《めブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom5 花は折りたし梢は高し……でもないかも?【3】
「なぁ、香月。家まで手を繋いで帰らないか?」
自の不甲斐なさにため息をつきかけたとき、突拍子もない提案を寄越されて目を剝いた。一瞬、聞き間違いかと思ったほどだ。
その容に戸い、理由を訊いていいのかわからなくて口が開けない。けれど、諏訪くんの雙眸は真剣で、決して冗談じゃないことだけは伝わってきた。
「えっと……」
「ああ、言い方が悪かったな。香月が俺にれられるのが平気なら、スキンシップを増やしていけば異に対する恐怖心がしでも和らぐんじゃないかなと思ったんだ」
他意はないよ、と微笑まれて、反で同意するように二度頷く。
諏訪くんを相手に疑念はない。ただの友人というだけで、仕事と住居のお世話をしてくれ、日々気遣ってくれる。そんな彼だからこそ、私には疑う方が難しい。
「諏訪くんのことだから、私を心配してくれてるんだよね? それはちゃんとわかるよ。でも、手を繋ぐって……」
「怖い? それとも、俺と手を繋ぐのが嫌?」
黙り込んで考え、嫌じゃない……と思う。「ううん」と答えれば、諏訪くんが瞳を優しく緩めた。
「じゃあ、ちょっとだけれてみようか」
「ちょっとって……?」
「そうだな……。小指だけならどう?」
自分の顔の前に右の手のひらを持ってきて、小指を見つめる。一番小さくて細い指なら、れる面積もその分ない。それがわかると、これくらいなら……と思えた。
「うん、それならたぶん……」
続ける予定だった『大丈夫』は聲にできなかったけれど、彼は察したようだった。
「まずは軽く絡めるだけだから」
諏訪くんが小さく頷き、左手の小指だけを出してくる。張する私に、彼は「香月のタイミングでいいよ」と穏やかに告げた。
ただ、そこに甘えてしまうと時間がかかりそうで、えいっ! と言わんばかりの勢いで右手の小指で骨張った小指を捕まえにいった。
瞬間、目を丸くした諏訪くんが數瞬して眉を下げた。なにかまずかったかな……と不安を抱いた私に、なんとも言えない微笑が向けられる。
「あ、あの……諏訪くん?」
「ああ、ごめん。行こうか。無理そうになったら、我慢しないですぐに教えて」
小さな子に教えるような口調からは、いつもの彼らしい思いやりがじ取れた。
さっきの表の意味を尋ねる間もなく、諏訪くんに合わせて一歩ずつ足を進める。
軽い力で繋がっているだけの小指にれるのは、自分のものとは違う溫と節くれだった。太さもさも、の指とは全然違う。
それは初めての覚で、どうすればいいのかわからない。ドキドキ、ソワソワ……そんな覚を張でいっぱいの心が処理できずに持て余してしまう。
鼓がうるさいのは、きっと初めて知った男の溫とに戸っているから。
これまで異から不條理にれられることはあっても、自分かられたことはほとんどない。勝手にられるときはいつも恐怖心が強くて、こんな覚をゆっくりと反芻する暇なんてなかった。
ところが、今は違う。
諏訪くんという男の溫やを、直にじている。
彼のの一部にれている小指から、まるでが煮えるようにが熱くなっていく。徒歩二分ほどの距離しかない帰路が長く思えるほどにドキドキして、それなのに不安も嫌悪も芽生えてこない。
なにもかもが初めてで、なにもかもに戸っていた――。
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