《家庭訪問はのはじまり【完】》第62話 ヤキモチ
夜、いつものように瀬崎さんから電話をもらう。
「こんばんは」
『こんばんは。夕凪、今日は2時間も自習だったんだって?』
瀬崎さん…
嘉人くんから聞いたんだ。
「うん。実は、今日、保護者の方から電話があってね」
私は今日の出來事を瀬崎さんに説明する。
「瀬崎さん、最近、誰かから好意を寄せられてない?」
私は、岳真奈の母の名は伏せて尋ねる。
『それって、俺のせいで夕凪が陥れられたって事?』
「瀬崎さんのせいじゃないよ。でも、瀬崎さんにストーカーまがいの行為をしてる人がいるんじゃないかって思って」
私は、慌ててフォローする。
『別に、最近、それっぽい事を言われた事もないし、変わった事もないんだけど』
どうしよう。
岳さんだって教えてあげた方がいいのかな。
「じゃあ、かに片思いしてるのかも。瀬崎さんも武先生の事、ストーカーじゃないかって疑ったでしょ?
ここの立地からして、普通は瀬崎さんが出りしてる事も気づかれにくいし、何より気づいても、わざわざ學校に電話しないでしょ?
大抵、先生のスキャンダルって、ママ友同士で噂になって、役員さんが學校に來た時にうっかりらして発覚する事がほとんどだもん。
私が保護者とどうこうって事が気にらないんじゃなくて、きっと瀬崎さんと関係があるっていうのが、気にらないんだと思う」
『夕凪は、その電話をしたのが誰なのか知ってるのか?』
「……うん。でも、言えないの。學校にも守義務はあるから。ごめんね」
自分にストーカーがいるかもしれないなんて、気持ち悪いもん。
相手を知りたいと思うよね。
『分かった。それは、こっちでなんとかする。
それまでは、會うのは控えよう』
瀬崎さん…
「うん」
『でも、電話はするよ。
夕凪の聲、聞きたいから』
「ふふっ
うん」
嬉しい。
『夕凪、ごめんな』
「えっ?  何が?」
『俺のせいで夕凪に辛い思いをさせて』
瀬崎さん…
「そんなの、瀬崎さんのせいじゃないでしょ。武先生のおかげで、擔任も外されなくて済んだし、そんなに気にしないで」
『それも、納得いかないんだよな』
「えっ?」
『なんで、夕凪を守るのが俺じゃないんだ? 武先生だって、ストーカーじゃないって決まったわけじゃないだろ?』
えっ!?  まだ、疑ってたの!?
「武先生は、絶対、ストーカーじゃないよ。あれから、気をつけてるけど、私の車の後をついてくる車なんてないし、大、武先生はそんな人じゃないもん」
私がそう言うと、一瞬、沈黙が流れた。
『夕凪は、隨分、そいつを信用してるんだな。ほんとは、好きなんじゃないのか?』
「は!?」
呆れても言えない。
「なんでそうなるの? もし武先生が好きなら、今日みたいな面倒な事になる前に、武先生と付き合ってるよ。どんなに面倒で大変でも譲れないものがあるから、こんなに苦労してるんでしょ?」
これって、もしかして、ヤキモチ?
『ごめん…』
瀬崎さんは、小さな聲でボソッと謝った。
「ううん、気にしないで。私も、瀬崎さんの気持ちを考えないで、いいすぎたよね。ごめんなさい」
『いや、俺が大人気なかったんだ。夕凪の事になると、全然余裕がなくなって…
けないよな?』
「ふふっ
私は嬉しいよ?」
『は?  なんで?』
「ヤキモチ、妬いてくれたんでしょ?」
『くくっ  そうか。
じゃあ、これからも獨占丸出しでもいいかな』
瀬崎さんが笑う。
「ふふっ  でも、ほどほどにね?」
『ああ。夕凪おやすみ。
誰よりも夕凪をしてる』
「おやすみなさい。」
瀬崎さんは、なんとかするって言ってたけど、どうするんだろう?
あーあ、これから2ヶ月も瀬崎さんと會えないのかぁ。
寂しいなぁ。
もしも変わってしまうなら
第二の詩集です。
8 144売れ殘り同士、結婚します!
高校の卒業式の日、売り言葉に買い言葉でとある約束をした。 それは、三十歳になってもお互いフリーだったら、売れ殘り同士結婚すること。 あんなのただの口約束で、まさか本気だなんて思っていなかったのに。 十二年後。三十歳を迎えた私が再會した彼は。 「あの時の約束、実現してみねぇ?」 ──そう言って、私にキスをした。
8 171どうやら魔王は俺と結婚したいらしい
俺達が普通に何気無く生活していた時、突然俺達の世界に謎の建造物が現れた! その名は魔王城! そこには人ではない魔物が住んでいて、その魔物達が人間達を襲い混沌とした日常が訪れる……なんて事にはならずに俺達は何気無く普通の生活を送る。 なにもしてこないなら良いか、俺を含めた皆が安心していた時、俺の身にあんな事が起きるなんて想いもしなかった……。 この物語は俺が魔王に拐われ魔王城や色んな所でドタバタする、そんな話である。 ※ なろう、の作者、麥茶ライスさんがイラストを描いてくれました! 2話にあります、ありがとうございます。 ※表紙は、小説家になろう、の作者、麥茶ライスさんのイラストを使わせて頂いております。 ※この小説は、小説家になろうにも投稿しています。
8 59脇役転生の筈だった
乙女ゲーム『エデンの花園』に出てくる主人公……の、友人海野咲夜。 前世の記憶というものを取り戻した咲夜はある未來のために奮闘する。 だって、だってですよ? この友人役、必ず死ぬんですよ? 主人公を庇って死んじゃうんですよ? ……折角の2度目の人生、そうそうに死んでたまるかぁぁぁ!! という思いから行動した結果、何故か私を嫌っている筈だった兄が重度のシスコンと化したり…。 何故か面倒事に巻き込まれていたり? (特にシスコン兄の暴走のせいですが) 攻略対象者とは近付かないと決めていたのに何故か友人になって…。 しかもシナリオとは違って同じクラスになってるし…!
8 119ぼっちの俺がギャル風美少女に好かれた件について
周りとあまり関わりを持たず常に1人でいる主人公の竹澤佑介。その主人公に好意を抱くクラスのギャル風美少女の宮村莉沙は告白をしたが友達からスタートということで主人公にアプローチをしていくことに。そんな2人の青春ラブコメ。
8 158機甲女學園ステラソフィア
-スズメちゃんと一緒に人型兵器のある生活、はじめませんか?- 人型兵器がありふれた世界。 機甲裝騎と呼ばれるその兵器は交通、競技、戦闘と日常から戦場まで人の営みと同居している。 このマルクト神國にはそんな機甲裝騎を専門に扱う女學園があった。 通稱、機甲女學園とも呼ばれる國立ステラソフィア女學園―― そこに1人の少女が入學するところから物語は始まる。 今、1人の少女の數奇な運命が動き出した。 4年と1ヶ月と21日の連載を経て、機甲女學園ステラソフィアは完結しました。 今までありがとうございました!
8 175