《めブルーム〜極甘CEOの包囲網〜》Bloom6 堰かれて募るの……なんて言うけれど【7】
「こんにちは。諏訪社長に言われたものを取りに來ただけですから、お構いなく」
スーツ姿の篠原さんが、エプロン姿の私に繕ったような笑みを向け、迷うことなく書斎にっていく。彼はドアを開けたままデスクの上にあるUSBを手にすると、その片隅でばらけていた資料を軽く整えて置き直し、部屋から出てきた。
「あの、鍵は……」
「社長から合鍵を預かっています」
含みのあるしい微笑に、たじろいでしまう。すると、篠原さんの目に冷たい空気が宿り、これみよがしにため息が寄越された。
「いつまで居座るつもりですか?」
「え……」
「諏訪社長から、あなたのことはご友人だと伺っています。一時的に同居しているとも聞いていましたが、もう三ヶ月ほどになるんでしょう。社長は誰に対しても優しいですが、甘えるのも大概になさったらいかがですか?」
淡々とした聲音には、怒りが滲んでいる。けれど、彼の言い分はもっともで、返す言葉なんてひとつもなかった。
「エスユーイノベーションは大手企業からも周知されるようになったため、諏訪社長は今とてもお忙しいんです。あなたの前ではそんな素振りは見せないでしょうが、家にずっと他人がいる狀況でくつろげると思いますか?」
厳しい口調が矢のように降り注ぎ、そのたびにを抉られる。ただ、どれも正論だからこそ、俯くことしかできなかった。
「今まで優しくしていただいたんですから、もう充分でしょう。そろそろ社長の足を引っ張るのはやめてください」
ぐうの音も出ない私に、篠原さんは踵を返す。反応を求める気はなかったようで、彼はハイヒールに足をれると、振り返りもせずに立ち去った。
(當然だ……)
甘えて頼って、諏訪くんに言われるがまま同居生活を続けてきた。
ここに來て三ヶ月ほどが経つのに、早く出ていくと考えているわりには新居を決めていたわけじゃない。こっそり覧には行ったものの、結局は進展がなかった。
そういう自の怠慢が起こしたこの狀況は、自業自得でしかない。
(出ていこう……。このままじゃ諏訪くんの足を引っ張るだけだよ……)
篠原さんは、もしかしたら諏訪くんのことが好きなのかもしれない。そうじゃないとしても、書として社長の足を引っ張る人間が傍にいるのは不快に違いない。
休日にエプロンをつけてのんきにしていた私は、パリッとしたスーツを著こなして凜とした佇まいでいた彼の足元にも及ばない。他人を羨んで肩を落してもいいことはないのに、悔しさや歯がゆさを持て余して負のを上手く鎮められない。
諦めるつもりだったが、心を揺さぶってくる。
書斎の場所を知っていた篠原さんが、當たり前のように合鍵を預けられている彼の信頼が……。諏訪くんにとってどういう意味を差すのかを考えるのが怖かった。
ふたりの関係を邪推して、行き場のない想いが未練がましくも大きくなった気がしたけれど……。彼が帰宅したら、真っ先に『出ていく』と伝えようと思った――。
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