《家庭訪問はのはじまり【完】》第73話 一生
その後2人で食を洗い、コーヒーを飲む。
「夕凪、結婚式は6月でいい?」
「ん?  あれ、本気だったの?」
幾ら何でも早くない?
「 本気だよ。
俺はできるなら、明日にでも結婚したい気分なんだけど、さすがにそれはご両親に挨拶もしたいし、 いろいろ準備もあるから」
早いけど…
噂が広まって、周りからあれこれ言われる前に結婚してしまった方がいいのかもしれない。
「うん。
よろしくお願いします」
私はカップを置いて、頭を下げた。
「こちらこそ、よろしく。俺の奧さん」
瀬崎さんはそう言うと、立ち上がって私の隣に腰かけた。
そして、私の手を握り、誓う。
「一生、夕凪を大切にする。
必ず、幸せにするから」
「はい」
私が返事をし終える前に、瀬崎さんの手が私の頬に添えられる。
「夕凪、してる」
その言葉とともに、にらかな溫もりが落とされた。
何度も繰り返されるキス。
私は瀬崎さんのに手を添えた。
「夕凪、今夜は泊まってもいい?」
瀬崎さんが耳元で囁く。
私は、どう答えていいのか戸いながらも、こくんと頷いた。
「じゃあ、シャワー浴びておいで」
シャワーって、そういう事だよね?
そんなの久しぶりすぎて、うまく返事ができない。
素直に先に行けばいいの?
それとも、瀬崎さんどうぞって言う?
私は経験の乏しい頭をフル回転させていると、
「それとも一緒がいい?」
と聞かれてしまった。
私は、慌ててブンブンと首を振り、逃げるように浴室に向かった。
はぁ…
シャワーひとつでこんなにいっぱいいっぱいで、今夜、私、大丈夫なのかな。
私は、シャワーを浴びる。
で、また悩む。
何、著ればいいの?
普通にパジャマ?
だけど、私のパジャマは、かわいいニャンコ柄。
気も何もあったもんじゃない。
かといって、洋服を著るのも変な気がするし、他にセクシーな何かを持ってる訳じゃない。
こんな事なら、かわいい部屋著でも買っておけばよかった。
後悔先に立たず。
私は諦めて、かわいいニャンコのパジャマを著た。
私はバスタオルを肩に掛け、ドライヤーを持って瀬崎さんの待つ部屋へ戻る。
「瀬崎さんもどうぞ」
私が聲を掛けると、
「夕凪、かわいい」
と私の頬に手をそえる。
「髪を乾かして待ってて」
瀬崎さんはそう言うと、私の頬をひとでして浴室へと消えた。
はぁ…
心臓が飛び出すかと思った。
シャワーを浴びるだけで、こんなにドキドキして、私の心臓、一晩もつのかな。
ドキドキしながらも、私は髪を乾かす。
私の髪がほぼ乾いた頃、瀬崎さんは戻ってきた。
「あ、どうぞ」
私はドライヤーを渡す。
くすっ
瀬崎さんが笑った気がした。
やっぱり張してるのが分かるのかな。
瀬崎さんが髪を乾かしている間中、私の心臓は早鐘を打つように鳴りっぱなしだ。
髪がって、無造作に掻き上げた瀬崎さんは、いつにも増してっぽくて、どこを見ればいいのかも分からない。
私が落ち著かないでそわそわしていると、ドライヤーの電源を切った瀬崎さんが立ち上がった。
「夕凪、上に行こうか」
私は、頷くのが一杯だった。
階段を上りながら、私はふと思い出した。
「あ、クリスマス!!」
「ん?  何?」
私は振り返って言う。
「瀬崎さん、酔った私を2階まで運んでくれたよね?」
「ん?  ああ!
そんな事もあったな」
「あの時は、本當にごめんなさい。
重かったでしょ?」
本當に申し訳ない。
「くくっ
全然、重くないって言ったら、噓になるかな?
でも、夕凪に堂々とれるんだから、ちょっとくらい重くても、役得だよ」
そうだよね。重いよね。
私なら、お米を半俵運ぶのも無理だもん。
ちなみにお米1俵が約60㎏、半俵で30㎏。
私の実家のような農家はお米は玄米の狀態で30㎏りの紙袋にれて保管して、その都度、米機で米して食べる。
私は30㎏どころじゃないもん。
それを擔いで階段を上るなんて、私には絶対に無理。
「本當にごめんなさい。
これからは、飲みすぎないように気をつけるね」
私が頭を下げると、
「大丈夫。
もうすぐ、一つ屋の下で暮らすんだから。
飲み過ぎる前に、俺がベッドにうよ」
と意味あり気に微笑まれた。
それって…
「くくっ
夕凪、顔、赤いぞ。
何、想像したんだ?」
「えっ?  いえ、あの、別に… 」
それ、聞く?
瀬崎さんって、時々いじわるになるよね。
「夕凪、おいで」
瀬崎さんは、ベッドに腰掛けると、優しく私の手を引いた。
私は、瀬崎さんの隣に腰を下ろす。
「夕凪、一生、大切にする。
必ず、幸せにするから、死ぬまで俺だけを見てて」
「うん」
そっか。
瀬崎さんは、前妻さんに浮気されたから、私にはしてしくないって思ってるのかな?
「瀬崎さん、私は瀬崎さんを悲しませるような事はしないから。
だから、ずっと私のそばにいてね」
私がそう言った直後、ふわりと抱きしめられた。
「約束する。
死ぬまで俺は夕凪を守るよ」
そう言った直後、私を抱きしめる腕にぎゅっと力がった。
まるで、決意を新たにした事を伝えるみたいに。
瀬崎さんは、優しく私にれる。
そうして、私の理を奪っていく。
まるで數ヶ月分のを伝えるように。
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