《めブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom5 花は折りたし梢は高し……でもないかも?【4】
「まずは指先からいってみようか」
ソファに並んで座り、向かい合っている。そんな諏訪くんと私の間には、いつものような距離はない。あるのは、私の張だけ。
差し出された彼の左手を前に、息を大きく吐く。
コンビニから帰宅後、代でお風呂を済ませたのが約三十分前のこと。それから、ふたりで仲良くアイスを食べた。
百円程度のアイスを選んだ私より、諏訪くんが手にしたのはもっと安価なもの。ソーダ味や梨味が人気の棒付きアイスは、誰もが知っているロングセラー商品だ。
大人の男として洗練された社長には、驚くほど似合わない。ただ、『高校時代、夏の部活帰りによく買い食いした』と笑う彼には、なんだか似合ってしまう。
同じ人なのに変なじだけれど、そんな風に思うのだ。
もっと言えば、會社にいるときの諏訪くんは手の屆かない遠い人なのに、家にいるときの彼はあの頃の空気を思い出させるせいか壁をじさせない。
ぼんやりとそんなことを考えていた私がバニラアイスを食べ終えたとき、諏訪くんが思いついたように言ったのだ。さっきの続きをしてみないか、と――。
その提案に、目を真ん丸にした私だったけれど。要するに彼は、私のリハビリに付き合ってくれるつもりなんだろう。
最初はもちろん、々な思考が駆け巡って躊躇した。一方で、マンションの前に著くまで小指を繋げた今の勢いならもうし頑張れそうな気がしたし、相手が諏訪くんなら他の異よりもずっと安心はある。
だから、ドキドキしていたのは張のせいだと結論付けたばかりだったのもあり、彼に頷いて見せたのだ。
「じゃあ……失禮します……」
右手の人差し指で、大きな手のひらにちょんちょん……とれてみる。これは驚くほど平気で、すぐに指でをでるようにしてみた。
「……っ。香月、それはちょっとくすぐったい」
「あ、ごめんね」
「いや、香月が平気そうだからいいけどさ」
肩を竦めるようにしつつも、諏訪くんの面持ちは穏やかだ。彼の優しい瞳が、私に安堵を與えてくれる。
「もうちょっといけそうなら、一本ずつ指を増やして握ってみる?」
「う、うん」
手の向きを変えるためか、諏訪くんが元辺りまで持ち上げた手のひらをこちらに向け、どうぞと言わんばかりに微笑んだ。
小さくハイタッチするように大きな手のひらに五指の先をれ合わせ、そこからゆっくりと上を目指す。不安はないのに、なんだか張してしまう。
理由のわからないドキドキを隠すように深呼吸をして、彼の指の間を埋めるように自分の指をらせていく。
一呼吸置いてわずかに力を込めれば、一拍して諏訪くんも指を曲げ、お互いの手を軽く握り合うような形になる。
「どう?」
控えめにかけられた聲に、おずおずと頷く。
「……平気だと思う」
やっぱり、諏訪くんが相手だと、不安も嫌悪も生まれない。
彼のにれていることや、溫をじていることにドキドキしても、それはあくまで不可抗力。男に慣れていない……という私の経験値の低さがもたらすもの。
「じゃあ、もう一歩進もうか」
「もう一歩って?」
「……香月、手はこのままだよ? 今度は俺が香月にれるから」
驚く間もなく、骨張った手がびてくる。思考が追いつくよりも先に、諏訪くんの右手が私の頬にそっとれた。
ゴツゴツした、男らしい手の。握っている手でじるよりもずっと近い彼の気配に、無意識に息を呑む。
骨張った手から伝わる溫がやけに熱い。諏訪くんと私、どちらの熱かわからないけれど。鼓が頭に響くほどうるさくて、彼に聞こえていないかと心配になった。
さらには、すり……と優しくでられて、心臓が大きく跳ね上がった。
真っ直ぐに見つめてくる瞳の強さに囚われて、息が上手くできない。不安や恐怖はないとわかるのに、を占める覚の正がわからない。
それでも、なんとか口を開いた。
血が繋がってないからあなたに戀してもいいよね
頑張ってみましたが変だと思います そんなでも見てくれたら嬉しいです
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