《家庭訪問はのはじまり【完】》第33話 授業參観
翌日。
午前中は短日課で進み、給食、掃除、帰りの會を済ませてから、晝休みにる。
午後の始業5分前に放送で音楽が流れ、子供たちが一斉に校庭から戻ってくる。
既に廊下で立ち話をしている保護者をかき分けて席に著き、そわそわ、キョロキョロと保護者を眺める。
嘉人くんは戻る途中で瀬崎さんに會ったらしく、手を繋いで教室にやってきた。
パパと一緒の嘉人くんは、ニコニコと満面の笑みで、ご機嫌だ。
だけど、ご機嫌すぎて、瀬崎さんにまとわりついて、全然、席に著かない。
「ほら、嘉人、みんなもう、座ってるぞ。
お前も、早く行け」
瀬崎さんが促してるのが聞こえる。
「ええ!?
まだ大丈夫!
でね、パパ」
嘉人くんの話は盡きない。
お父さんが大好きなんだなぁ。
これが教師じゃなければ、このまま眺めていたい微笑ましい景なんだけど、殘念ながら、私は教師。
私は、軽く聲を張った。
「さあ!
みんな、お家の人が來てくれてて、嬉しいねぇ。
今日は、みんながかっこよく、いい姿勢で座れるところも見てもらおうね。
1組さんで、1番いい姿勢なのは、どの子かなぁ。
あ、由亜さん、いい姿勢だね。
お、祐樹さんも姿勢がいいね。
わっ、すごい、いい姿勢の子がたくさん!」
私が褒めると、みんなが褒めてもらおうと、競い合うように背筋をばしていく。
それに気づいた嘉人くんは、慌てて戻ってきた。
これでもかっていうくらい、いい姿勢で座ってみせる。
ふふっ
かわいい。
5時間目。
全員が著席した狀態でチャイムが鳴った。
「起立!」
日直さんの號令で、全員が立つ。
「気をつけ!」
「禮!」
「著席!」
私は授業を始める。
1班から順に好きな場面を朗読していく。
配役が分かるように、私が放課後に作ったくじらぐもと先生のお面を頭につけて、元気よく発表していく。
教室の後方では、保護者の方が微笑ましく我が子を見ている。
だけど、廊下側のお母さん達が前で発表する子供ではなく、窓の近くに立つ瀬崎さんを指差してひそひそ話してる。
表から察するに、
「あのお父さん、かっこよくない?」
的なガールズトークだと思われる。
ま、お父さんは數ない上に、瀬崎さんは背が高いから嫌でも目立つし、しょうがないんだけど。
でも、あなた達、既婚者で母親でしょう?
男じゃなくて、子供を見なさいよ。
瀬崎さんは、お友達の発表を見る嘉人くんを見つめながら、時々、私を見て微笑んでくれる。
私は、微笑み返す訳にもいかず、気づかないふりをして、授業を進める。
心配した自閉癥の真央ちゃんもLDの南ちゃんも無事発表を終えた。
次は5班。
嘉人くんの班だ。
嘉人くんは、ナレーターの役。
臺詞が多いから選んだらしい。
元気よく発表する嘉人くんを、瀬崎さんは優しく見守っている。
6班の発表も終わり、全員が無事発表することができた。
最後にインタビューの係に立候補した禮央くんと由壽ゆずちゃんが、後方の保護者の元へインタビューに行く。
「くじらぐもの発表を聞いてどう思いましたか?」
と禮央くんが拓哉くんのお母さんにインタビューした。
「とても上手でした」
と拓哉くんのお母さんが褒めてくださる。
次に禮央くんは、瀬崎さんにおもちゃのマイクを向けた。
「くじらぐもの発表を聞いて、どう思いましたか?」
「みんな役になりきって頑張っていたから、聞いていてとても楽しかったです」
瀬崎さんは優しく答える。
それを見ている嘉人くんはとても嬉しそう。
由壽ゆずちゃんが、お母さん2人にインタビューを上手にしてくれたところで、ちょうどチャイムが鳴った。
終わりの挨拶をして5時間目は終了。
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