《めブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom6 堰かれて募るの……なんて言うけれど【5】
「でも、自分が悪くないときにまで謝罪する必要はないんだ」
これまでに助けてもらってきたからこそ、諏訪くんの言葉には私への思いやりが詰まっていることはすぐにわかった。
「弱みに付け込むような奴は、香月みたいにすぐに謝る相手を前にすると簡単につけ上がる。だから、今みたいに謝るのが癖になってるなら直した方がいい」
無條件に與えられてばかりの優しさに、申し訳なさと喜びが押し寄せてくる。後者が勝るのはあっという間で、鼻の奧がツンと痛み、がグッと苦しくなった。
同時に、の奧に広がっていった熱がなにを意味するかを自覚してしまった。
諏訪くんとの再會を嬉しく思ったのも、男が苦手な私が彼に対して一度も不安をじたことがないのも。最初からずっと諏訪くんだけは平気だったことも、彼にれられると嫌悪を抱くどころかドキドキしてしまうのも。
全部、全部……諏訪くんのことが好きだからだ――と。
高校を卒業するときに思い出として置いてきたはずの淡い初は、ただずっと私のの奧底で靜かに眠り続けていただけ。今ようやくして、彼へのは再び息づいていたのだと思い知る。
記憶をたどれば思い當たることが多すぎて、なぜ今まで気づかなかったのか……とおかしくなったくらいだ。
あれだけ優しくされて意識しない方が変だったのかもしれないけれど、なんて単純で簡単な人間なんだろう。その上、自分の気持ちにも鈍いなんて……。
「香月? ごめん、厳しいこと言っちゃったな」
「ううん! 諏訪くんは私のために言ってくれたんだもん! むしろありがたいし、謝しかないよ。ありがとう」
笑みを浮かべた諏訪くんに、の奧が甘やかな音を立てる。この覚にも覚えがあって、苦笑がれそうになる。
張でドキドキしていると思っていたのは、心がを訴えていた合図だったのだ。
けれど、本心を自覚したからといって、なにが変わるということもない。
私が異に苦手意識があるのは変わらないし、前ほどが強張ることがなくなったといっても、あくまで彼と職場の男スタッフに対してだけだ。
自られられるのは諏訪くんだけだし、それだって練習と稱していたからできていただけかもしれない。彼への想いを認識した今、次の練習のときには張と心を意識するあまり、振出しに戻る可能すらある気がした。
とにもかくにも、こんな私が誰かとする想像なんてできないし、諏訪くんだって付き合うなら私みたいな厄介なよりも普通のを選ぶだろう。
いくら親に面倒を見てもらっていても、そこまで自惚れるほど淺はかじゃない。
彼の人になる人はきっと、篠原さんのような人で聡明な人。誰が見てもお似合いだと思ってしまうような、そういうに決まっている。
(自覚した途端、失しちゃうなんて……)
「素直な格や、そうやってすぐにお禮を言えるのは、香月のいいところだな」
現実は苦しいけれど、諏訪くんの言葉が私をしだけ救ってくれた。だから、彼の前では切なさを隠して、一杯笑って見せた――。
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