《家庭訪問はのはじまり【完】》第41話 何が違うの?
その數日後、24日は平日のため、私は普通に授業をする。
でも、子供たちも今日はなんだかそわそわ落ち著かない。
「みんなの家には、今日、サンタさんが來るのかな?」
私が聞くと、
「來るよ〜」
「ゲームもらうの!」
「私はおもちゃ!」
と口々に答える。
「そう。いいねぇ。
でも、サンタさんって、いい子の所にしか來ないんじゃなかった?
みんないい子かなぁ?
先生、サンタさんにあの子とこの子は
授業中にお喋りしてましたってお電話しようかなぁ。
廊下を走ってた事も教えてあげないといけないよね」
そう言うと、みんな慌てて姿勢を正して前を向く。
サンタさんパワー、絶大。
そうして1日を終え、子供たちを送り出すと、隣の教室から武先生が來た。
「夕凪先生。
今日も送りますから、車を置いて來てください」
「いえ、この間、お酒で失敗したので、今、酒中なんです。
あ、武先生は遠慮なく飲んでくださいね」
私はやんわりと武先生の送迎をお斷りした。
「そうかぁ。
今日はワインが味しいお店に行こうと思ってたんだけど、やめた方がいいね。
夕凪先生、行きたい所ある?」
武先生は今日も優しい。
なんで私なんかにこんなによくしてくれるんだろう。
こんな風に気を使ってもらっても、気持ちは返せないのに。
「いえ、私は、どこでもいいので、そのワインのお店でいいですよ。
今どき、どこでもノンアルコールの飲みは置いてあるでしょ?
きっと雰囲気だけでも楽しいと思いますから」
「そう?  じゃあ、後ろについて來て。
もし、逸れた時のために、お店の報も送っておくね」
武先生はそう言って、お店のホームページのURLを私のスマホに送ってくれた。
私たちは仕事を終え、連れ立って學校を出る。
武先生の車の後について行き、駅前の市営駐車場に車をれる。
「駐車券は持ってきてくださいね。
お店で駐車料金を清算してくれますから」
武先生が教えてくれた。
私は、武先生の一歩後ろをついていく。
武先生が連れて來てくれたのは、駅前の複合ビルの最上階にあるワインバーだった。
ここは田舎ではあるけれど、駅前はそれなりに開けていて、窓から見える夜景はとても綺麗だ。
これ、明らかにデートコースだよね。
そんな気持ちもないのに、私なんかが來て本當に申し訳ない。
武先生は、自分のワインと私のノンアルコールのワインを注文してくれた。
「乾杯くらいはしてくれるよね?」
武先生に聞かれて、私は慌てて頷く。
「もちろんです」
「乾杯」
武先生に合わせて、グラスを持ち上げる。
「で?
夕凪先生の近況を聞かせてもらおうかな」
武先生は、いつも通り、優しく微笑む。
「いえ、近況と言われても、
お話するような事は何も… 」
困ったなぁ。
「じゃあ、俺のいを斷り続けてた理由は?
俺が嫌いだから?」
「っ!!
違います。
武先生は、すごくいい人です。
優しくてかっこよくて、理想の男だと思います」
「くくっ
それは、盛大に褒めてくれてありがとう。
で?  それでも、俺じゃダメなんだよね?」
私は申し訳なくて、うなだれて答える。
「すみません」
「何が違うのかな?  瀬崎さんと」
「あの、武先生の事は、ずっと素敵だと思ってました。
だから、武先生が私なんかを相手にするはずがないと思い込んでいて…
武先生は、いつも笑顔だから、その、私の事をかわいいって言ってくださっても、冗談としか思えなくて…
本當にごめんなさい」
「瀬崎さんは?
瀬崎さんは、それこそ、僕なんかより背も高くてかっこよくて素敵な男だと思うけど?」
「あの、誤解してしくないんですけど、本當に私と瀬崎さんは、付き合ってる訳じゃないんです」
私が言うと、武先生はやっぱり優しく微笑んでくれる。
「でも、夕凪先生は、好きなんでしょ?」
「……はい」
「瀬崎さんは?」
「告白…されました。
でも、春まで返事を待つって言ってくださってて。
だから、何のお返事もしてません」
「で、料理を教えるって名目で夕凪先生に會いに來てるんだ?」
「……はい」
【書籍化】傲慢王女でしたが心を入れ替えたのでもう悪い事はしません、たぶん
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