしておいて。明日からは本格的に仕事を教えていくから、しっかり頑張ってね」
晝休憩に自分のことを話してくれた木野さんは、私よりも三歳上で、結婚を機に旦那さんの仕事の都合で上京し、正社員で募集していたエスユーイノベーションをけたのだという。気さくな彼はとても接しやすく、肩の力を抜くことができた。
午後からは電話応対のやり方や、取引先の名前に目を通した。社員がない分、取引先については全社員がしっかり把握しておくようにしているのだとか。
初日だから気疲れも大きかった反面、久しぶりに働いているという実を持てるのが嬉しく、肩が狹い気分でいた日々から解放されたことにもホッとした。
十八時に上がらせてもらった私は、帰宅してすぐに夕食の支度に取りかかった。
今日は定時で退社できたけれど、忙しいときにはもっと遅くなるだろうし、作り置きをしておくことも視野にれよう。なんて考えつつ夕食を完させた頃、リビングのドアが開いた。
「ただいま」
「おかえりなさい。ご飯できたところだよ」
今夜はじゃがをメインに、副菜にはほうれん草の白和えとだし巻き卵、は大の味噌といった和風メニューだ。ロメインレタスを使ったサラダもある。
「じゃがだ。今日は和食の気分だったから嬉しいよ」
頬を綻ばせる彼を見て、和食にしてよかったと思う。
夕食を食べ始めると、諏訪くんは相変わらず大袈裟なくらい褒めてくれた。
「ところで初日はどうだった?」
「今日は流れを見せてもらっただけだし、まだなんとも言えないけど、木野さんが丁寧に教えてくれるから大丈夫だと思う。張もすぐに解れたし」
「よかった。スタッフは信頼できる人ばかりだけど、香月の言葉を聞いて安心した」
「心配してくれてありがとう」
「いや、それより社の案もできなくてごめん」
眉を下げた彼が、お箸を置いて息を吐いた。
「本當は俺がするつもりだったんだけど、タケと篠原に反対されたんだ。あ、タケって鵜崎のことなんだけど、あいつの名前は武則たけのりっていうんだ」
諏訪くんの呼び方からして、ふたりは社長と副社長という関係でありながら友人でもあるんだろう。
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