《家庭訪問はのはじまり【完】》第11話 パパがなってよ
「だったら、パパがなってよ」
「は?」
とお父さん。
「先生がパパに會いたくなれば、僕ん家に來てくれるでしょ?
僕、先生にお願いしたの。
僕のママになってって。
そしたら、先生、パパのお嫁さんにならないと僕のママにはなれないんだよって言ってたもん」
あ…
覚えてた…
めっちゃ、気まずいよー
「あ、あの、それは…」
言い訳をしたいのに、言葉が続かない。
「くくっ
そうか。
でもなぁ、嘉人、こんな若くて綺麗な先生が、パパなんかのお嫁さんになってくれると思うか?」
「ええ!?  パパかっこいいよ?
先生、ダメなの?」
嘉人くんが縋るような目で私を見る。
「あのね、嘉人さんのお父さんは、きっとまだお母さんを忘れてないと思うんだ。
だから、先生なんかを好きになってくれないから、無理じゃないかなぁ」
こういう時、どう言えばいいの?
「そうなの?  パパ」
嘉人くんは、今度はお父さんを見つめる。
「うーん、そうだなぁ。
ママは思い出の中の特別枠だからなぁ。
忘れるとか忘れないとかじゃないかなぁ。
嘉人だって、まだママの事、好きだろ?」
「でも、パパの方が好きだよ?」
「そうか。ありがとな。
ま、とにかく、先生にも好みがあるし、何より、もう先生にはカッコいい人がいるかもしれないだろ?」
え!?
矛先がこっちに向いた?
「そうなの?  先生」
「あ、いえ、そういう人はいないけど…」
どうしよう?
「パパ、よかったね。いないって」
ああ、もう、嘉人くん、なんでこんなに素直なの!?
「くくっ
分かった、分かった。
嘉人は、先生の事が大好きなんだな」
「うん!」
お父さんが苦笑する。
そうだよね。
私なんかとどうこう言われても困るよね。
「じゃあ、パパ、先生に好きになってもらえるように頑張るから、嘉人も応援しろよな」
「うん!!  パパ、がんばって!!」
は!?
「という事で、先生、これから、親子共々、よろしくお願いしますね」
はぁ!?
「え?  あ、あの、は、はい」
あれ?   これ、どういう事?
「くくっ
  嘉人、先生、かわいいなぁ」
「でしょ?
パパも好きになった?」
「うん、そうだな」
「やったぁ!!」
嘉人くんは、踴り出さんばかりに喜んでいる。
「じゃあ、パパは、先生をお見送りしてくるから、嘉人は風呂にる準備しとけ」
「ええ!?  僕も行く〜!!」
「嘉人!
先生にパパを好きになってもらうために、の話をしてくるから、お前は待ってろ」
それを聞いた瞬間に、嘉人くんの目がキラキラした。
「うん!!
僕、トイレ行って、服いで待ってる!」
嘉人くんは、そう言うなり、トイレに駆け出して行った。
「じゃ、先生、長々とお引止めして、申し訳ありませんでした」
お父さんが、頭を下げる。
「いえ、お邪魔しました」
私も混する頭を下げて、玄関を出た。
すると、お父さんも本當に玄関を出て見送りに來てくれた。
「先生、嘉人が失禮な事ばかり言って、すみません。
忘れていただいて構いませんから」
ああ、そういう事…
そうだよね。本気な訳ない。
嘉人くんを納得させるために、話に乗ったふりをしただけ。
「はい。
今日は、本當にご馳走さまでした。
とてもおいしかったです」
私は頭を下げて、車に乗り、家路に就いた。
はぁ…
お父さんが本気じゃないのは、當たり前じゃない。
分かってるのに、なんで、私のはこんなに苦しいんだろう。
なんで、こんなに視界が滲むんだろう。
なんで…
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